Chicago

名声。

前から見たかった『シカゴ』をやっと見ることができました。本当はアカデミーの発表(日本時間で24日月曜)以前に見たかったのですが、今回は人気ということで、試写自体が予約制になっていて、なかなか満員で入れなかったわけです。

舞台は1920年代のシカゴ。スターのヴェルマ(キャサリン・ズィータ・ジョーンズ)、最初はそのヴェルマにあこがれているロキシー(レニー・ゼルウィガー)、そして彼らを弁護することになる弁護士ビリー(リチャード・ギア)を中心にした物語。

ロキシーは、夫がある身ながら、自分をキャバレーに売りこんでくれるという男と浮気をしていた。しかしいつまでたっても、店のマネージャーを紹介してくれないその男に詰め寄ると、彼は最初から彼女に紹介するつもりなどなかったといい放つ。激怒したロキシーは銃で彼を撃ち殺してしまう。留置場に行くと、そこで彼女は、スターのヴェルマに出会う。彼女も、夫と姉を殺した罪で留置されていたのだ。そして、二人をそれぞれ弁護する野心家の弁護士ビリーが、さまざまな手を使い、彼女たちを無罪にしようと試みる。果たして、彼女たちは無罪になるのか、有罪で極刑になるのか。人を殺してスターになるという退廃的な時代背景も盛り込みながら、名声への貪欲な戦いが繰り広げられる。

さまざまなシーンで、彼ら3人が思うこと、イメージなどを音楽にしてはさんでいくという構成は、なかなかとっつきやすく、楽しみやすかったです。ちょうど、マンガの吹き出しみたいに、曲が入っていく感じで、とても自然な流れがあります。

1975年に始まったミュージカルを映画化した本作は、表面的にはものすごくスタイリッシュで、おしゃれでありながら、その裏ではどろどろの愛憎劇が繰り広げられています。テンポもよく細かいところも、本当によくできています。

この映画を見て、本物のミュージカルを見たくなりました、きっと、ミュージカルはもっともっと、すごい迫力があるのでしょう。

この『シカゴ』のすばらしい点は、ストーリーがしっかりしていて、ストーリー自体がおもしろいことです。ミュージカルというと、どうしても、音楽を優先するあまり、ストーリーがおざなりになりがちですが、これはまずストーリー自体がしっかりしています。その点で、このミュージカルは『映画のようなミュージカル』であり、『ミュージカルのような映画』でもあります。両者の優れた要素をうまいブレンドで見せます。

刑務所の看守役のクイーン・ラティーファが、実にいい味をだしていました。彼女は、女優としても、今までにも何本かでてますが、行けますね。リチャード・ギアの歌とダンスが、おもしろかった。

(2003年4月19日土曜より丸の内プラゼールなど全国松竹系でロードショウ)

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