★ライアン・ショウ喉の秘密語る

★Sensational Ryan Shaw Talks About His Secrets Of Strong Voice

【ライアン・ショウ語る】
鋼鉄。
それにしても、ライアン・ショウのライヴは衝撃だった。冒頭のアカペラでのサム・クックから終始その声力で圧倒。ここまで歌い倒すシンガーは、最近なかなかいない。しかも、この日は昼間『JVCジャズ』でも歌っているのだ。
まだ27歳のライアンは、1960年代、1970年代のソウル・ミュージックが熱かった頃のヴァイブを呼び起こしている。十代途中まで両親から世俗音楽を聴くことを許されなかったという彼は、ある意味、純粋培養のゴスペル・シンガーだったのかもしれない。そして、そのゴスペルから世俗的なソウル・ミュージックへ今、第一歩を踏み出した。今のこの時代、十代半ばまで世俗のR&Bやヒップホップに触れずに生きてこれるのか。びっくりその1だ。
さてそのライヴが終わってしばらくすると本人が客席に戻り、サイン会を始めた。輸入盤を持っているファンもけっこういる。「他に、サム・クックやオーティス(・レディング)の曲でレパートリーはありますか」「う~ん、ステージで歌うのはまだないなあ。でも、もちろん、(将来的に)他の曲も歌う可能性はあるよ」「子供の頃は毎週教会に行ってゴスペルを?」「もちろん、ずっと歌ってた」「最近のヒップ・ホップなども聴くのですか」「ああ、聴くよ」「でも、なんでこうした1960年代や1970年代の曲ばかり歌う?」「そういう作品のほうが、マッチ・ベター(よりよい)だからさ」「誕生日を教えてください」「1980年12月25日、6人(男の)兄弟と1人(女の)姉妹がいる(8人兄弟の1人)。僕は3番目」
ところで、この誕生日、オフィシャル・ページを見ると、12月26日とあり、兄弟構成も上から4番目となっていた。ひょっとして彼が3男で上に姉がいるのか。ただこの時のやりとりで、「君の誕生日はクリスマスで、ジェームス・ブラウンの命日と一緒だね」と言ったら、「おう、そうだそうだ」と返してきていた。ただ、ノリで「イエス」と答えたかもしれないので、次回、ライアンに会う機会があれば、再確認してみたい。あちこちのバイオグラフィーで12月26日生まれとあるので、僕が聞き違えたのかなあ。たしかに25と言っていたが。だが、いろいろ調べているうちにワシントン・ポスト紙のインタヴューで12月25日生まれとあった。さて真実は。あ~、たかが生年月日が一日違うだけでくどい?(笑)
その記事↓
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2007/06/29/AR2007062900521.html
ライアンの来日は、今回が4回目だという。1回目はなんと日本でも人気のあるアカペラ・グループ、14カラット・ソウルの誰かの代役で来たという。これはびっくりその2。それから2回ゴスペル・クワイアーの一員としてやってきて、今回が4回目。もちろん、ライアン・ショウとしては初来日だ。
1998年、ライアンはニューヨークにやってきて、以来ミュージカルや、ニューヨークのクラブシーンなどで活動してきた。有名なのは、57丁目にあった「モータウン・カフェ」の箱バンドでの仕事。この頃、多くのモータウン・ヒッツやスタックスのヒットを歌ってきて、そういう音楽を気に入った。
そんな中で、現在のミュージシャンたちとも出会った。ベースの「ビッグ・タイニー」ことマイケル・リンゼイ(1981年8月6日生まれ)にベースのヒーローは誰かと尋ねると、ジャケットを広げ着ていたTシャツを見せてくれた。そこにはジャコ・パストリアスの顔が。「他に、マーカス・ミラー、ヴィクター・ウーテン、アンソニー・ジャクソン、リチャード・ボナ…。たくさんいるよ。僕たちは、ヴィレッジの『グルーヴ』という店や、『ヴィレッジ・ヴァンガード』などで演奏したり、ハングアウトしているうちに知り合ったんだ」と言う。大柄の彼がベースを持つと、ベースが小さく見える。
ギターのロバート・グアリグリア(1978年5月16日生まれ)は、このライアン・ショウのバンドに入る前には、ロバート・ランドルフ(スチールパン奏者)のバンドにいて、当初2週間のツアー予定でライアンのバンドに入った。しかし、それが結局54週間も続くことになった、という。当初、このバンドには1人キーボードがいたが、辞めてしまい、その後補充していない。彼のヒーローはレッド・ゼッペリンのジミー・ページ。彼の名前の発音がひじょうに難しく、何度もやってみたが「ダメだ、違う」と言われ、結局「もういい、ロビーGでいいよ」と言われた。(笑) 英語の発音は難しい。小柄な彼がギターを持つと、ギターが大きく見える。
ドラマーにも話を聞こうかと思ったが、女の子と話に熱中していた様子なので、やめておいた。
松尾さん、ライアンに「オーティス・レディングに会ったことはあるか」と直撃。ライアン笑って「ないよ、僕はまだ生まれてない!」と即答。「動いている映像は?」 「ライヴの映像を見た」 僕も「サム・クックに会ったことはあるか」と尋ねようかと思ったが、やめておいた。
最後にライアンにその喉の強さの秘訣はと聞くと「睡眠と水だよ。とにかく、よく寝て、水をたくさん飲むことだ」との答え。ケイシー(&ジョジョの)の喉も「鉄の声」だが、このライアンの喉はさらに「鋼鉄の声」という感じがする。睡眠と水だけであの声を維持か。びっくりその3だ。僕も思い切りたくさん水(1日2リットル目標)を飲んで、たっぷり寝てみよう。朝起きたら「鋼鉄の声」になってるかなあ。
(2008年3月1日土曜、丸の内コットン・クラブ=ライアン・ショウ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Shaw, Ryan
2008-28
カテゴリー: ブログ パーマリンク