◎“Kawaii Hito Yo” Will Be Covered By Martin, Korn, Noritake
【「可愛いいひとよ」マーチンたちがカヴァー】
トリビュート。
日本の生んだディスコ・クラシックとして1970年代から現在にいたるまで、いまだに人気の高いクック・ニック&チャッキーの「可愛いいひとよ」が、カヴァーされる。ご存知の通り、これを歌う3人の1人、ニック岡井さんは、昨年(2007年11月11日)亡くなっており、カヴァーはニックさんへのトリビュートということになる。今回、カヴァーするのは、なんと日本のソウル・シーンで歌い続けるマーチンこと鈴木雅之、バブルガム・ブラザースのブラザー・コーン、そして、その2人をディスコ、ダンスの師とあおぐトンネルズの木梨憲武のトリオだ。
マーチンは、現在新作を準備中で、ここにはこれまで彼がレコーディングしてきたデュエット曲、コラボレート作品を集める。タイトルは『マティーニ・デュエット』になる予定で、6月末の発売予定。菊池桃子とのデュエット「渋谷で5時」さらにその続編となる新録曲「恋のフライトタイム~12PM」、「ロンリー・チャップリン」、「エンドレス・ラヴ」、「シーズ・マイ・ガール」(エナメル・ブラザース)などが収録される。
「可愛いいひとよ」のアーティスト名は、コック・マック&ノッキー。コックがブラザー・コーン、マックがマーチン、ノッキーが木梨憲武だ。この曲に関しては、それぞれが思い入れをもっている。マーチンもよくディスコに通っていた時代、ステップあるところに必ずこの曲が流れ踊っていた。特に、この3人の中ではコックことブラザー・コーンは、新宿ゲット時代からのニックの大ファン。ニックをダンスの師匠と崇め、崇拝している。そしてそんなコーンに連れられて日夜ディスコに通い詰めていたのが木梨憲武だった。
この新ヴァージョンの「可愛いいひとよ」では、単にカヴァーするだけでなく、いろいろなソウル・ヒットの数々がちりばめられていて、ソウル・ファンなら思わずにやりとしてしまうようなものになっている。
マーチンのデュエット・アルバムには何曲か新録による作品が収録されるが、これもその1曲。今年も9月に『ソウル・サミット』が行われることになっており、そこでこの「可愛いいひとよ」が歌われることになりそうだ。
オリジナルの「可愛いいひとよ」は1972年に最初のシングルがリリースされた。その後、ジャケットを変えて何度かリリースされているが、1973年以降、全国のディスコでこの曲の振り付けがついて、人気となった。海外のソウル、ディスコ作品がかかっていた日本のディスコでプレイされていたほんの数曲の日本語曲のひとつ。もちろんオリジナルの振り付けはニックが担当していた。そして、作詞は誰あろう阿久悠、作曲は大野克夫という名コンビ。これまでにドン勝本らのキング・オブ・ソウルのほか、山瀬まみ、レイジー 、時東ぁみ、ホワッツ・ラヴ(What’s Love?)などもカヴァーしている。
なお、この楽曲の表記だが、当初は「可愛いひとよ」だったが、第二版から「可愛いいひとよ」と、「い」が二文字に表記されるようになった。本来は誤記だが、「かわいい」の音を優先したためらしい。当時のレコード会社にはよくありがちなミスというところが愛嬌だ。
アルバムがリリースされる6月以降、ニックの誕生日(9月29日)、命日(11月11日)へ向けて、「可愛いいひとよ」が盛り上がれば、ニックへのいい供養になりそうだ。
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