変革。
チェンジのアルバムは、全部で6枚でているのですが、ジャック・フレッド・ペトラス
とマウロ・マラヴァシが手を組んでいるのは、4枚目までです。5枚目は、当時プロデ
ュースの仕事を始めて、ヒットがでてきたミネアポリスのジャム&ルイスが、さらに
6枚目は5枚目でジャム&ルイスと一緒に仕事をしていたティミー・アレンがプロデ
ュースをしています。
マウロ・マラヴァシはどうしたのでしょうか。推測でしかないのですが、ジャックと
マウロの間がうまくいかなくなった、ということが考えられます。ジャックは、かな
り支配欲が強い人物で、あれこれマウロに指示をだしていました。指示というより、
「こうしろ、ああしろ」といった命令口調だったのでしょう。
そうした横柄な態度にひょっとしたら、マウロが嫌になったのかもしれません。ミ
ュージシャンとプロデューサーの関係は、そうした人間関係も大事です。いずれにせ
よ、ジャックが「俺がチェンジだ」というように、また、あらゆるレコーディング・
セッションはジャックがしきり、その楽曲がどのアーティストに使われるかなどは、
ジャックしか知らなかった、もしくは、ジャックとマウロしか知らなかった、という
状況だったわけです。
ジャックは、マウロが袂を分かった時点で次のプロデューサーを探し出さなければな
らなかった。そこで、白羽の矢が立ったのがジャム&ルイスだったわけです。
ジャム&ルイスがプロデュースした「チェンジ・オブ・ハート」なんか、改めて聴く
と、やっぱりSOSバンドそっくりな音ですね。チェンジのグループの中で起こった
変革。それは、マウロの旅立ちでしょうね。ただ、ジャックがマウロがてがけた4作目
の出来が気に入らず、プロデューサーとしてのマウロのピークが過ぎたと見きって、
くびにした、というのであれば、それはそれで、鋭い判断ではありますね。真相は、
わかりませんね。マウロに聞けばいいのかな。