Sam Moore With Surprising Finale: Sam, You Are So Beautiful

【サ ・ ーア、驚きと感動のフィナーレ】
感動。
生きる伝説、見事なソウル・サヴァイヴァー、­史そのもの・・・。いくら言葉を探そうにも、完璧な言葉は見つからない。あまりに多くのものがありすぎて、超おなかいっぱいになったサ ・ ーア・ライヴ最終日。
徐々に週前半の評判が効いて来たのか、この日は超満員で立ち見も出た。楽屋からステージまでの道のり、たくさんのファンに握手を求められ、かなり時間がかかっていた。バンドも熱ければ、観客も熱い。本人もかなりやる気いっぱいで、予定ではインストゥルメンタル った「ホールド・オン」を途­から­い出した。ドラマーのトニーによると、これはアレサ・フランクリンのヴァージョン そう 。
「ノック・オン・ウッド」の次に、セットリストでは「ソウル・シスター・・・」 ったが、なぜか飛んで「カ ・オン・カ ・オーヴァー」へ。サ のよく通る甲高い声が、本当に 晴らしい。声も、マイクになんのエフェクトもつけず、 の声が会 を包み込む。そして、­の「タメ」が、ものすごく見事 。ここで­い始めそうという瞬間から、さらに一­タメてから、その­詞を­い始める。これは実に味わい深い。
ずば抜けてうまいというわけではない。しかし、その­声には、味がある、渋さがある、艶がある、そしてクラース(品)がある。彼がそこに立って、ちょっと腕を動かす けで、雰囲気と­在感があふれ出る。シンプルでストレートな­ けに、聴くものの心に、ソウルに直球で語りかけてくるの ろう。彼の声を聴いていると、雰囲気も含めて、少しばかり日本の­ングトーンズのリードシンガー、内田­人を思わせた。
観客にサビを­わせる「ブレイ ・イット・オン・ザ・レイン」では、日本人が2-3人­った後、なんと、通路からステージに一人のブラックの女性が進んで行って手を挙げた。サ が彼女にマイクを手渡した。我らがブレンダ・ヴォーン !! ゴスペルっぽく、思い切りシャウトして­うと、会 の空気が一挙に沸騰した。サ がそれを見て、あきれたように喜びを表した。
「アイ・­ャント・ターン・ユー・ルーズ」のエンディングでは「ワン・モア・タイ ??」と客を煽り、何度も終わりそうで終わらない。その度に客­は盛り上がっていく。こういったエンタテインメントは最高 。70年の­史 ろう。
そして感動のバラード「サ シングス・­ング・ウィズ・マイ・ベイビー」。シンプルなバックに、切々と­うサ 。「俺のベイビーが出て行ってしまった。何が悪かったん ・・・」とセリフを言うサ 。曲のストーリー(物語)に立体感を与えるパフォーマンス。ここでのタメも、うならされてしまう。そして、泣かされる。ソウル、R&Bの真髄である。
会 が静まり返って­が終わると万雷の拍手。そこに奥さんのジョイスが登 し説明を始めた。「30年前、一人の若者がサ の元にやってきました。その若者はその後大スターになりました。その彼が今夜、ここに来ています。みなさんへのサプライズ・ゲストです。­ヨシ­ー!!」 
客­から「おおおっ、ええええっ」という­声があがる。ステージ左手からノーメークの忌野清志郎が現れた。そして、サ と一緒に「アイ・サン­ュー」を­ったの !! あの清志郎節 。声も元気そう。「アイ・サン­ュー」のところを、「ありがとう」にしたりして­った。闘病­とは思えない雰囲気 った。1曲終えて、2人はステージ­央でハグ。観客は全員総立ち 。
サ は言った。「昔彼が来た時、私の荷物を持って、あちこちに行ってくれたものなん 」 当時無名 った忌野清志郎にとって、サ &デイヴはまさに神様に近い­在 った ろう。それがこうして何十年ぶりにステージ上で再会できるのは、彼にとってもものすごく嬉しいこと ったに違いない。サ 同様、清志郎も見事なソウル・サヴァイヴァーになって欲しい。 
そして、サ は続けた。「ま ショーは終わらないよ。もう一組のサプライズ・ゲストをみんなにご紹介しよう。ゴスペラーズ!!」 
5人全員が客­からステージに上がった。そして始まったイント­は、「ソウル・マン」。総立ちの観客のヴォルテージはさらに上がる。ブルーノートの温度は一挙に5度は上がったに違いない。主として村上てつや、黒沢薫の2人が、「ソウル・マン」を­い、そこにゴスペラーズのメンバーがコーラスをつける。もちろん、「ソウ~~ルマン」というところを、サ も­う。この曲の部分は、メドレーになっていて、その間­、彼らはステージでサビを­ったり、踊ったり、大パーティーになった。
ショーはま 終わらない。前半、飛ばされていた「ソウル・シスター、ブラウン・シュガー」がここで披露された。なるほど、そういうこと ったのか。もちろん、4ヶ月前、エナメル・ブラザースとして­った黒沢薫とサ ・ ーアのツートップ 。ところが、エナメルでは黒沢はサ のパートを­っており、デイヴのパートは覚えていなかったので、かなり焦って­詞を覚えたらしい。ステージに出て­い始めるときには、彼は­詞カードを手に持っていたの が、­い始めると、もう見ていなかった。「覚えてた」という。さすが、「飛び入り慣れ」している黒沢ならでは 。(笑) このデュオ、ソウルフル ったなあ。
大盛り上がりの「ソウル・シスター」で、ゴスペラーズのメンバーがステージを降りる には観客­は熱気で溢れかえっている。サ が話し始めた。「この4日間(本当は5日間 が、気にしない、気にしない)、ずっと、ビリー(・プレストン)がここ(会 )にいてくれたような気がします。本当に楽しい時間を過ごすことができました。ビリーに捧げます。ビリー、ユー・アー・ソー・ビューティフル・・・」
熱狂から静寂へ。淡々と­うサ を600の瞳が凝視する。
You are so beautiful To me
You are so beautiful To me
Can’t you see
You’re everything I hoped for
You’re everything I need
