▼アル・マッケイ・ライヴ

▼Al McKay Allstars Live : Big Party Is Happening On The Stage

【アル・マッケイ・オールスターズ~ステージ上は大パーティー騒ぎ】
凝縮。
アース・ウィンド&ファイアー(以下EWF、あるいはアース)のもっとも輝いていた時期を支えたスーパー・ギタリスト、アル・マッケイ率いるアル・マッケイ・オールスターズの2005年8月大阪ブルーノート以来約2年半ぶり、11回目の来日。マウント・フジが2002年8月、僕個人としては2001年7月の赤坂・旧ブリッツでのライヴ以来の鑑賞。観客も、満席ではないのだが、アース好きな濃い客層で反応もかなりいい。
マウント・フジのメンバーも6人ほど参加、選曲も最新曲で1981年までのヒットということで、ある意味アースが一番充実していた頃の作品ばかりをぎゅっと凝縮した80分になった。フロントには、3人のリード・シンガーと4人のホーン・セクションが立ち、彼らが激しく動き、踊るものだから、実にアクションが楽しい。まずはヴォーカルの3人が芸達者で実にいい。ステージの上は1曲目からパーティー騒ぎだ。
そのパーティーは、頭3曲でアップ・テンポでワンツー・パンチを食らわせ、2曲ほど名バラードを歌い、6曲目「イン・ザ・ストーン」からは、怒涛の全曲ノンストップ・メドレーで観客を煽る。しかも嬉しいことに、最近のアースのライヴでは聴けないような1970年代の珠玉の名曲が登場する。「ジュピター」そして、「マジック・マインド」!! 客席の気温もまもなく沸点に達する。
4人のオールスター・ホーンズの中には急遽、来日ができなくなったライアン・ポーターに代わり、日本のオオサカ=モノレールのトロンボーン平石勝俊さんが参加。振り付けは横を見ながら真似していたが、十分仕事をしていた。また、客席から向かって左から2番目、一番の長老マイケル・ハリスは、オリジナルのフェニックス・ホーンズのメンバーでもある。彼らが打ち出す上記2曲などでのホーン・セクションは、往年のアースを彷彿とさせる。「マジック・マインド」でのホーンだけになる部分が3-4箇所あるが、その瞬間、横のヴォーカルたちが彼らを指差し、注目させる。こういうところも最高だ。
そして、なによりギターのアル・マッケイのグループであるにもかかわらず、彼はほとんどトップ7人の後ろで控えめにひたすらリズム・ギターを刻み続け、2-3度ほんの数小節で前にでてソロを披露するところが、奥ゆかしい。バンドの中では若干ドラムスにファンク度が欠けるような気がしたが、まあ、バンド全体でまとまっているのでよしとしよう。(笑)
6曲目からのノンストップでのヒット曲メドレーは圧巻だ。そして、まるでアースのライヴをこの小さなブルーノートという空間で見られることが夢のようだ。アース好きにはたまらない80分だ。
本編がそのメドレー「セプテンバー」で終わり、ええっ、もう終わりか、という飢餓感の中、拍手を受けてメンバーが戻ってきた。そして、アル・マッケイが「オールスターズを最初に結成した1991年、彼がこのバンドでドラムスをやってくれていた。タカ・ヌマザワ! ステージにあがってきてくれ!」と叫んだ。おおおっ、沼澤さん来てましたか! ドラムセットに座り、カウントとともに、アンコールの「ブギー・ワンダーランド」へ突入。おお、ファンク度アップだ。びしっと終わって、すぐにメドレーで「レッツ・グルーヴ」。全曲、叩いたらどうだろう。(笑) これはラッキーだった。
終わった後沼澤さんに話を聴くと、アルから電話があって、今日は自分のライヴがなかったので遊びに来たという。このあたりの曲は、その昔何度もやっていたので、全然問題なく叩けるそうだ。
ライヴ後、サイン会。他のメンバーもでてきた。アルに「今日のセットリストは完璧だ。だけど1曲、どうしても聴きたい曲が入っていなかった。それは、『バック・オン・ザ・ロード』だ」というと、「おおっ、あれは長い間、やっていない。じゃあ、次回以降にリクエストしてくれ(笑)」と返ってきた。「あれは、あなたのテーマ曲みたいなものでしょう」というと、「たしかにそうだな」と答えた。
ドレッドヘアのリード・シンガー、ティムが客席でタカさんたちと一緒にいた。合間を見計らって尋ねた。「今日のセットは7-80分でしたが、もう少し長くできるのでしょう」と向けると、「ああ、1日1回だったら90分から100分くらいのショウができるよ」。「では、今日のセットリストに入ってない曲でよくやる曲は?」 「そうだな、『サン・ゴッデス』、『シング・ア・ソング』、『サタデイ・ナイト』、『アイル・ライト・ア・ソング』、『ラヴズ・ホリデイ』…。他にももう少しあったような気がするな。思い出せないけど」 なるほど、そのあたりも含めたフル・ヴァージョンのショウも見たくなってきた。やはり、1981年くらいまで限定のアース曲のセットリストだと、それだけで熱くなってくる。ま、そういうものなんだろう。で、みんなも同じ気持ちだと思う。(笑)しかし、アースのいい時代をこうして凝縮してくれるとリピーターになりそうで怖い。(笑)
■ アル・マッケイ・オールスターズ ライヴアルバム
