★映画『アース』はドラマの連続

“Earth” The Movie: I Will Survive

【映画『アース』は小さなドラマの連続】
圧巻。
2006年NHKで放送された映像ドキュメント『プラネット・アース』の劇場映画ヴァージョン『アース』が2008年1月12日から公開されている。
お客さんの入りはまあまあといったところか。年齢層も幅広く、親子連れもいる。映画としては約98分。それにしても、何度見てもこの映像は美しく素晴らしい。大画面で見るとさらに迫力、圧巻だ。
見たことがある映像がいくつもでてきて、感激も新た。ライオンが象を襲うシーン、ホッキョクオオカミがトナカイを捕獲するシーン、同じようにチータが獲物を捕らえるシーン、象が延々と水を求めて旅をしていて、疲れ果て横たわる子供の象を親象がひょいと叩いて、起こすシーンなどなど。かと思えばマントヒヒのダンス、鳥の求愛ダンスなどのコミカルな映像も楽しい。
カメラは次々と自然の過酷さ、厳しさ、そうした中で必死に生き延びていく強さを映し出す。弱肉強食とはよく言ったものだ。水があれば植物が生え、生物が集まる。生物が集まればそれを狙う別の生物が集まる。広大な地上を映す空からのパノラマ映像が、水中深くに潜むカメラが、必死に生きるさまざまな動物の姿を物静かに捕らえる。言葉なき映像が、多くのことを雄弁に語る。映像カメラマンという仕事をする人にとって、こんな仕事はまさに世界最高峰の仕事だと思う。
テレビ版の案内役は緒形拳、この映画のナレーションは渡辺謙。この作品のもっとも興味深いところが、ストーリーらしきストーリーはないこと。そして、人間がひとりも映らないこと。しかし、ひとつひとつのシーンにドラマがある。ストーリーはなくとも、さらに俯瞰(ふかん)してみれば、文字通り「地球」という生き物の今現在のストーリーの一部が描かれているともいえるかもしれない。
製作者はナレーションを通して、地球温暖化の危機を唱える。だが僕はこの映像に、そんな啓蒙的なメッセージよりも、多くの生き物が、地球という生き物の上で必死に明日のために生きようとしているというメッセージを感じた。
■映画公式ウェッブ
http://www.loveearth.com/jp/film/
現在公開中。
■『プラネット・アース』関連過去記事
August 10, 2006
“Planet Earth”: The Great Documentary Programme
【NHKのドキュメンタリー『プラネット・アース』】
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_08_10.html
September 27, 2006
“Planet Earth” Second Series Starts Oct 1st
【ドキュメンタリー『プラネット・アース』第二シリーズ10月1日から】
http://blog.soulsearchin.com/archives/001288.html
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