癒し。
エディ・マーフィー、オウエン・ウィルソン主演の映画『アイ・スパイ』の試写を見ました。
ケリー・ロビンソン(エディ)は連戦連勝中の超人気ボクサー。アレックス・スコット(オウエン)は国家保安局のスペシャル・エージェント。アメリカ空軍から最新鋭のレーダーにも映らず、実際に視認もできない戦闘機が盗まれ、それを奪還するという任務が生まれました。盗まれた戦闘機はブダペストの武器商人の手に渡り、最高価格を入札した相手に売ることになっています。その入札が行われる派手なパーティーに入り込むためには、有名人ケリーの知名度が必要になり、彼をアレックスの相棒に抜擢するのですが、やたら目立ちたがりや、プライドの高いケリーとアレックスがうまく立ち舞い、果たして、彼らはその戦闘機を奪還できるのか。
実にテンポのいい、OO7のミニ版みたいな1時間36分の痛快なアクション映画。ブダペストの街がふんだんに登場します。で、この映画の中で、おもしろかったのが、アレックスが同僚の美人エージェント、レイチェル(ファムケ・ヤンセン)を口説こうとするときに、ケリーの手助けを借りるところ。
ケリーはアレックスに、口説き文句を耳元にうめこんだ無線機を通じて、伝授する。それがこんなせりふだ。
Baby I got sick this morning. A sea was storming inside of me. Baby I think I’m capsizing. The waves are rising, rising. And when I get that feeling,
(今朝、病気になってしまったよ。僕の中の海原は嵐だ。もうおぼれてしまいそう。波は高く、高く。そんな気分になったときには…)
ここまではなんとか、アレックスも言えるのですが、次の一行がどうしても言えないのです。
I want sexual healing.
(僕には性的な癒しが必要なんだ)
ケリーがこのせりふを言うと、アレックスは躊躇します。というシーンなんですが、そう、ご存知、あのマーヴィン・ゲイの大ヒット「セクシュアル・ヒーリング」の歌詞の一部を彼は語っていたわけです。
そうかあ。口説くときにも使われている「セクシュアル・ヒーリング」なんですね。昨日、この曲の話を書いて、その翌日にこのシーンに遭遇したのでびっくりしたわけでした。
(2003年4月26日からロードショウ予定)