日誌。
毎日新聞がこの12月からひとりの記者の日記を連載しています。記者の名は、佐藤健(たけし)。昨日(29日・日曜日付け)で18回目。すでにお読みの方はご存知かと思いますが、佐藤記者は今年60歳、昨年、末期がんを告知され、余命いくばくもないと宣告されました。そして、11月に毎日新聞を定年になったのですが、定年を延長して、最後まで現役記者を続ける、ということで、自分のことを書き綴っているのです。
しばらく前まで、もう自分では書くことができないので、口述筆記で仲間の記者が実際は原稿をしあげていました。
金曜日付け朝刊の連載で、佐藤記者の容態が急変したことが報告され、日曜付けの朝刊で、佐藤記者の死去が伝えられました。けっこう、毎日、読んでしまいました。なんと言ったらいいのか。まったく面識もないし、ただ記事で知っただけなのですが、ご冥福をお祈りしたいと思います。
やはり、死と向き合った人の言葉は、重みがある。淡々とした筆致の中にのぞくプライド、尊厳。
彼は文字を書く記者でした。そして、その最後を文字で綴ろうとした。ということは、当然、テレビ出身のキャスターや記者だったら、最後をテレビカメラでとってくれ、と考える人も、これからはでてくるでしょう。(もう、いたのかな)
そうしたことを題材にした映画もあったように記憶します。
もし興味がある方は、毎日新聞のサイトへ。
http://www.mainichi.co.jp/eye/satou/kiroku/2002/1229.html
上記アドレスに12月29日分が載っていますが、第一回(12月3日付け)から、ほぼ全文が掲載されています。
同コラムの正式のタイトルは、「生きる者の記録」となっています。なんとなく、ぼくはJournal To Deathという英語タイトルを思い浮かべました。ジャーナルは、ダイアリーよりももう少し文学的な色合いがあります。同じ日誌でも。