【スピリット・オブ・ザ・ブギー~クール&ザ・ギャングのスピリットを受け継いで】
スピリット
1970年代から1980年代にかけて日本でも大きな人気を獲得した大型ファンク、パーティー・バンド、クール&ザ・ギャング。その彼らの作品ばかりをカヴァーしようというコンセプトで始まったスピリット・オブ・ザ・ブギー名義のライヴ。目黒のライヴハウス、ブルース・アレーで、ビッグ・ホーンズ・ビーのフラッシュ金子さんとベースの小松秀行さんらが中心となって2004年11月に初めて行われてから、2006年1月に引き続き通算3回目のライヴ。日本の音楽シーンで大活躍中の名だたるミュージシャンたちが集結してソウル・ヴァイヴあふれるパフォーマンスを繰り広げた。
なにしろ、超満員。ふだん置いてあるテーブルを抜いて立ち見席を多数作ったため、ものすごい人数。しかも2日間。酸欠で死ぬかと思った。(笑) さらに驚くのがお客さんの95パーセントまでが女性ということ。過去2回も同じような感じで、おそらくそれぞれのミュージシャンのファンたちが集まってきているのだろう。例えば彼らがバックをつける米米クラブ、あるいはスクープ・オン・サムバディー、ズーコにリリコ、ガッツたちのファンなどなどだ。
なにしろ、バンドが強力だ。スクープのコーヘイさんのドラムス、小松さんのベース、そして、ガッツと石成さんのツイン・ギター、ホーン・セクションにキーボードなど、ファンク・バンドとしての基礎がしっかりしている。オンステージはなんと15人。ドラムス、ギター2、ベース、パーカッション、キーボード2、ホーン5にヴォーカル3。クール&ザ・ギャングは、「ブラス・ファンク・バンド」といってもいいが、この日はことあるごとにベースが際立っていた。
なにしろ、選曲が実にいい。基本的にはほぼクールの歴史に忠実に時代順に演奏されるが、特にファースト・セットのインスト曲あたりは、いまや本家本元のクールたちさえやらないような、それでいて、初期クールの傑作曲のいくつかが選ばれている。下記セットリストの2-3-4など、1970年代初期に黒人系ディスコなどでかかっていた。
クール・アンド・ザ・ギャングの歴史を大きく分けると、第一期がグループが結成された1964年から1973年の「ファンキー・スタッフ」以前あたりまで(さらにレコード・デビュー前とデビュー後=1969年=を分ける考え方もある)、第二期が1973年から1978年まで、第三期が新たなリード・シンガー、JTテイラーを迎えた1979年の「レディーズ・ナイト」以降、そのJTが抜ける1988年まで、以降現在までが第四期となる。どの時代が好きかは人の好みそれぞれだが、僕個人は圧倒的に一期、二期が好きだ。もちろん、JTが来てからの第三期は一番人気がでた時代なので、ポップ・グループとしてはそれなりに親しみも持つが、やはりファンク・バンド、パーティー・バンドとしては初期がいい。
そしてこのライヴのファースト・セットはそんな初期からの作品が演奏された。しいていえば、ここまで凝った選曲をするのであれば、楽曲「クール・アンド・ザ・ギャング」「スピリット・オブ・ザ・ブギー」あたりも聴きたくなる。
ここまでバンドがしっかりしているので、あとは、みなさん踊り・振り付けをつけていただいて、徹底的にパーティー・バンドとしてエンタテインメントを提供していただくのはどうだろう。一番参考になるのは、クールたちの振り付け、あるいは、アース、ジェームス・ブラウンのJBズあたりの振りだ。そして、もう一点、各曲がいい選曲で盛り上がるので、まとめて3曲ずつくらいメドレーで聴きたい。今回はほとんど無駄なMCがなくて徹底してファンクを聴かせるという感じでよかったが、ソウル・ファンク系アーティストが当たり前にやるように曲と曲を間断なく続けるのがいいグルーヴをさらに熱くしていく。たとえば、セカンド・セットの「トゥ・ホット」から「レディーズ・ナイト」までの3曲などノンストップ・メドレーで行きたい。
いやいや、今年見た日本人バンドのライヴで、一番です。…まだ1本しか見てないけど。(笑) また来年もよろしく。
■過去関連記事
2004/11/18 (Thu)
Spirit Of The Boogie Live At Blues Alley
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200411/diary20041118.html
スピリット・オブ・ザ・ブギーの初ライヴ。
クール&ザ・ギャング『クール&ザ・ギャング・プレゼンツ・ギャングランド』
https://www.soulsearchin.com/entertainment/music/linernotes/kool20010821.html
2001年7月執筆のクール&ザ・ギャングのアルバム・ライナー・ノーツ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005MMO0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ クール&ザ・ギャング 『ワイルド・アンド・ピースフル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001E44/soulsearchiho-22/ref=nosim/” ;;
