▽【ボビー・ウーマック、ベストはリミックス入り】
ギター。
「ザ・ラスト・ソウル・マン」「ソウル・サヴァイヴァー」などの異名を取るソウル・シンガー、ボビー・ウーマックが1960年代から1970年代に所属した、ミニット、リバティ、ユナイテッド・アーティスツ(UA)レーベルに残した作品を編纂したベスト・アルバム、『ザ・ベスト・オブ・ボビー・ウーマック~ザ・ソウル・イヤーズ』が2008年10月8日、リリースされた。
ザ・ベスト・オブ・ボビー・ウーマック~ザ・ソウル・イヤーズ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/
Song list
1 Across 110th Street [From Across 110th Street] (03:44)
2 Woman’s Gotta Have It (03:30)
3 I’m a Midnight Mover (02:00)
4 That’s the Way I Feel About Cha (05:06)
5 You’re Welcome, Stop on By (03:28)
6 Lookin’ for a Love (02:24)
7 I’m in Love (02:39)
8 I Left My Heart in San Francisco (02:15)
9 Communication [Single Version] (03:51)
10 Fact of Life/He’ll Be There When the Sun Goes Down (06:14)
11 Fly Me to the Moon (02:06)
12 Harry Hippie (03:46)
13 I Can Understand It (06:29)
14 Preacher, Pt. 2/More Than I Can Stand [Live] (06:23)
15 I’m Through Trying to Prove My Love to You (03:35)
16 It’s All Over Now (02:44)
17 California Dreamin’ (03:08)
18 How I Miss You Baby (03:11)
19 Nobody Wants You When You’re Down and Out (02:54)
20 Daylight (03:06)
21 Check It Out [Single Version] (02:51)
22 Fire and Rain (04:15)
(ライナーノーツ 鈴木啓志 歌詞カード、対訳付き)
ボビーが1968年に契約したミニットから、UAでの1976年までの約8年に残された作品からの22曲だ。選曲的には、誰でもピックアップできそうな、普通のまさにベスト・アルバムなので、僕もソングリストを見て、それだけで納得してしまった。ところが、1曲目「アクロース・110ス・ストリート」(1973年)をCDプレイヤーにいれたら、これがミックス違いではないか。あまりに予期せぬことにびっくり。ミックス違いと言っても、そんなに大勢に影響はないのだが。
この新盤では、イントロからギターの音が、今までのヴァージョンよりはるかに前面に出ている。旧ヴァージョンでは、同じギターフレーズが若干沈み込んでいた。また、パーカッションのサウンドもそれまでより持ち上げられている感じだ。そこで、今までのヴァージョンとこれをCDプレイヤー2台で同時にならしてみた。すると、長さ、ヴォーカルなど音源はすべて一緒。ギターだけ持ち上がっているのが耳に付いた。
しかし、今まで何千回と聴きなれた曲が、ギターの音がちょっとだけ上がっているだけでこうも印象が変わるものかと改めて驚いた。たぶん、マルチのマスターからミックスをやり直して、ギター部分をあげたのだと思うが、CDにはそうした作業に関するクレジットがない。
そもそも、この曲はウェスト・コーストで録音されたらしいが、ミュージシャン・クレジットなどもない。ギターと歌はボビーに間違いないが。
で、この新ミックスについては、ライナーノーツの中で鈴木啓志巨匠も触れられていない。おそらく、ベストの曲目リストで、この盤を聴くことなく執筆したのだろう。どれも、耳たこくらいのおなじみ曲だからそれもありうる。アルバム全体はデジタル・リミックスをしたと書いているが、各楽曲についての詳細はない。
「アクロース・110ス・ストリート」は、もともと1973年の同名映画のテーマ曲だった。そして、その映画のテーマ曲が、24年後にまったく別の映画『ジャッキー・ブラウン』(1997年)でも、再度テーマ曲になっている。そのサントラも一応チェックしてみた。すると、こちらは、もともとのオリジナル・ヴァージョンのようだ。
ところで、この「Across 110th Street」、邦題が「110番街交差点」とついているが、正しくは「110丁目」となるはず。番街は、マンハッタンを南北・縦に走るアヴェニューを指す単語。5th Avenue や 7th Avenue をそれぞれ5番街、7番街などと訳すのが基本的なルールだ。「ストリート」が丁目と訳される。57th Street は、横に走る道で、これは57丁目と訳される。だから、110th Street は、本来は110丁目。交差点は、Crossing で、ここでのAcross は、越えて、の意味。
そして、Across 110th Street は、正確には、110丁目(の道)を越えて、という意味。110th Streetは、マンハッタンの中で、ハーレムとの境界線である。つまり、ハーレムに住む人間からすると、110丁目を越えてミッドタウンに入るということは、それだけでひとつ意味があることなのだ。110丁目を越えて、ミッドタウンで成功すれば、それはハーレムを抜け出しての成功という意味で、ブラックたちにとって大いなる誇りになる。逆にハーレムにはドラッグやら売春やら、いろいろな悪いことがたくさんある。ミッドタウンからすると、110丁目を越えるということは、危険地域に足を踏み込むという意味でもある。だから、Across 110th Street を正しく訳すと、110丁目を越えて、あるいは、さらに意訳すると、「110丁目の向こうに」「110丁目の先に」となる。
話がそれた。言いたいことは、この新作『ベスト』の「Across 110th Street」は、テイク違いで、ギターの音色が印象的です、ということだ。
ENT>MUSIC>ARTIST>Womack, Bobby
ENT>MUSIC>ALBUM>Womack, Bobby
ギター。
