★Fukamachi Jun #86; Talks About New York All Stars
【深町純第86回定例キーボード・パーティー~ニューヨーク録音を語る】
プロ。
毎月の定例会、2月は深町さんに土曜日に九州でスリー・ディグリーズのライヴの仕事があったため、翌日・日曜に変更。
さて、いろんなお話の中で、彼がかつてレコーディングしたニューヨーク・オールスターズのアルバムがCD化される、という話がでた。
「ニューヨーク・オールスターズの『オン・ザ・ムーヴ』が今度、ソニーからCD化されてでることになったんです。これは、『ニューヨーク・オールスターズ』という素晴らしいライヴ盤があるんですが、その元になったアルバムです。これがあって、ライヴ盤ができた。メンバーはトランペットがランディー・ブレッカー、テナー・サックスがマイケル・ブレッカー、アルト・サックスがデイヴィッド・サンボーン、ドラムスがスティーヴ・ガッド、ギターがスティーヴ・カーン、ベースがアンソニー・ジャクソンで、ピアノがリチャード・ティー、シンセが僕で、マイク・マイニエリというヴィブラホン奏者がはいってます」
「当時僕は日本でもアレンジの仕事、スタジオ・ミュージシャンとしての仕事をしてたけど、ニューヨークに行って驚いたのは、日本だと、たとえば、ものすごい難しいフレーズがあると、そこに来たミュージシャンたちから『こんなの(難しいフレーズ)吹けねえよ』『こんな(変な)のはできない』と言われることが多々あった。僕も若かったせいもあって、難しいのを書いたりしたこともあるんだけど。つまり先輩のミュージシャンが、(若い僕が)書いたメロディーにいちゃもんをつける。ひどいときには、そのフレーズを(勝手に)変えちゃったりするのね。そういうことがよくあった」
「ところが、この人たち(ニューヨークのミュージシャンたち)は、そういうことは一切言わない。それにものすごく驚いた。どんな有名なミュージシャンでも、このフレーズひどいからとか、難しいから吹けないとか言わず、黙々とやるんですよ。ああ、この人たちって、こんなにひどいフレーズでも、俺が吹けばこんなに素晴らしいフレーズになるんだ、というところに誇りを持っているんだって思ったのね。そういうミュージシャンって日本にいないのね。日本でそういうことになると、アレンジャーも『じゃあ、適当に書き換えてくれますか』って言っちゃうのね。で、(ミュージシャンが)自分が吹きやすいようにやるもんなの」
「で、逆に向こうで『適当に書き換えてくれますか』って言うと、『いいけど、100ドルよこせ』って言われるんだよね。ただでやらない。そこがまたすごいプロなんだよね。すべからず、プロ。演奏家っていうのは、与えられたフレーズをいかにうまく吹くかっていうのが仕事なんだよね。ちょっとでも変えてください、ていうと100ドル払えば変える、ということね。それは別のプロとしての仕事だ、という」
なるほど。ちなみにこのアルバムはご存知の方も多いだろうが、いわゆるフュージョン界の名盤の1枚である。
この話の前に、ル・フレールという若手ピアノ奏者がベーゼンドルファー(世界3大ピアノのひとつ)しか弾かないという話があり、いいピアノとそうでないピアノでは違うのか、という質問に答えた後の話だった。深町さんは、ピアノを選ばない。弘法筆を選ばずとはうまいことを言った。「こんなにひどいピアノでも、この人が弾くとなんて素晴らしいんだって言われるほうがいいでしょう(笑)」
■深町純・定例キーボード・パーティー3月は、今週土曜日3月29日、祐天寺FJズで午後8時から、60分程度が2セット。ミュージックチャージは、見て気に入った分を自由に払うシステム。
http://fjs.fukamachi-jun.com/map.html
■セットリスト
Setlist : Fukamachi Jun #86 @FJ’s, February 24, 2008
セットリスト 深町純 86回
1st set
show started 20:05
01. 2008年2月24日20時05分の作品(18:03)
02. 2008年2月24日20時35分の作品(09:55)
03. 2008年2月24日20時56分の作品(14:48)
show ended 21:11
2nd set
show started 21:33
01. 2008年2月24日お題拝借作品1(03:03)
02. 2008年2月24日お題拝借作品2 (02:53)
03. 2008年2月24日お題拝借作品3 (03:29)
04. 2008年2月24日22時12分の作品(08:22)
05. 2008年2月24日22時21分の作品(13:14)
show ended 22:37
■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)
2007年01月 第一部 65.53 第二部 54.97
2007年02月 第一部 53.88 第二部 49.33
2007年04月 第一部 65.26 第二部 68.58
2007年05月 第一部 40.89 第二部 58.19 【恵比寿・アートカフェ最終回】
2007年06月 第一・二部(通し)64.78 (2時間50分)【祐天寺FJ’s1回目】
2007年07月 第一部 66.23 第二部 66.45
2007年08月 第一部 67.03 第二部 68.04
2007年09月 第一部 71.16 第二部 67.30
2007年10月20日 第一部 67.81 第二部 49.29 (通算82回)
2007年10月27日 第一部 96.00 第二部 74.65 (サントリー・ホール・ブルー・ローズ)
2007年11月24日 第一部 66.96 第二部 77.04 (通算83回)
2007年12月29日 第一部 60.67 第二部 58.38
2008年01月26日 第一部 71.90 第二部 59.06 (第85回)
2008年02月24日 第一部 64.80 第二部 48.43
