◎【「チェンジ・イズ・ゴナ・カム」から「チェンジ・ハズ・カム」へ~オバマ氏勝利演説】
予言。
長かった大統領選に民主党のオバマ氏が勝利し、2009年1月20日、第44代アメリカ大統領に就任する。そのオバマ氏の勝利演説(11月4日夜)がシカゴで行われた。シカゴはソウル・レジェンド、サム・クックのホームタウンである。(1931年ミシシッピー生まれだが、2歳のときからシカゴ育ち)
サム・クックは、1964年暮れ「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(変革は訪れる)」(未来形)と録音し、この曲を1965年1月からヒットさせた。
“A Change Is Gonna Come” by Sam Cook
I was born by the river in a little tent
Oh and just like the river I’ve been running ever since
It’s been a long, a long time coming
But I know a change gonna come, oh yes it will
川べりの小さなテントで僕は生まれた
以来僕は、その川の流れのように、ずっと(人生を)走り続けている
ここまで到達するのに、とても長い長い年月がかかった
だが、僕にはわかる。必ずや、変革は訪れるということを、そう必ず
Obama Victory Speech, Chicago, November 4th, 2008
「オバマ演説の一部」(2008年11月4日、シカゴ・勝利宣言スピーチ)
It’s been a long time coming, but tonight, because of what we did on this date in this election at this defining moment change has come to America.
ここまで到達するのに長い年月がかかった。しかし、今夜、この日、この選挙で我々が成し遂げたこの瞬間、アメリカに変革が訪れたのだ
そう、オバマ氏は44年前、サム・クックが「変革は必ずや訪れる」と未来形で予言したことを、ついに成し遂げ「変革は訪れた」と現在形で語ったのだ。しかも、サムのホームタウン、シカゴの地で。
オバマ氏の演説は実に素晴らしい。ケネディの演説や、マーチン・ルーサー・キング牧師の演説のように見事だ。
この勝利演説の中で、彼は106歳のひとりの一般黒人女性、アン・ニクソン・クーパーさんの話を盛り込んだ。そこにはブラック・ヒストリーが凝縮されている。
「(黒人解放のきっかけとなったアラバマ州)モンゴメリーのバス(ボイコット運動事件)も、(白人の警察官が黒人のデモ隊を消火ホースによる散水で抑圧しようとした同州)バーミングハム(事件)も、(参政権を求める黒人が州警察などから暴行を受けた同州)セルマの橋(事件)も、彼女は知っている。アトランタの(キング)牧師の『我々は勝利する』という言葉も彼女は聞いた。そう、我々にはできる。
(観客) (歓声) 我々にはできる!
人類が月に降り立ち、ベルリンの壁が崩壊し、世界は人類の科学と想像力によって結ばれた。そして今年、この選挙で、彼女は(電子投票機の)画面に指を触れ1票を投じた。なぜならアメリカに106年間住み、最良の時も最悪の時も経験した上で彼女は知っているからだ。そう、アメリカは変わることができる、と。我々にはできる」
OBAMA: She was there for the buses in Montgomery, the hoses in Birmingham, a bridge in Selma, and a preacher from Atlanta who told a people that “We Shall Overcome.” Yes we can.
AUDIENCE: Yes we can.
OBAMA: A man touched down on the moon, a wall came down in Berlin, a world was connected by our own science and imagination.
And this year, in this election, she touched her finger to a screen, and cast her vote, because after 106 years in America, through the best of times and the darkest of hours, she knows how America can change.