「ザ・ラスト・ソウル・マン」「ソウル・サヴァイヴァー」などの異名を取るソウル・シンガー、ボビー・ウーマックが1960年代から1970年代に所属した、ミニット、リバティ、ユナイテッド・アーティスツ(UA)レーベルに残した作品を編纂したベスト・アルバム、『ザ・ベスト・オブ・ボビー・ウーマック~ザ・ソウル・イヤーズ』が2008年10月8日、リリースされた。
ザ・ベスト・オブ・ボビー・ウーマック~ザ・ソウル・イヤーズ
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0012PYHGK/soulsearchiho-22/ref=nosim/
Song list
1 Across 110th Street [From Across 110th Street] (03:44)
2 Woman’s Gotta Have It (03:30)
3 I’m a Midnight Mover (02:00)
4 That’s the Way I Feel About Cha (05:06)
5 You’re Welcome, Stop on By (03:28)
6 Lookin’ for a Love (02:24)
7 I’m in Love (02:39)
8 I Left My Heart in San Francisco (02:15)
9 Communication [Single Version] (03:51)
10 Fact of Life/He’ll Be There When the Sun Goes Down (06:14)
11 Fly Me to the Moon (02:06)
12 Harry Hippie (03:46)
13 I Can Understand It (06:29)
14 Preacher, Pt. 2/More Than I Can Stand [Live] (06:23)
15 I’m Through Trying to Prove My Love to You (03:35)
16 It’s All Over Now (02:44)
17 California Dreamin’ (03:08)
18 How I Miss You Baby (03:11)
19 Nobody Wants You When You’re Down and Out (02:54)
20 Daylight (03:06)
21 Check It Out [Single Version] (02:51)
22 Fire and Rain (04:15)
(ライナーノーツ 鈴木啓志 歌詞カード、対訳付き)
ボビーが1968年に契約したミニットから、UAでの1976年までの約8年に残された作品からの22曲だ。選曲的には、誰でもピックアップできそうな、普通のまさにベスト・アルバムなので、僕もソングリストを見て、それだけで納得してしまった。ところが、1曲目「アクロース・110ス・ストリート」(1973年)をCDプレイヤーにいれたら、これがミックス違いではないか。あまりに予期せぬことにびっくり。ミックス違いと言っても、そんなに大勢に影響はないのだが。
この新盤では、イントロからギターの音が、今までのヴァージョンよりはるかに前面に出ている。旧ヴァージョンでは、同じギターフレーズが若干沈み込んでいた。また、パーカッションのサウンドもそれまでより持ち上げられている感じだ。そこで、今までのヴァージョンとこれをCDプレイヤー2台で同時にならしてみた。すると、長さ、ヴォーカルなど音源はすべて一緒。ギターだけ持ち上がっているのが耳に付いた。
しかし、今まで何千回と聴きなれた曲が、ギターの音がちょっとだけ上がっているだけでこうも印象が変わるものかと改めて驚いた。たぶん、マルチのマスターからミックスをやり直して、ギター部分をあげたのだと思うが、CDにはそうした作業に関するクレジットがない。
そもそも、この曲はウェスト・コーストで録音されたらしいが、ミュージシャン・クレジットなどもない。ギターと歌はボビーに間違いないが。
で、この新ミックスについては、ライナーノーツの中で鈴木啓志巨匠も触れられていない。おそらく、ベストの曲目リストで、この盤を聴くことなく執筆したのだろう。どれも、耳たこくらいのおなじみ曲だからそれもありうる。アルバム全体はデジタル・リミックスをしたと書いているが、各楽曲についての詳細はない。
「アクロース・110ス・ストリート」は、もともと1973年の同名映画のテーマ曲だった。そして、その映画のテーマ曲が、24年後にまったく別の映画『ジャッキー・ブラウン』(1997年)でも、再度テーマ曲になっている。そのサントラも一応チェックしてみた。すると、こちらは、もともとのオリジナル・ヴァージョンのようだ。
ところで、この「Across 110th Street」、邦題が「110番街交差点」とついているが、正しくは「110丁目」となるはず。番街は、マンハッタンを南北・縦に走るアヴェニューを指す単語。5th Avenue や 7th Avenue をそれぞれ5番街、7番街などと訳すのが基本的なルールだ。「ストリート」が丁目と訳される。57th Street は、横に走る道で、これは57丁目と訳される。だから、110th Street は、本来は110丁目。交差点は、Crossing で、ここでのAcross は、越えて、の意味。
そして、Across 110th Street は、正確には、110丁目(の道)を越えて、という意味。110th Streetは、マンハッタンの中で、ハーレムとの境界線である。つまり、ハーレムに住む人間からすると、110丁目を越えてミッドタウンに入るということは、それだけでひとつ意味があることなのだ。110丁目を越えて、ミッドタウンで成功すれば、それはハーレムを抜け出しての成功という意味で、ブラックたちにとって大いなる誇りになる。逆にハーレムにはドラッグやら売春やら、いろいろな悪いことがたくさんある。ミッドタウンからすると、110丁目を越えるということは、危険地域に足を踏み込むという意味でもある。だから、Across 110th Street を正しく訳すと、110丁目を越えて、あるいは、さらに意訳すると、「110丁目の向こうに」「110丁目の先に」となる。
話がそれた。言いたいことは、この新作『ベスト』の「Across 110th Street」は、テイク違いで、ギターの音色が印象的です、ということだ。
ENT>MUSIC>ARTIST>Womack, Bobby
ENT>MUSIC>ALBUM>Womack, Bobby