このアルバムからは4曲演奏された。
■ メンバー
2008 New Year Premium LIVE『SPIRIT OF THE BOOGIE』 Special 2days
(B)小松秀行 (G)石成正人 (Ds)KO-HEY(from Skoop On Somebody) (Key)松本圭司 (Per)坂井“Lambsy”秀彰 (Vo/G)GATZ (Cho)ZOOCO、露崎春女(Lyrico) (Vo)Glynis Martin
★Big Horns Bee+1★
(Org/Fl)フラッシュ金子 (A.sax)織田浩司 (Tb)河合わかば (Tp)小林太、佐々木史郎 (T.sax)竹上良成
■ Setlist : Spirit Of The Boogie @ Blues Alley, January 9, 2008
セットリスト :スピリット・オブ・ザ・ブギー ブルース・アレー・ジャパン
(下記10~12以外はすべてクール&・ザ・ギャングの作品。タイトルの次の[ ]は、それらの曲が収録されているクールたちのアルバム、およびそのアルバム発表年)
Show started 19:47
01. Give It Up [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
02. Chocolate Buttermilk [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
03. Let The Music Take Your Mind [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
04. Love The Life You Live [From 5th Album “Music Is The Message” 1972]
05. Wild And Peaceful [From 7th Album “Wild And Peaceful” ; 1973]
06. Funky Granny [From 5th Album “Music Is The Message”; 1972] (小林さんの切り絵)
07. Jungle Boogie [From 7th Album “Wild And Peaceful” – 1973]
–. Soul Vibration (snippet) [From 5th Album “Music Is The Message” ; 1972]
08. Hollywood Swinging [From 7th Album “Wild And Peaceful” ; 1973]
Show ended 20:44
Show started 21:16
09. Slick Superchick (Glynis “Bone” Martin”) [From 14th Album “The Force” ; 1978]
10. If I Ain’t Got You (Zooco) [Alicia Keys – 2004]
11. What Cha’ Gonna Do For Me (Tsuyuzaki Harumi=Lyrico) [Chaka Kahn-1981, Ned Doheny]
12. What’s Going On (Glynis “Bone” Martin) [Marvin Gaye – 1971]
13. Open Sesami [From 13th Album “Open Sesami” ; 1976]
14. Sugar [From 12th Album “Love And Understanding” ; 1976]
15. Summer Madness [From 9th Album “Light Of The Worlds”; 1974] (松本さんキーボードソロ圧巻)
16. Too Hot [From 17th Album “Ladies’ Night”; 1979]
17. Get Down On It [From 19th Album “Something Special”; 1981]
18. Ladies’ Night [From 17th Album “Ladies’ Night”; 1979]
Enc. Funky Stuff [From 7th Album “Wild And Peaceful”; 1973]~ A Riff Of “Thank You”
Enc. Celebration [From 18th Album “Celebrate!”; 1980] (両腕あげて左右にゆらす振りで一体化)
Show ended 22:48
(2008年1月9日水曜、目黒ブルース・アレー・ジャパン=スピリット・オブ・ザ・ブギー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Spirit Of The Boogie
