誰?
「だれえ?」と聞くときにも、いろいろな聞き方があります。リー・リトナーの81年の大ヒットは「イズ・イット・ユー?」。直訳すると「君かい?」っていう感じ。扉が閉まっていて、ノックの音がする。そこに、たとえば彼女が来る予定になっていたりする。そういう時は、「イズ・イット・ユー?」(君かい) 女性が男性を待っていれば「あなた?」 あるいは、新聞の集金が来ることがわかっていれば、そんなときも「イズ・イット・ユー?」と使ってもいい。あらかじめわかっている相手のときに使います。
それに比べると「フー・イズ・イット?」は、相手が誰かわからず、文字通り、「誰?」という意味。ドアがノックされた。誰かわからない。一体誰だろう。そんなとき、「フー・イズ・イット?」(誰?) どちらの表現も、電話でも使えますね。電話が鳴る。とる。声に聞き覚えがある。確認する意味で「イズ・イット・ユー?」 誰かわからないときで、相手が名乗らなければ「フー・イズ・イット?」(誰?) この二つは相手の顔が見えていないときに使います。
で、一方「フー・アー・ユー?」は、実際に面と向かって会っていて、「あなたは誰?」と聞く場合に使う。あるいは「あなたは、何者?」と聞くとき。ただし、使い方によっては「あんた、誰よ」みたいなけんか腰的なのりになることもあるので、注意しないといけません。
なので、初対面のときは、「フー・アー・ユー」はあまりお勧めしません。まず自分の名前を名乗り、「お名前聞いてもいいですか(メイ・アイ・アスク・ユア・ネーム?)」といったあたりから、会話を始めるのが一般的です。
リー・リトナーの「イズ・イット・ユー」も、彼女が来るのを待っている彼が、ノックの音を聞いて「イズ・イット・ユー」というところから始まる3分間の物語です。そういえば、マイケル・ジャクソンがアルバム『デンジャラス』で、「フー・イズ・イット」という曲を歌っていましたね。
といった話を「イズ・イット・ユー」をかけているときに、オフ・ザ・マイクでお話していました。講師は僕で、マーヴィンが「そうそう」とうなずいていました。以上、今日のワン・ポイント・イングリッシュ・レッスンでした。