◆Illustrator Emori Ai’s Book Will Focus On Dancers In Japan
【江守藹氏ダンサーにスポットを当てた著作を執筆】
列伝。
ソウルフルなイラストですっかりおなじみのイラストレーター、江守藹氏が現在、自身のソウル歴と、自身がかかわってきたダンサーたちにスポットをあてた著作を執筆中だ。タイトルは、『黒く踊れ!(ストリート・ダンサー列伝)』(発行・銀河出版=2008年秋発売予定)。現在第一稿が書きあがり、今秋の発行をメドに準備が進んでいる。
その第一稿を読ませていただく機会を得た。約19万字におよぶ大作(ページ数・版型などは未定)は、著者が高校生時代の1960年代中期からディスコの前身である新宿の「踊り場」に出入りし、そこで多くのディスコ関係者、ソウル・ミュージック好き、ダンサー、アメリカ人ブラザーたちで出会い、自身が影響を受け、ソウルの世界、ダンスの世界、さらには黒人運動などに興味を持っていく様を描く。
江守さんは「基本的にはこの本は僕の生き様の中で出会ったダンサーとその時代のストーリー」と言う。江守さんはご存知の通り、日本のソウル・ミュージックの発展に大きく寄与した人物のひとり。そのイラストは数多くのソウル系レコードのジャケットを飾ったり、雑誌などに掲載された。黒人を描かせたら彼の右に出るものはいないとまで言われ、1970年代から80年代にかけては、ソウル系のアルバムやシングル・ジャケットを軒並み描いた。そこで、江守氏とソウル・ミュージシャンたちとの邂逅(かいこう)にはまた別のストーリーがあり、それは次の著作で明らかにされる。
現在、ダンスは若い人たちの間でも大変な人気で、多くのスター・ダンサーたちも登場している。日本でソウル系、R&B系ダンス、ヒップホップ系ダンス、およびそのダンサーたちが注目されるようになったのは、ここ30年。江守氏はその創世記から自らダンスをするダンサーとして、また指導者としてニック氏、勝本氏らとともにシーンを見つめてきた。そこには多くの出会い、別れ、確執、友情、愛などがうずまいた。
僕もいくつか感銘を受けるところがあった。例えば、主人公(江守氏)が初めてダンス・パーティーに出かけたシーン、初めて黒人の友達に連れられて基地内のプールに行ったときにあからさまに受けた人種差別体験、新宿のディスコに出入りするようになり、そこで知り合ったこわもての用心棒、踊りがめちゃくちゃうまいDJなど。前者は、ドン勝本氏、後者はニック岡井氏、ともに昨年(2007年)急逝した日本ソウル界に多くの足跡を残した人物だ。江守氏が1980年代に一時期九州に本拠をおいていたことがあるが、そのときの話もおもしろかった。
江守氏がこの本を書こうと思ったのは、随分前のことだったが、彼ら2人の急逝によって、背中を押された感じがある、と言う。
読書感想文は、それぞれがお持ちになることと思う。ただ、僕が個人的に感じたことは、江守さん、勝本さん、そして、ニックさんの3人の間に横たわる「ソウル」「ソウル・ミュージック」「ダンス」の名の下に結ばれる強烈な友情だ。時には喧嘩や言い争いをしたこともあったが、結局はいつも一緒にいた「仲間」「同志」だ。僕は、そんな仲間や同志、あるいは親友を持て、共に熱く生きてこられた江守さんの人生をうらやましく思った。
[この『黒く踊れ!(ストリート・ダンサー列伝)』(発行・銀河出版=2008年秋発売予定)については、また発売などが決まりましたら、江守氏インタヴューなどを含めて、改めてご紹介します]
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列伝。
ソウルフルなイラストですっかりおなじみのイラストレーター、江守藹氏が現在、自身のソウル歴と、自身がかかわってきたダンサーたちにスポットをあてた著作を執筆中だ。タイトルは、『黒く踊れ!(ストリート・ダンサー列伝)』(発行・銀河出版=2008年秋発売予定)。現在第一稿が書きあがり、今秋の発行をメドに準備が進んでいる。
その第一稿を読ませていただく機会を得た。約19万字におよぶ大作(ページ数・版型などは未定)は、著者が高校生時代の1960年代中期からディスコの前身である新宿の「踊り場」に出入りし、そこで多くのディスコ関係者、ソウル・ミュージック好き、ダンサー、アメリカ人ブラザーたちで出会い、自身が影響を受け、ソウルの世界、ダンスの世界、さらには黒人運動などに興味を持っていく様を描く。
江守さんは「基本的にはこの本は僕の生き様の中で出会ったダンサーとその時代のストーリー」と言う。江守さんはご存知の通り、日本のソウル・ミュージックの発展に大きく寄与した人物のひとり。そのイラストは数多くのソウル系レコードのジャケットを飾ったり、雑誌などに掲載された。黒人を描かせたら彼の右に出るものはいないとまで言われ、1970年代から80年代にかけては、ソウル系のアルバムやシングル・ジャケットを軒並み描いた。そこで、江守氏とソウル・ミュージシャンたちとの邂逅(かいこう)にはまた別のストーリーがあり、それは次の著作で明らかにされる。
現在、ダンスは若い人たちの間でも大変な人気で、多くのスター・ダンサーたちも登場している。日本でソウル系、R&B系ダンス、ヒップホップ系ダンス、およびそのダンサーたちが注目されるようになったのは、ここ30年。江守氏はその創世記から自らダンスをするダンサーとして、また指導者としてニック氏、勝本氏らとともにシーンを見つめてきた。そこには多くの出会い、別れ、確執、友情、愛などがうずまいた。
僕もいくつか感銘を受けるところがあった。例えば、主人公(江守氏)が初めてダンス・パーティーに出かけたシーン、初めて黒人の友達に連れられて基地内のプールに行ったときにあからさまに受けた人種差別体験、新宿のディスコに出入りするようになり、そこで知り合ったこわもての用心棒、踊りがめちゃくちゃうまいDJなど。前者は、ドン勝本氏、後者はニック岡井氏、ともに昨年(2007年)急逝した日本ソウル界に多くの足跡を残した人物だ。江守氏が1980年代に一時期九州に本拠をおいていたことがあるが、そのときの話もおもしろかった。
江守氏がこの本を書こうと思ったのは、随分前のことだったが、彼ら2人の急逝によって、背中を押された感じがある、と言う。
読書感想文は、それぞれがお持ちになることと思う。ただ、僕が個人的に感じたことは、江守さん、勝本さん、そして、ニックさんの3人の間に横たわる「ソウル」「ソウル・ミュージック」「ダンス」の名の下に結ばれる強烈な友情だ。時には喧嘩や言い争いをしたこともあったが、結局はいつも一緒にいた「仲間」「同志」だ。僕は、そんな仲間や同志、あるいは親友を持て、共に熱く生きてこられた江守さんの人生をうらやましく思った。
[この『黒く踊れ!(ストリート・ダンサー列伝)』(発行・銀河出版=2008年秋発売予定)については、また発売などが決まりましたら、江守氏インタヴューなどを含めて、改めてご紹介します]
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