ルーサーの新作、アルバム・チャートに1位初登場
生涯初。
6月10日に全米で発売されたルーサーのアルバム『ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー』が、今週末付けの全米アルバム・チャート(ビルボード誌など)で、1位初登場する。これは彼が81年『ネヴァー・トゥ・マッチ』でソロ・デビューして以来、22年の歴史の中で、初めての快挙。これまでにルーサーのアルバムは、ベスト、クリスマス・アルバムなどを含め15作品がアルバム・チャート入りしているが、最高位は94年の『ソングス』の5位、また、もっとも売れたアルバムは89年の2枚組のベスト・アルバムで300万セット(600万枚)だった。
ニールセン・サウンドスキャンの調べによると、集計締め切りの6月15日までに同アルバムは44万2千枚売り、堂々の1位となった。なお、2位には先週1位で、今週約36万枚を売り上げたメタリカが続いている。さらに3位には同じくロックグループ、レイディオヘッドの新作が約30万枚売りランクインしている。
ルーサーのレコードは、元アリスタ・レコード社長クライヴ・デイヴィスが持つJレコードからの作品。デイヴィスは、親会社BMGからアリスタの社長を解任され、自らJレコードを始め、成功した。昨年親会社BMGは、Jレコードの株を半分買収することにより、デイヴィスを再びグループ内の統括者に戻し、RCAレーベルのヘッドに据えた。このRCA傘下にJレコードが位置する。
現在RCAからは、テレビ番組『アメリカン・アイドル』(いわゆるスター誕生的な歌手志望アーティストたちの勝ち抜き番組)優勝者もしくは出身者のクレイ・エイキン、ルーベン・スタッダードのシングルがともにシングルチャートで1位、2位に初登場し、大ヒットさせている。
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Luther As Silk, Silk As Luther
シルク。
まさにシルクのような声とはこのルーサーのこと。新作『ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー』を繰り返し聴いている。全14曲、ゲストはフォクシー・ブラウン、ビヨンセ(デスチャ)、バスタライムス、クイーン・ラティーファなど、かなり若いヒップホップな連中を集めて、若い層の支持も集めようという狙い。
それにしても、やはり、彼の作品のクオリティーは若干の波はあれ、基本的にこの四半世紀変わらない。今回の作品は彼の入院騒ぎゆえに大量の露出があったために、一挙に大ブレイクしたが、おそらくそのプラスアルファがなくても、かなりの注目を集めただろう。アイズレーが1位初登場したように、ルーサーも1位初登場になったと思われる。それにしても、16枚目のチャート作品で初1位、しかも、初登場1位という栄誉までついた。
なにしろ、その表題曲がじつによくできている。誰にでも書けそうだが、これがなかなか書けないものなのだ。ここに到達するまでに、ルーサーは四半世紀を要しているのである。もし、これがデビューアルバムあたりで書かれ、歌われてもおそらくそれほどの感動は与えないだろう、と思う。そういう意味で、この曲にはルーサーの四半世紀のいや、もっとそれ以上の「人生のソウル」が込められていると思う。
ロバータ・フラック&ダニー・ハザウェイの名唱で知られる「ザ・クローサー・アイ・ゲット・トゥ・ユー」(78年、ソウルで1位、ポップで2位)を、デスティニー・チャイルドのビヨンセ・ノウルズとともにデュエットした。これも、キラー・カット! そういえば、たしかロバータのツアーでルーサーとマーカス・ミラーが実質的に親しくなった。それまでもスタジオなどで面識はあったが、じっくり音楽の話をするようになったのは、二人がロバータのツアーにでたとき。その出会いが『ネヴァー・トゥ・マッチ』に結集する。ルーサーは、ロバータの作品はかつて、「キリング・ミー・ソフトリー」を94年のアルバム『ソングス』で録音している。
アルバムにはもう1曲カヴァーがある。ビル・ウィザースの大ヒット曲「ラヴリー・デイ」(77年、ソウルで6位、ポップで30位)だ。バスタ・ライムスのMCに紹介されてルーサーのシルキー・ヴォイスが登場。
そして、文句なしのキャリアソング「ダンス・ウィズ・マイ・ファーザー」。歌詞がすでにネットにでていた。しばらく前にはでていなかったので、アルバム発売後、アップされたのだろう。
シルクの如くルーサーの声。それは、ルーサーの如くシルクの手触り。
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なお、ルーサーに関する記事は、次の過去日記に書いてあります。
4月25日https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030425.html、5月5日https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030505.html、5月15日https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030515.html、5月22日https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030522.html、5月29日https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200305/diary20030529.html、6月13日、6月14日、6月20日。
ソウル・サーチン・ダイアリーは、今一番ルーサーについて読める日記ですね。(笑)
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Song: “Dance With My Father ”
Artist: Luther Vandross
Back when I was a child
Before life removed all the innocence
My father would lift me high
And dance with my mother and me and then
Spin me around till I fell asleep
Then up the stairs he would carry me
And I knew for sure
I was loved
If I could get another chance
Another walk, another dance with him
I’d play a song that would never, ever end
How I’d love, love, love to dance with my father again
Ooh, ooh
When I and my mother would disagree
To get my way I would run from her to him
He’d make me laugh just to comfort me, yeah, yeah
Then finally make me do just what my mama said
Later that night when I was asleep
He left a dollar under my sheet
Never dreamed that he
Would be gone from me
If I could steal one final glance
One final step, one final dance with him
I’d play a song that would never, ever end
Because I’d love, love, love to dance with my father
again
Sometimes I’d listen outside her door
And I’d hear her, mama cryin’ for him
I pray for her even more than me
I pray for her even more than me
I know I’d prayin’ for much too much
But could You send back the only man she loved
I know You don’t do it usually
But Lord, she’d dyin’ to dance with my father again
Every night I fall asleep
And this is all I ever dream
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