(2008年2月24日日曜、祐天寺FJズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2008-25
プロ。
毎月の定例会、2月は深町さんに土曜日に九州でスリー・ディグリーズのライヴの仕事があったため、翌日・日曜に変更。
さて、いろんなお話の中で、彼がかつてレコーディングしたニューヨーク・オールスターズのアルバムがCD化される、という話がでた。
「ニューヨーク・オールスターズの『オン・ザ・ムーヴ』が今度、ソニーからCD化されてでることになったんです。これは、『ニューヨーク・オールスターズ』という素晴らしいライヴ盤があるんですが、その元になったアルバムです。これがあって、ライヴ盤ができた。メンバーはトランペットがランディー・ブレッカー、テナー・サックスがマイケル・ブレッカー、アルト・サックスがデイヴィッド・サンボーン、ドラムスがスティーヴ・ガッド、ギターがスティーヴ・カーン、ベースがアンソニー・ジャクソンで、ピアノがリチャード・ティー、シンセが僕で、マイク・マイニエリというヴィブラホン奏者がはいってます」
「当時僕は日本でもアレンジの仕事、スタジオ・ミュージシャンとしての仕事をしてたけど、ニューヨークに行って驚いたのは、日本だと、たとえば、ものすごい難しいフレーズがあると、そこに来たミュージシャンたちから『こんなの(難しいフレーズ)吹けねえよ』『こんな(変な)のはできない』と言われることが多々あった。僕も若かったせいもあって、難しいのを書いたりしたこともあるんだけど。つまり先輩のミュージシャンが、(若い僕が)書いたメロディーにいちゃもんをつける。ひどいときには、そのフレーズを(勝手に)変えちゃったりするのね。そういうことがよくあった」
「ところが、この人たち(ニューヨークのミュージシャンたち)は、そういうことは一切言わない。それにものすごく驚いた。どんな有名なミュージシャンでも、このフレーズひどいからとか、難しいから吹けないとか言わず、黙々とやるんですよ。ああ、この人たちって、こんなにひどいフレーズでも、俺が吹けばこんなに素晴らしいフレーズになるんだ、というところに誇りを持っているんだって思ったのね。そういうミュージシャンって日本にいないのね。日本でそういうことになると、アレンジャーも『じゃあ、適当に書き換えてくれますか』って言っちゃうのね。で、(ミュージシャンが)自分が吹きやすいようにやるもんなの」
「で、逆に向こうで『適当に書き換えてくれますか』って言うと、『いいけど、100ドルよこせ』って言われるんだよね。ただでやらない。そこがまたすごいプロなんだよね。すべからず、プロ。演奏家っていうのは、与えられたフレーズをいかにうまく吹くかっていうのが仕事なんだよね。ちょっとでも変えてください、ていうと100ドル払えば変える、ということね。それは別のプロとしての仕事だ、という」
なるほど。ちなみにこのアルバムはご存知の方も多いだろうが、いわゆるフュージョン界の名盤の1枚である。
この話の前に、ル・フレールという若手ピアノ奏者がベーゼンドルファー(世界3大ピアノのひとつ)しか弾かないという話があり、いいピアノとそうでないピアノでは違うのか、という質問に答えた後の話だった。深町さんは、ピアノを選ばない。弘法筆を選ばずとはうまいことを言った。「こんなにひどいピアノでも、この人が弾くとなんて素晴らしいんだって言われるほうがいいでしょう(笑)」
■深町純・定例キーボード・パーティー3月は、今週土曜日3月29日、祐天寺FJズで午後8時から、60分程度が2セット。ミュージックチャージは、見て気に入った分を自由に払うシステム。
http://fjs.fukamachi-jun.com/map.html
■セットリスト
Setlist : Fukamachi Jun #86 @FJ’s, February 24, 2008
セットリスト 深町純 86回
1st set
show started 20:05
01. 2008年2月24日20時05分の作品(18:03)
02. 2008年2月24日20時35分の作品(09:55)
03. 2008年2月24日20時56分の作品(14:48)
show ended 21:11
2nd set
show started 21:33
01. 2008年2月24日お題拝借作品1(03:03)
02. 2008年2月24日お題拝借作品2 (02:53)
03. 2008年2月24日お題拝借作品3 (03:29)
04. 2008年2月24日22時12分の作品(08:22)
05. 2008年2月24日22時21分の作品(13:14)
show ended 22:37
■過去の音楽比率(ライヴ全体の中での音楽の割合を表します)(単位は%)
2007年01月 第一部 65.53 第二部 54.97
2007年02月 第一部 53.88 第二部 49.33
2007年04月 第一部 65.26 第二部 68.58
2007年05月 第一部 40.89 第二部 58.19 【恵比寿・アートカフェ最終回】
2007年06月 第一・二部(通し)64.78 (2時間50分)【祐天寺FJ’s1回目】
2007年07月 第一部 66.23 第二部 66.45
2007年08月 第一部 67.03 第二部 68.04
2007年09月 第一部 71.16 第二部 67.30
2007年10月20日 第一部 67.81 第二部 49.29 (通算82回)
2007年10月27日 第一部 96.00 第二部 74.65 (サントリー・ホール・ブルー・ローズ)
2007年11月24日 第一部 66.96 第二部 77.04 (通算83回)
2007年12月29日 第一部 60.67 第二部 58.38
2008年01月26日 第一部 71.90 第二部 59.06 (第85回)
2008年02月24日 第一部 64.80 第二部 48.43
(2008年2月24日日曜、祐天寺FJズ=深町純ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Fukamachi, Jun
2008-25