【OA、盛大に閉店】
終了。
ついにソウルスナックOA(オーエー)が、5月10日、35年の歴史に幕を下ろした。連日、OAは歩道に人々があふれるほどの大賑わい。OAの誕生日(開店日)が1971年5月10日ということで、ファンが大きな誕生日ケーキを持ってきて、ろうそくに火をつけ、ママが吹き消した。誕生日と閉店日が同日ということである。
ステレオから流れる音が次第に大きくなり、それらの曲にあわせて、狭い店内で踊りだす人々。話し声もどんどんヒートアップし、大声を出さないと相手の声が聞こえなくなってきた。
夜になって、このあたり、小雨が降ってきた。中に入れないお客さんたちは、隣のビルの軒下(のきした)で雨をしのぎ、飲み物を持ち、それぞれにOAの話、ソウルの話をしている。1年前から来始めた人、10年前から来始めた人、20年前によく来ていた人、開店当初から来ていた人。長く通った50代も、まだそれほど回数来ていない20代も、それぞれがこの35年の歴史を刻むソウルスナックOA最後の夜を楽しんだ。
日本全国ソウルバー探検家、高畠さんが言った。「ジョージの閉店の時は、かなり荒れて、絶対やめるな~などの怒号(笑)まで聴こえていたけど、今日のOAの閉店は暖かいというか、みんなやさしい雰囲気だね。まあ、確かにジョージの場合、ママがいなかったということもあるかもしれないけどね」
その高畠さんが外に立っていると、彼に声をかけた人物がいた。「今日は、ブラザー・コーンさんはいらっしゃらないんですか」 高畠さんを、一見、ブラザー・トムさんと勘違いしたのだ。「答えようがなかったよ(笑)」と高畠さん。
OAが終わると聞いて、青学の卒業生でよくOAに来ていた写真家志望の川崎詩織さんがここ何ヶ月かOAとママに密着して写真を撮っていた。その中の何点かをアルバムにして持っていて見せてもらった。とてもいい写真があったので、本ブログでも紹介させてもらうことにした。(一両日中に何点かをここにアップします) 彼女は9月からニューヨークへ写真の勉強に旅立つ。ここにも世界にはばたくもうひとりのOA卒業生の誕生だ。
いつもは終電の時間が近づくとお客さんも家路に急いだが、この日はほとんどのお客さんが帰らない。
ママが終盤、来ている人たちへ挨拶をした。「長い間、OAを愛していただいて本当にありがとうございました。私も楽しくやれて、みなさんのおかげです。ありがとうございます」 「35年間やってきて、辛かったことは特になかったですね。なにかあっても、オーティス・レディングを聴いていれば、すぐに元気になりましたから」 たくさんのカメラのフラッシュが焚かれた。あちこちから、「おつかれさま~~」「おつかれさま!」の声が次々とかかる。常連の村上さんが音頭を取って、「では限りなく締めに近い三本締めで」とママをうながす。
歩道に集まったファンたちが、三本締め。「OAフォーエヴェー、よ~~、ポンポンポン・・・」 深夜1時半、まだ小雨は止んでいなかった。まさに、「イン・ザ・レイン」でのOAのお別れ。この雨は、OA閉店への涙か。
ジョージの最終日は結局昼の12時くらいまで延々と宴は続いた。今回のOAの閉宴は午前3時過ぎには終了した。OAは閉店したが、OAから流れてきたソウルミュージックの数々、そこでの人々の出会い、思い出は、多くの人のハートとソウルの中に永遠に刻まれる。
【ソウルスナック OA(オーエー)】
東京都渋谷区渋谷2-3-5
電話 03-3400-9519
開店日 1971年5月10日
閉店日 2006年5月10日
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