Austere Refinement & Quiet Simplicity

侘び寂び(わびさび)。

日本語で言うところの「侘び寂び」は、英語のイディオムにありません。その状態を説明しなければなりません。講談社インターナショナルから発行されている『これを英語でいえますか?』(99年10月1日発行)によると、上記英語表題が、侘び寂びに対する英語訳となっています。

austereは質素、禁欲的、refinementは優雅・高尚。quiet simplicityは静かな単純さ、といったところでしょうか。

もちろん、この英語以外にも様々な表現ができるでしょう。 

日本語の辞書を引くと、侘びは、静かに澄み切り、落ち着いた味わい、寂びは、古びて趣があることとでています。

たとえば、こうも訳せるでしょう。侘びは、Class with quiet and cleanness、そして、寂びはelegance with old fashioned。さらに説明文として、among Japanese unique mentality(日本人独特のメンタリティー内にある)の一行を加えると、外国の方々にも少しはわかってもらえるかもしれません。

そして、この侘び寂びをかもし出す世界の一つに、たとえばお三味線の世界があります。友人が年に一度程度その発表会をします。そこで、歌われる歌がまさに侘び寂びたっぷりのものです。その歌詞カードはこうです。タイトルは、「今朝の雨」。読めばほんの20秒程度のものを、お三味線にあわせてゆっくりゆっくり歌うと、なんと5分近くになるんですよねえ。侘び寂びだ~~。

=今朝の雨=

今朝のな 雨にしっぽりとまた居続けに
長きひを短こうくらす 床の内
髪を引き裂き まゆ毛を隠し
もし こちのひとえ 私のかえ名は なんとしょうへ
あれ 寝やんすか おきなんし
あけぼのならで 暮れの鐘

以上。たった6行!

さあ、一体この歌の状況はどんなものなのでしょう。現代的な解釈を、明日、試しにここでご紹介してみます。もしよければ、あなたもこの歌の世界を、現代語に直したらどうなるか、やってみてください。この男と女のシチュエーションはどうだと思いますか?

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