○アル・グリーン最新作、コラボ満載

○Al Green’s New Album Will Be Out On May: Clone Of Great Hi Sound

【アル・グリーン最新作、コラボ満載】
ハイ・サウンド。
ソウル・シンガー、アル・グリーンがブルーノート移籍第3弾アルバム『レイ・イット・ダウン』を2008年5月27日に全米リリースする。ブルーノートで出た3作の中でもっともアル・グリーンらしさがでた傑作に仕上がっている。プロデュースには、アル・グリーンのほか、ジェームス・ポイザー、そして、ザ・ルーツのクゥエスト・ラヴ。また、ゲスト・シンガーにアンソニー・ハミルトン、コリーン・ベイリー・レイ、さらにジョン・レジェンドまで登場、ということで、このあたりでも大いに話題を集めそうだ。ストリングス・アレンジは、ラリー・ゴールド! 
なによりも、驚くのが、サウンドだ。クゥエスト・ラヴはかなりアル・グリーンが好きと見え、相当研究した成果がでている。特にドラムス。クゥエスト・ラヴ自身がドラムスを叩いているが、これがアル・グリーンがかつて所属したメンフィス・ハイ・レコードのドラマー、ハワード・グライムスのドラミングを実にうまく再現している。さらに、オルガンの入れ方、昔ながらのパーカッションなどのはさみ方など、まるで1970年代のハイ・サウンドが21世紀によみがえったかのようだ。ハイ・サウンドのクローン、出現だ。ひょっとして、メンフィスのハイのスタジオで録音したのか。(詳細クレジットがまだないために録音場所は不明。リリース時には判明する)
また各楽曲が、かつてのアル・グリーン作品を元にしたような作品になっており、古くからのファンも思わずにやりとしてしまいそうなアルバムに仕上がった。
アル・グリーンは、「これまでにウィリー・ミッチェル以外に自分をプロデュースさせたことはなかった。この若者たち、お手並み拝見といったところだったが、出来上がった作品は見事だったよ」と述べている。
個人的には、アンソニー・ハミルトンとアル・グリーンのデュエットなどには大変感銘を受けた。ジョン・レジェンドもあっている。またそれほど黒っぽくないコリーンとのデュエットは、この「ハイ・サウンド」の中に入ってくると、コリーンの声さえも少しソウルフルに聞こえるかのように思えた。
「レイ・イット・ダウン」、「テイク・ユア・タイム」は、「ハウ・キャン・ユー・メンド・ア・ブロークン・ハート」を下敷きに、「ステイ・ウィズ・ミー」は、「シャラ・ラ・ラ」を下敷きに、「ユーヴ・ガット・ザ・ラヴ・アイ・ニード」は「ラヴ・アンド・ハピネス」を、「ノーワン・ライク・ユー」は「タイアード・オブ・ビーイング・アローン」を、「スタンディング・イン・ザ・レイン」は、「テイク・ミー・トゥ・ザ・リヴァー」などをベースに作られたような気がする。曲によっては、インスピレーションを受けたものが違うかもしれないが、いずれにせよ、実にアル・グリーン・サウンドが研究され尽くしたアルバムだ。しかし、こんなアルバムを作れるクゥエスト・ラヴは本当にうらやましい。今までのレコーディング・セッションで一番楽しかったのではないだろうか。
まちがいなく、しばらく僕のCDライブラリーの中ではヘヴィー・ローテーションになる。
Track list
01. Lay It Down (Featuring Anthony Hamilton)
02. Just For Me
03. You’ve Got The Love I Need (Featuring Anthony Hamilton)
04. No One Like You
05. What More Do You Want From Me
06. Take Your Time (Featuring Corinne Bailey Rae)
07. Too Much
08. Stay With Me (By The Sea) (Featuring John Legend)
09. All I Need
10. I’m Wild About You
11. Standing In The Rain
(US Blue Note)
ENT>ARTIST>ALBUM>Green, Al
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