【スティーヴィー・ツアー終了~それはミニ・インナーヴィジョンズ・ツアー】
ヴィジョンズ。
2月17日(土)さいたまスーパー・アリーナからスタートした「スティーヴィー・ワンダー・ジャパン・ツアー2007」が、2月28日(土)、大阪市央体育館で6本目のライヴを行い終了した。再び原口レポートをご紹介する。
スティーヴィーは本編最後の曲「アズ」ので、「このツアー全体を今は亡き母親の思い出に捧げる」といって めた。
6回全部を追っかけてみた原口さんはこう語っている。「ツアーをしている人たちは、本当に大変 な、と思いました。また、スティーヴィーの調がどんどんよくなっていくというのが如実にわかってよかったという感じでした。もちろん、大阪のオーディエンスのせいもあると思うんですが、リアクションがよくなると、お客さんとのからみが増える。そして、結果、曲数は減るが、時間は長くなるという感じです」
「今までとちょっと違って感じたのは、C(お話)がほとんどないというところでしょうか。日本 からかもしれません。また、今回のツアーを総括すると、アルバ 『インナーヴィジョンズ』から何曲(全ツアーで6曲=日によって違う)かやって、これ自体がひょっとしたら今のスティーヴィーのメッセージなのかなあ、とも感じました」
アルバ 『インナーヴィジョンズ』は、1973年8月3日に全米リリースされた。オープニングを飾る「トゥー・ハイ」は、ドラッグのやりすぎでハイになりすぎ、んでいってしまったのことをい、続く「ヴィジョンズ」は現状の世界に問いかけ、「リヴィン・フォー・ザ・シティー」は、現実のスラ 街での生活を描く。「ハイアー・グラウンド」も、現実の世界からより高みのある世界への誘いをう。このあたりの曲が持つメッセージは、『ー・オブ・ライフ』収録の「アズ」「ラヴズ・イン・ニード・オブ・ラヴ・トゥデイ」などと主軸は同じ 。戦争、貧困がなくならない2007年の今のアメリカ、今の世界へのスティーヴィーなりの主張でもある。
「ヴィジョンズ」の詞をじっくりむと、こんなラインがある。
But what I d like to know
Is could a place like this exist so beautiful
Or do we have to find our wings and fly away
To the vision in our mind ?
僕は知りたいん
この惑星・地球号はこのままの美しさを保てるのか
あるいは、もはや翼を見つけ、心の幻想の地に飛んで逃げ さなければならないのか
ここまで温暖化が進み、テと戦争が起こり、地球をいじめている人類たち。その地球はどうなってしまうの ろう、という内容 が、これが今から34年前の作品である。今出たとしてもなんら違和感がない作品 。本当に時代の先を行っているとしかいいようがない。まさにこれぞ、スティーヴィーのヴィジョン(洞察力、視力、先見の明)である。
アルバ 『インナーヴィジョンズ』からわれた6曲(「トゥ・ハイ」「ヴィジョンズ」「リヴィング・フォー・ザ・シティー」「ゴールデン・レディー」「ハイアー・グラウンド」「ドンチュー・ウォーリー・アバウト・ア・シング」)は、時代を し出し、アルバ 自体もスティーヴィーにグラミー賞アルバ ・オブ・ジ・イヤーを与えた。
そして、劇的 ったのが、このアルバ の発売後たった3日の1973年8月6日、スティーヴィーは移動のノースャライナ州ダーハ で交通事故にあい、意不明の重態に陥るのである。しかし、その後約2ヶ月弱を経て奇蹟の復活を果たす。
今回のツアーは、それほどコンセプトらしいコンセプトは打ち出されていなかったが、結果的に「ミニ・インナーヴィジョンズ・ツアー」あるいは「ヴィジョンズ・ツアー」などと名づけてもいいかな、と思った。
(原口さん、ケニーさん総力取材ありがとうございます)
セットリスト スティーヴィー・ワンダー
Setlist: Stevie Wonder @ Osaka-shi Chuou Taiikukan
February 28, 2007 Wednesday)
[Special thanks to Mr.Haraguchi Makoto, Mr. Kenny Gould]
01. Too High (From “Innervisions”)
02. Visions (From “Innervisions”)
03. Living For The City (From “Innervisions”)
04. Golden Lady (From “Innervisions”)
05. You Are The Sunshine Of My Life (From “Talking Book”)
06.Higher Ground (From “Innervisions”)
07. Superstition (総立ち) (From “Talking Book”)
08. Don’t You Worry About A Thing (From “Innervisions”)
09. If You Really Love Me including a riff of “It’s Alright”
–. “Acoustic Piano Ballad Section” (10-13)
10. Never Dreamed You’d Leave In Summer (Stevie solo)
11. Lately (From “Hotter Than July”)
12. Stay Gold
13. Overjoyed (social dancers) (From “In Square Circle”)
14. Go Home (From CD “In Square Circle”) (first time)
15. Part Time Lover (From “In Square Circle”)
16. My Cherie Amour (voice teacher)
17. Sir Duke (総立ち) (From “Songs In The Key Of Life”)
18. I Wish (From “Songs In The Key Of Life”)
19. I Just Called To Say I Love You (From “The Woman In Red”)
20. Master Blaster (From “Hotter Than July”)
21. So What The Fuss (From “Time To Love”)
22. As (introducing members) (From “Songs In The Key Of Life”)
Enc. Another Star (From “Songs In The Key Of Life”)
show ended
(2007年2月28日水曜、大阪市央体育館=スティーヴィー・ワンダー・ライヴ)
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