【ファンク・ブラザー、ジョー・ハンター去】
重鎮。
またひとり、モータウンの史の灯火が消えた。
1960年代のモータウン・サウンドを支えたファンク・ブラザースのひとり、ーボード奏者のジョー・ハンターが去した。2007年2月2日までに自宅のアパートで亡くなっているのを同僚のジャック・アシュフォードらが確認した。79 った。日曜日(1月28日)にヨーッパツアーから帰国していたところ った。 は判明していないが、糖尿病を患っていた。
ジョー・ハンターは、1927年テネシー州ジャクソンの生まれ。1939年デトイトに移住し、以来同地を本 にピアニストとして活動していた。1959年から1964年までモータウンのイン・ハウス・バンド、ファンク・ブラザースのバンド・ディレクター、ーボードを担当。その後、ハンターは独立し、バンド・ディレクターの役はアール・ヴァン・ダイクになった。
ハンターが在籍した期間はかったが、その独特のピアノスタイルは後のモータウンのミュージシャンたちに大きな影響を与えた。ハンター自身はジャズ・ピアニスト、アート・テイタ 、セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943。シアのピアニスト)、ナット・ング・コールなどに影響を受けていた。
ハンターのピアノは、ミラクルズの「ショップ・アラウンド」、コントゥアーズの「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」、「ヒート・ウェイヴ」(マーサ&ザ・ヴァンデラス)、マーヴィン・ゲイの「プライド・アンド・ジョイ」などで聴かれる。
昨年(2006年)4月、ファンク・ブラザースの一員として来日。コットンクラブで一週間、ライヴ・パフォーマンスを見せた。
+++++
Thank You For You Music:
エンド。
ファンク・ブラザースにスポットをあてた音楽ドュメンタリー 画『永 のモータウン(Standing In The Shadows Of Motown)』では、その冒 でジョー・ハンターが振り返る。雪の残るデトイトに るジョー・ハンター。ホテルのビーで一張羅を着ながらピアノを弾いている彼。 が、そんなホテルで黙々と弾き語りをしているジョー・ハンターを、ジョー・ハンターとして知っている人はほとんどいない。ナレーションがかぶさる。「(モータウンのヒット曲という)霧が晴れると、俺たちはそこに取り残されていた。何もなかった。『ジ・エンド』さ」
昨年のファンク・ブラザースのライヴでは、しっかりとーボードを弾き在感を見せていた。彼とジャック・アシュフォードの2人がいる けで、モータウンの影が漂ってきた。
ジョーは言う。「私たちは、『働くミュージシャン(working musician)』 よ。どこでも仕事があれば、そこに行く。何千人の客の前 ろうが、30人しかいないクラブ ろうが」 ハンターは、R&B けでなく、ジャズ、ポップ、カントリー、ゴスペルとなんでもプレイした。そしてプレイできた。
ジョーの息、ジョー・ハンター・ジュニアが言った。「 画(『永 のモータウン』)の冒 で父が言った『ジ・エンド』さ、という言葉は結局まちがっていたと思う。あの 画以来、父は世界の人々から注目され、人生の最後の部分で彼の夢は実現したん から」
ファンク・ブラザースのメンバーとして、あるいは、一ピアノの弾き語りとしてプレイしていても、彼が演奏をし終えると、その日来ていた客は、彼の横を通る時に肩を叩きながら一言声をかけていく。彼らがもらす言葉は決まっている。「Thank you for your music(あなたがプレイしてくれた音楽にありがとう)」。それは膨大なモータウン・サウンドの史への感謝なこともあれば、その日ひとりのピアニストとしてプレイしたスタンダード曲への感謝かもしれない。しかし、その言葉は一介のワーング・ミュージシャンにかけられる最高の賛辞 。そして彼はその言葉を生きがいにこれまでずっとピアノをプレイし続けてきた。決してリッチになることはなく、た 好きなこと けをして。
ミスター・ジョー・ハンター、サンュー・フォー・ユア・ミュージック!
ご冥福をお祈りする。
(本日掲載予定 ったグラミー賞予想パート2の記事は明日以降に掲載します)
デトイトの新聞記事。
Joe Hunter: 1927-2007
Motown’s first Funk Brother dies at age 79
http://www.detnews.com/apps/pbcs.dll/article?AID=2007702020459
ファンク・ブラザース関連記事。
ファンク・ブラザースの快進撃は2002年秋、アメリカで 画が公開されたニュースから始まった。
1) 2002年12月2日付け日記。全米で 画『スタンディング・イン・ザ・シャドウズ・オブ・モータウン』が公開されたというニュース。ファンク・ブラザースに関する第一 。もう4年も前のことになる。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200212/diary20021202.html
2) 2003年4月29日付け日記。ファンク・ブラザース・ライヴ評。そのファンク・ブラザースがニューヨークで行ったライヴのライヴ評。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030429.html
3) 2003年10月24日付け日記。日本でも 画の公開が決まり、『永 のモータウン』の幕付き試写を見ての 画評。
“Standing In The Shadows Of Motown”: Motown’s Sparkle & Shadow
「モータウンの光と影」
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200310/diary20031024.html
4) 2004年3月28日付け日記。ファンク・ブラザースの音源をCD化。
The Funk Brothers’ Album Released
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040328.html
5) 2004年3月29日付け日記。『ソウルブレンズ』でモータウン特集。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200403/diary20040329.html
6) 2004年5月6日付け日記。モータウン・ニュースいろいろ。
Motown, Motown, Motown: ”To Be Loved” Would Be TV Mini-Series
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040506.html
7) 2004/05/08 (Sat)
“Standing In The Shadows Of Motown” : Story Of Unsung Heroes
画『永 のモータウン』関連記事・特集
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200405/diary20040508.html
8)ベリー・ゴーディー自伝 『モータウン、わが愛と夢』 (原題 To Be Loved)(東京F出版より発売)
モータウンレコード創始者、ベリー・ゴーディーの唯一の自伝。ゴーディーがいかにしてモータウンを立し、これを世界的な大レーベルにしたか。ダイアナ・ス、スティーヴィー、マーヴィン、スモーーらとの知られざるエピソード満載。 画に感動したら、この本でさらに感動を増幅させてお楽しみく さい。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/492488068X/soulsearchiho-22/ref=nosim
9) その書籍『モータウン、わが愛と夢~ベリー・ゴーディー・トリビュート 』のサウンドトラック
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B00005FMTW/soulsearchiho-22/ref%3Dnosim/249-2275356-8019517
10) 2004/11/28 (Sun)
DVD “Standing In The Shadows Of Motown” On “Soul Blends”: The Brothers Are Family
国内盤DVD発売。特典 像の紹介。
https://www.soulsearchin.com//soul-diary/archive/200411/diary20041128.html
11) April 11, 2006
The Funk Brothers Live: Don’t Forget To Bring Lyrics Of “My Girl” ファンク・ブラザース初来日。そして、そのライヴ評。
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_04_11.html
12) April 16, 2006
The Funk Brothers Again: Standing In The Light Of Motown
ファンク・ブラザース:モータウンの 光に立って
http://blog.soulsearchin.com/archives/2006_04_16.html
13)April 17, 2006
The Funk Brothers: Larry Johnson Story
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200604/2006_04_17.html
ENT>MUSIC>OBITUARY>Hunter, Joe: 1927- 2007
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