2008-2
スピリット
1970年代から1980年代にかけて日本でも大きな人気を獲得した大型ファンク、パーティー・バンド、クール&ザ・ギャング。その彼らの作品ばかりをカヴァーしようというコンセプトで始まったスピリット・オブ・ザ・ブギー名義のライヴ。目黒のライヴハウス、ブルース・アレーで、ビッグ・ホーンズ・ビーのフラッシュ金子さんとベースの小松秀行さんらが中心となって2004年11月に初めて行われてから、2006年1月に引き続き通算3回目のライヴ。日本の音楽シーンで大活躍中の名だたるミュージシャンたちが集結してソウル・ヴァイヴあふれるパフォーマンスを繰り広げた。
なにしろ、超満員。ふだん置いてあるテーブルを抜いて立ち見席を多数作ったため、ものすごい人数。しかも2日間。酸欠で死ぬかと思った。(笑) さらに驚くのがお客さんの95パーセントまでが女性ということ。過去2回も同じような感じで、おそらくそれぞれのミュージシャンのファンたちが集まってきているのだろう。例えば彼らがバックをつける米米クラブ、あるいはスクープ・オン・サムバディー、ズーコにリリコ、ガッツたちのファンなどなどだ。
なにしろ、バンドが強力だ。スクープのコーヘイさんのドラムス、小松さんのベース、そして、ガッツと石成さんのツイン・ギター、ホーン・セクションにキーボードなど、ファンク・バンドとしての基礎がしっかりしている。オンステージはなんと15人。ドラムス、ギター2、ベース、パーカッション、キーボード2、ホーン5にヴォーカル3。クール&ザ・ギャングは、「ブラス・ファンク・バンド」といってもいいが、この日はことあるごとにベースが際立っていた。
なにしろ、選曲が実にいい。基本的にはほぼクールの歴史に忠実に時代順に演奏されるが、特にファースト・セットのインスト曲あたりは、いまや本家本元のクールたちさえやらないような、それでいて、初期クールの傑作曲のいくつかが選ばれている。下記セットリストの2-3-4など、1970年代初期に黒人系ディスコなどでかかっていた。
クール・アンド・ザ・ギャングの歴史を大きく分けると、第一期がグループが結成された1964年から1973年の「ファンキー・スタッフ」以前あたりまで(さらにレコード・デビュー前とデビュー後=1969年=を分ける考え方もある)、第二期が1973年から1978年まで、第三期が新たなリード・シンガー、JTテイラーを迎えた1979年の「レディーズ・ナイト」以降、そのJTが抜ける1988年まで、以降現在までが第四期となる。どの時代が好きかは人の好みそれぞれだが、僕個人は圧倒的に一期、二期が好きだ。もちろん、JTが来てからの第三期は一番人気がでた時代なので、ポップ・グループとしてはそれなりに親しみも持つが、やはりファンク・バンド、パーティー・バンドとしては初期がいい。
そしてこのライヴのファースト・セットはそんな初期からの作品が演奏された。しいていえば、ここまで凝った選曲をするのであれば、楽曲「クール・アンド・ザ・ギャング」「スピリット・オブ・ザ・ブギー」あたりも聴きたくなる。
ここまでバンドがしっかりしているので、あとは、みなさん踊り・振り付けをつけていただいて、徹底的にパーティー・バンドとしてエンタテインメントを提供していただくのはどうだろう。一番参考になるのは、クールたちの振り付け、あるいは、アース、ジェームス・ブラウンのJBズあたりの振りだ。そして、もう一点、各曲がいい選曲で盛り上がるので、まとめて3曲ずつくらいメドレーで聴きたい。今回はほとんど無駄なMCがなくて徹底してファンクを聴かせるという感じでよかったが、ソウル・ファンク系アーティストが当たり前にやるように曲と曲を間断なく続けるのがいいグルーヴをさらに熱くしていく。たとえば、セカンド・セットの「トゥ・ホット」から「レディーズ・ナイト」までの3曲などノンストップ・メドレーで行きたい。
いやいや、今年見た日本人バンドのライヴで、一番です。…まだ1本しか見てないけど。(笑) また来年もよろしく。
■過去関連記事
2004/11/18 (Thu)
Spirit Of The Boogie Live At Blues Alley
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200411/diary20041118.html
スピリット・オブ・ザ・ブギーの初ライヴ。
クール&ザ・ギャング『クール&ザ・ギャング・プレゼンツ・ギャングランド』
https://www.soulsearchin.com/entertainment/music/linernotes/kool20010821.html
2001年7月執筆のクール&ザ・ギャングのアルバム・ライナー・ノーツ。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005MMO0/soulsearchiho-22/ref=nosim/
