解釈力。
このところ、と言っても先週からですが、日曜は午前11時40分からの日本テレビのバカ騒ぎ番組をちらっと見て、2時から『サンデイ・ソングブック』を聴き、そして、4時半の男にのぞむ、というのが、パターンになっているわけですが。
先週と今週の山下達郎さんのその番組『サンデイ・ソングブック』は2003年3月21日(金=祝)に東京FMホールで行われた番組リスナー招待のアコースティック・ライヴの模様を放送していました。先週書こうと思っていたのですが、彼は「ホワッツ・ゴーイング・オン」を歌うんですね。よく歌っていると言ってました。知らなかった。
ちょうどその前日開戦になったということで、急遽これを歌うことにした、とコメントしていました。う~む、このセンスはさすがですね。
この日のバンドはギター、ベース、キーボードだけのアコースティックバンド。達郎氏は、「普通はこの編成でやると、フォーク調になってしまいますが(といって、若干いかにもフォーク調の曲をほんの瞬間やる)、われわれがやると、見事なロックンロールになります」と言って一曲やったんですね。
たしかに、フォークではなく、ロックンロール。結局、音楽は楽曲じゃなくて、やる人、演奏家、歌手の心構えなんですよね。ソウルの名曲もカントリーの名歌手が歌えば、カントリーの名曲になります。フォークだって、ソウルにもなるし、ロックにもなる。
そして、その伝でいけば、この珠玉のソウルソングである「ホワッツ・ゴーイング・オン」が彼の手にかかると、見事なまでに達郎節のポップソングに生まれ変わります。これをして、解釈というのでしょう。そして、解釈力のあるミュージシャンは、概して非常にすぐれたミュージシャンです。
昨日(2003年6月22日)のオンエアでは、スカイライナーズの「シンス・アイ・ドント・ハヴ・ユー」を歌ってました。これも、ポップソングに変身です。