■ファンク・オール・スターズ・ライヴ~事前セットリストなしのライヴ

■Funk All Stars Live At Billboard: Fred Will Never Know The Setlist Before The Show Begins

【ファンク・オール・スターズ・ライヴ~事前セットリストなしのライヴ】
勉強。
「ファンク・オール・スターズ」と銘打ち、しかも、そこにフレッド・ウェスリーとピー・ウィー・エリスというジェームス・ブラウン・ファミリーの名前を見れば、どう考えてもファンクにあふれる70分を想定してしまう。
ところがどっこいこのバンドのリーダーは、ドクター・ロニー・スミスであった。ハモンドB3の達人にして、演奏しながら声もだしてしまうアーティストである。事前のセットリストは一切なし。ドクターが何かのフレーズを弾きだし、そこから曲が展開し、残りのミュージシャンたちがそれについていく。
5人のミュージシャンとしてのレベルには驚かされた。何がどうきても、なんなく対応する。まるで、その様は「こんなの朝飯前だよ」という感じだ。プロ野球の選手が、難しいフライやゴロを簡単に捕って裁くのと同じだ。プロたちは何事も一見、「簡単に」見せるのだ。
そこでこの夜飛び出したのは、ジャジーなラウンジ風作品。1曲目はフレディー・ハバードの「リトル・サンフラワー」、スロー・ジャムで各メンバーにソロをまわし、30分近くやった。途中で、この日のセットは3曲だけか、とさえ思ってしまったほど。(笑) 続いて、ジェームス・ブラウンの「コールド・スウェット」のような曲、これが唯一、のりのりのファンク系作品だった。
一言でまとめれば、優れたジャズミュージシャンが、それぞれの持ち場で一流のライヴ・パフォーマンスを見せたジャズ・ライヴといったところか。このあたりが、ちょっと想定外。ギターのロニーは、メイシオの盟友だけあって、かつてのジミー・ノーランを思わせるファンクさいっぱいだった。
セットリスト、まったくわからなかったので、ライヴ後にでてきたマイ・フレンド、フレッド・ウェスリーに尋ねたら、親切に思い出してくれた。「2曲目はどんな曲だったっけ?」 「ちょっと、『コールド・スゥエット』に似た感じ(Like a “Cold Sweat”)の曲でした」 「じゃあ、『ライク・ア・コールド・スゥエット』だ」(笑) 「そうだな、『ホット・スゥエット』てとこだな」。すると、ギターのロニーが「それは、『オレンジ・ピール』だよ」と助け舟。ちなみに、ステージで紹介されたIdris の発音は、「イードリス(・モハメド)」だそうだ。
「セットリストは、事前にわからないんですね」と聞くと、「知らないよ。今でも(ライヴ後も)知らない。ワハハハ。曲は全部、ドクターが決めるからね」とフレッドは答えた。ということは、明日はまたまったく違うセットリストになるのかもしれない。
というわけで、フレッド先生から教わった楽曲とセットリストを元に、そのオリジナル・アルバムなどを調べてみました。下記セットリストをごらんあれ。なんと、一番古いのは1932年作品、新しくて1969年なんですね。このあたり、ジャズ・マニアにとってはスタンダードということで、「常識」というか「基礎教養」のようです。勉強になる~~。
■ フレッド・ウェスリー過去関連記事
April 04, 2008
Rad. Live At Cotton With Fred Wesley: Funk In A Time Capsule
http://blog.soulsearchin.com/archives/002432.html
September 15, 2007
Maceo Parker Thanks For Stuff At Blue…No, Billboard Live
http://blog.soulsearchin.com/archives/002025.html
メイシオ・パーカー・ライヴにフレッド・ウェスリー
April 21, 2007
Show James Brown And Don Katsumoto Live Of Funk Masters
http://blog.soulsearchin.com/archives/001722.html
April 23, 2007
Funk Masters : Good Audience Makes Good Performance
http://blog.soulsearchin.com/archives/001731.html
フレッド・ウェスリーを含むファンク・マスターズ・ライヴ評
■ メンバー
~ファンク・オールスターズ~
フレッド・ウェズリー/ピー・ウィー・エリス/ドクター・ロニー・スミス/イードリス・ムハマド/ロドニー・ジョーンズ
~Funk All Stars~
Fred Wesley (trombone) / Pee Wee Ellis (sax) / Dr. Lonnie Smith (Hammond B3, keyboards) / Idris Muhammad (drums) / Rodney Jones (guitar)
■ セットリスト ファンク・オール・スターズ ビルボード・ライヴ
Setlist : Funk All Stars @ Billboard Live, May 23, 2008
[ ] denotes composer and published year
Special thanks to Mr. Fred Wesley for making setlist
Show started 21:30
01. Little Sunflower [Freddie Hubbard — LP ”Backlash”- 1966]
02. Orange Peel [Ruben Wilson — LP”Blue Mode” -1969]
03. In A Sentimental Mood [Duke Ellington — 1935]
04. Willow Weep For Me [Ann Ronell — 1932]
05. Sandu [Clifford Brown — LP “Study In Brown” — 1955]
Show ended 22:53
(2008年5月23日金曜、ビルボード・ライヴ=ファンク・オール・スターズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Funk All Stars
2008-84
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