アメリカの人々は「モンゴメリーのバス、バーミングハムのホース、セルマの橋…」だけで意味がわかるのだ。黒人が虐げられ、そして、戦ってきたことを。この文はまるで詩のようだ。
オバマのヴィクトリー・スピーチをYou Tubeなどの映像で見ると、まるで映画のようだ。
英語の全文、日本語訳全文が次のところにある。(将来リンクが切れる可能性はありますのでお早めにごらんください)
(英文全文)
http://elections.foxnews.com/2008/11/05/raw-data-barack-obamas-victory-speech/
(日本語訳・毎日新聞のサイト)
http://mainichi.jp/select/world/news/20081106mog00m030056000c.html
映像を見ると、この演説を聴きながら、「イエス・ウィ・キャン!」と観客が応える。その様はまさにゴスペルのコール&レスポンス。聞きながら泣いている人さえいる。きっと、将来教科書にも載るであろう感動的な名演説だ。
ESSAY>Obama’s Victory Speech
予言。
長かった大統領選に民主党のオバマ氏が勝利し、2009年1月20日、第44代アメリカ大統領に就任する。そのオバマ氏の勝利演説(11月4日夜)がシカゴで行われた。シカゴはソウル・レジェンド、サム・クックのホームタウンである。(1931年ミシシッピー生まれだが、2歳のときからシカゴ育ち)
サム・クックは、1964年暮れ「ア・チェンジ・イズ・ゴナ・カム(変革は訪れる)」(未来形)と録音し、この曲を1965年1月からヒットさせた。
“A Change Is Gonna Come” by Sam Cook
I was born by the river in a little tent
Oh and just like the river I’ve been running ever since
It’s been a long, a long time coming
But I know a change gonna come, oh yes it will
川べりの小さなテントで僕は生まれた
以来僕は、その川の流れのように、ずっと(人生を)走り続けている
ここまで到達するのに、とても長い長い年月がかかった
だが、僕にはわかる。必ずや、変革は訪れるということを、そう必ず
Obama Victory Speech, Chicago, November 4th, 2008
「オバマ演説の一部」(2008年11月4日、シカゴ・勝利宣言スピーチ)
It’s been a long time coming, but tonight, because of what we did on this date in this election at this defining moment change has come to America.
ここまで到達するのに長い年月がかかった。しかし、今夜、この日、この選挙で我々が成し遂げたこの瞬間、アメリカに変革が訪れたのだ
そう、オバマ氏は44年前、サム・クックが「変革は必ずや訪れる」と未来形で予言したことを、ついに成し遂げ「変革は訪れた」と現在形で語ったのだ。しかも、サムのホームタウン、シカゴの地で。
オバマ氏の演説は実に素晴らしい。ケネディの演説や、マーチン・ルーサー・キング牧師の演説のように見事だ。
この勝利演説の中で、彼は106歳のひとりの一般黒人女性、アン・ニクソン・クーパーさんの話を盛り込んだ。そこにはブラック・ヒストリーが凝縮されている。
「(黒人解放のきっかけとなったアラバマ州)モンゴメリーのバス(ボイコット運動事件)も、(白人の警察官が黒人のデモ隊を消火ホースによる散水で抑圧しようとした同州)バーミングハム(事件)も、(参政権を求める黒人が州警察などから暴行を受けた同州)セルマの橋(事件)も、彼女は知っている。アトランタの(キング)牧師の『我々は勝利する』という言葉も彼女は聞いた。そう、我々にはできる。
(観客) (歓声) 我々にはできる!
人類が月に降り立ち、ベルリンの壁が崩壊し、世界は人類の科学と想像力によって結ばれた。そして今年、この選挙で、彼女は(電子投票機の)画面に指を触れ1票を投じた。なぜならアメリカに106年間住み、最良の時も最悪の時も経験した上で彼女は知っているからだ。そう、アメリカは変わることができる、と。我々にはできる」
OBAMA: She was there for the buses in Montgomery, the hoses in Birmingham, a bridge in Selma, and a preacher from Atlanta who told a people that “We Shall Overcome.” Yes we can.
AUDIENCE: Yes we can.
OBAMA: A man touched down on the moon, a wall came down in Berlin, a world was connected by our own science and imagination.
And this year, in this election, she touched her finger to a screen, and cast her vote, because after 106 years in America, through the best of times and the darkest of hours, she knows how America can change.
アメリカの人々は「モンゴメリーのバス、バーミングハムのホース、セルマの橋…」だけで意味がわかるのだ。黒人が虐げられ、そして、戦ってきたことを。この文はまるで詩のようだ。
オバマのヴィクトリー・スピーチをYou Tubeなどの映像で見ると、まるで映画のようだ。
英語の全文、日本語訳全文が次のところにある。(将来リンクが切れる可能性はありますのでお早めにごらんください)
(英文全文)
http://elections.foxnews.com/2008/11/05/raw-data-barack-obamas-victory-speech/
(日本語訳・毎日新聞のサイト)
http://mainichi.jp/select/world/news/20081106mog00m030056000c.html
映像を見ると、この演説を聴きながら、「イエス・ウィ・キャン!」と観客が応える。その様はまさにゴスペルのコール&レスポンス。聞きながら泣いている人さえいる。きっと、将来教科書にも載るであろう感動的な名演説だ。
ESSAY>Obama’s Victory Speech