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00009SF4R/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ライヴは日曜(2008年3月23日)まで、東京ブルーノート
■アル・マッケイ関連・過去記事
◎アース・ウインド・アンド・ファイアーの名ギタリスト、アル・マッケイの挑戦 (インタヴュー記事)
http://www.barks.jp/feature/?id=52241463
◎アル・マッケイ・オールスターズ・ライナーノーツ
『ライヴ・アット・マウント・フジ・ジャズ・フェスティバル2002』
https://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/mccay20030723.html
2003/06/12 (Thu)
Crash Between Maurice White And Al McKay
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200306/diary20030612.html
◎アース・ウインド&ファイアー『ライヴ・イン・リオ』(アル・マッケイ在籍のアースのライナーノーツ)
https://www.soulsearchin.com//entertainment/music/linernotes/earth20030326.html
January 19, 2006
Earth, Wind & Fire: Live At Budoukan, Why They Didn’t Play Encore Song?
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_01_19.html
(ここにアース関連・過去記事一覧)
■ メンバー
アル・マッケイ・オールスターズ AL McKAY ALLSTARS
2008年3月19日(水)~23日(日)@東京ブルーノート
アル・マッケイ(ギター)Al McKay(g)
ティム・オーウェンズ(ヴォーカル)Tim Owens(vo) (ドレッドヘア、真ん中)
ディヴィア・デュケット(ヴォーカル)Devere Duckett(vo) (向かって右)
クロード・ウッズ(ヴォーカル) Claude Woods(vo) (帽子を被った向かって左)
マイケル・ハリス(トランペット)Michael Harris(tp)
ウィンストン・バード(トランペット) Winston Byrd(tp)
平石 勝俊(トロンボーン)Katsutoshi Hiraishi(tb) (ライアン・ポーターのピンチヒッター)
エド・ワイン(サックス) Ed Wynne(sax)
ディ-ン・ガント(キーボード) Dean Gant(key) (手前、2段のキーボードを担当)
ベン・ダウリング(キーボード)Ben Dowling(key) (後ろの白人)
フレディー・フルウェレン(ベース)Freddie Flewelen(b)
アーロン・ハガーティー(ドラムス)Aaron Haggerty(ds)
デヴィッド・リーチ(パーカッション)David Leach(per)
沼澤尚 (ドラムス) Numazawa Takashi (drums) (飛び入り)
■セットリスト アル・マッケイ
Setlist : All McKay Allstars @ Blue Note Tokyo, March 20, 2008
Show started 21:05
00. Intro : On The Way Up
01. Serpentine Fire (1978)
02. Got To Get You Into My Life (1978)
03. Shining Star (1975)
04. After the Love Is Gone (1979)
05. Reasons (1975)
06. In The Stone (1979)
07. Fantasy (1978)
08. Jupiter (1977)
09. Getaway (1976)
10. Magic Mind (1977)
11. Let Your Feelings Show (1979)
12. Can’t Hide Love (1976)
13. That’s The Way Of The World (1975)
14. September (1978)
Enc. Boogie Wonderland (+Numazawa Takashi) (1979)
Enc. Let’s Groove (+Numazawa Takashi) (1981)
Show ended 22:25
(2008年3月20日木曜、ブルーノート東京=アル・マッケイ・オールスターズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>McKay, Al & All Stars
2008-44
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