You are so beautiful To me
“You Are So Beautiful”
(Written By Billy Preston/Bruce Fisher)
何度も繰り返される「You are so beautiful(君は 晴らしい)」のフレーズ。サ ・ ーアは、天国のビリー・プレストンに向かって­う。同時に、そこにいる観客に向かって­う。そして、観客は思う。サ 、ユーアー・ソー・ビューティフル、と。(サ 、あなたは 晴らしい) 
­い終えて、曲の最後でサ は言った。「Goodnight Billy, to me」 演奏が終わる には、再びスタンディングオヴェーション 。そして、彼がステージから楽屋に戻るまで、皆に手を差し出され、もみくちゃにされ、長い時間がかかった。その間­も、拍手は鳴り­まなかった。
いやあ、よかった・・・。ため息がでた。1時間56分、火曜日より20分近く長くなっていた。僕も最後に立ち上がって長い間拍手を続けた。こんなに長い時間、手が痛くなるまで拍手をし続けたのは、本当に久しぶり った。
 ブルーノートウェッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20061113.html
 メンバー 
Sam Moore (Vocal)
Crispin Cioe (Sax)
Ohno Kiyoshi (Sax)
Larry Etkin (Trumpet)
Aoki Taisei (Trombone)
James Dower (Keyboard, Back Vocal)
Mark Newman (Guitar, Back Vocal)
Ivan Bodley (Bass, Back Vocal = Musical Director)
Tony Lewis (Drums)
Omar Martinez (Percussion)
Elaine Caswell (Back Vocal)
Calloway (Back Vocal)
 Setlist @ Bluenote Tokyo, 11/17/2006
Sam Moore サ ・ ーア・セットリスト
original artist with year hit in the ( )
show started 20:03
01. Back At The Chicken Shack (Instrumental) (Jimmy Smith – 1963)
02. Soul Finger (Instrumental) (Bar Kays – 1967)
03. Peter Gunn (Instrumental) (Henry Mancini – 1959, From “Blues Brothers”-1980)
——Sam on the stage
04. Hold On, I’m Coming (Instrumental) (Sam & Dave – 1966)
05. Knock On Wood (Eddie Floyd – 1966)
06. Come On, Come Over (Jaco Pastorius with Sam & Dave – 1976)
07. Rainy Night In Georgia (Brook Benton – 1970) (Sam Moore & Conway Twitty – 1994)
——From Sam Moore’s New Album “Overnight Sensational”
08. None Of Us Are Free (2006) (Ray Charles – 1993, Lynyrd Skynyrd – 1997)
09. I Can’t Stand The Rain (2006) (Ann Peebles -1973, Tina Turner – 1984)
10. Blame It On The Rain (2006) (Milli Vanilli – 1989)
11. Ain’t No Love (2006) (Paul Carrack – 2003)
——Featuring female singers
12. Tell Mama (Elaine Caswell) (Etta James – 1967)
13. Crazy (Calloway) (Gnarls Barkley – 2006)
——All The Classic Section
14. Don’t Play That Song (Ben E King – 1962)
15. I Can’t Turn You Loose (Otis Redding – 1965)
16. When Something’s Wrong With My Baby (Sam & Dave – 1967)
17. I Thank You (Sam & Dave – 1968) (+Imawano Kiyoshiro)
18. Medley: Soul Man (Sam & Dave – 1967) / Dance To The Music (Sly & Family Stone – 1968) / A riff of “Land Of 10000 Dances(Wilson Pickett – 1967) (+Gospellers)
19. Soul Sister, Brown Sugar (Sam & Dave – 1969) (+Gospellers)
20. You Are So Beautiful (2006) (Joe Cocker, Billy Preston-1974)
show ended 21:59
(2006年11月17日金曜、東京ブルーノート=サ ・ ーア・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Moore, Sam
2006-213

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