■ クール&ザ・ギャング 『ワイルド・アンド・ピースフル』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B000001E44/soulsearchiho-22/ref=nosim/” ;;
このアルバムからは4曲演奏された。
■ メンバー
2008 New Year Premium LIVE『SPIRIT OF THE BOOGIE』 Special 2days
(B)小松秀行 (G)石成正人 (Ds)KO-HEY(from Skoop On Somebody) (Key)松本圭司 (Per)坂井“Lambsy”秀彰 (Vo/G)GATZ (Cho)ZOOCO、露崎春女(Lyrico) (Vo)Glynis Martin
★Big Horns Bee+1★
(Org/Fl)フラッシュ金子 (A.sax)織田浩司 (Tb)河合わかば (Tp)小林太、佐々木史郎 (T.sax)竹上良成
■ Setlist : Spirit Of The Boogie @ Blues Alley, January 9, 2008
セットリスト :スピリット・オブ・ザ・ブギー ブルース・アレー・ジャパン
(下記10~12以外はすべてクール&・ザ・ギャングの作品。タイトルの次の[ ]は、それらの曲が収録されているクールたちのアルバム、およびそのアルバム発表年)
Show started 19:47
01. Give It Up [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
02. Chocolate Buttermilk [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
03. Let The Music Take Your Mind [From 1st Album “Kool & The Gang”-1969]
04. Love The Life You Live [From 5th Album “Music Is The Message” 1972]
05. Wild And Peaceful [From 7th Album “Wild And Peaceful” ; 1973]
06. Funky Granny [From 5th Album “Music Is The Message”; 1972] (小林さんの切り絵)
07. Jungle Boogie [From 7th Album “Wild And Peaceful” – 1973]
–. Soul Vibration (snippet) [From 5th Album “Music Is The Message” ; 1972]
08. Hollywood Swinging [From 7th Album “Wild And Peaceful” ; 1973]
Show ended 20:44
Show started 21:16
09. Slick Superchick (Glynis “Bone” Martin”) [From 14th Album “The Force” ; 1978]
10. If I Ain’t Got You (Zooco) [Alicia Keys – 2004]
11. What Cha’ Gonna Do For Me (Tsuyuzaki Harumi=Lyrico) [Chaka Kahn-1981, Ned Doheny]
12. What’s Going On (Glynis “Bone” Martin) [Marvin Gaye – 1971]
13. Open Sesami [From 13th Album “Open Sesami” ; 1976]
14. Sugar [From 12th Album “Love And Understanding” ; 1976]
15. Summer Madness [From 9th Album “Light Of The Worlds”; 1974] (松本さんキーボードソロ圧巻)
16. Too Hot [From 17th Album “Ladies’ Night”; 1979]
17. Get Down On It [From 19th Album “Something Special”; 1981]
18. Ladies’ Night [From 17th Album “Ladies’ Night”; 1979]
Enc. Funky Stuff [From 7th Album “Wild And Peaceful”; 1973]~ A Riff Of “Thank You”
Enc. Celebration [From 18th Album “Celebrate!”; 1980] (両腕あげて左右にゆらす振りで一体化)
Show ended 22:48
(2008年1月9日水曜、目黒ブルース・アレー・ジャパン=スピリット・オブ・ザ・ブギー・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Spirit Of The Boogie
2008-2