Dwele Live: Looks Like Poetry Reading

【あなたの人生のサウンドトラック=ドゥウエレイ・ライヴ】

サウンドトラック。

デトロイト出身のいわゆる「ニュー・クラシック・ソウル」系シンガー、ソングライター、ドゥウエレイのライヴ。ドラムス、ベース、キーボード、コーラス1人、そして、ドゥウエレイも歌、ラップ、キーボード、そして、ターンテーブルを操る。

全体的に、実にゆったりまったりした音の流れだった。歌を聞かせるというよりも、ゆっくり目のラップ、ポエトリー・リーディング的な雰囲気だった。昔の例でいえば、ギル・スコット・へーロン的なアーティスト、ギルをさらに現代風にし、ヒップホップ色を足したような感じといえば、わかりやすいか。楽曲のサビというような概念はなく(ただし歌詞カードにはコーラスというところがあるので、それがサビにあたることはあたるが)、ひたすらシンプルなリズム、ビートにラップ的なものを乗せていく。

「みんな、どうだい? ニューアルバムを出したんだ。タイトルは『サム・カインド・オブ・・・』、踊れる曲もあるし、ドライヴをしながらでも、メイクラヴをしながらでも、リラックスして聴いてもいいし、要するにあらゆる目的に使える、君の人生のサウンドトラックのようなアルバムだ。さて、日本への旅にインスパイアーされて書いた曲をやろうと思う。歌詞は毎日変わるんだけどね(笑)」 こうして彼は、白い12インチのジャケットを取り出し、そこにかかれている文字を観客に見せた。そのジャケットには「私は日本語がわかりません」と書いてあり、観客から受けていた。

曲もかなりフリースタイルで、歌詞もその場でさらっと作ったりするものもあるようだ。12インチの白盤を何枚か持ってきて、それをターンテーブルに乗せてまわしているが、それから音がでているのかどうかはわからない。演出なのかな。あるいは、自分はシンガーというより、MC(司会者、ラッパー)であるという小さな主張か。

また彼らも事前のセットリストがない。ライヴが終わってミュージシャンたちがでてきて、ドゥウエレイはサイン会を開いた。ミュージシャンのひとりに話を聞くと、最初の4-5曲だけ決めておいて、あとは適当にその場で決めるという。「曲を始めるキューとか、合図とかあるの」と尋ねると「ない」という。ドゥウエレイが曲名を言ったり歌詞の一部をうたったりして次の曲が決まる。また1曲の長さや構成もその日によって違うらしい。メンバーはかなり長い期間一緒にやっているので、いわゆる阿吽の呼吸でわかるようだ。

まさにミュージシャンズ・ライヴという感じで、その場で曲を決めるノリなどは、ジャズミュージシャンにも通じるものがあった。それにしてもなかなかにゆるいライヴで英語の歌詞がわからないと、ちょっとつらいかも。ただグルーヴはたしかにいい感じだった。全体的な印象としては、ドゥウエレイは、ヒップホップも聴くがインテリ・ミュージシャンという感じで、自分がシンガー・ソングライター(ラップやポエトリー・リーディングを含む)という立ち位置をエンジョイしているように思えた。このドゥウエレイのライヴをご覧になった方々は、これがあなたの人生のサウンドトラックになったかな。

Setlist (incomplete)

show started 21:35
01. Poppa Yo
02. A Pimp’s Dream
03. (Bass solo) — Holla
04. Sho Ya Right — A Riff of “Funkin For Jamaica” — Sho Ya Right —
A Riff of “1 Thing”

05. Keep On
06. Without You

07. I Can’t Speak Japanese (私は日本語が話せません)

08. (He?? 1960??)
09. Weekend Love

10. I Think I Love U

11. (Human Beatbox) — Truth
12. (last song) Know Your Name

Encore. (Find A Way)??
Encore2. (bass solo) — (slow ; freestyle) — (introducing members)
show ended 22:57

ドゥウェレイ
Dwele(key,vo)
Lloyd Henderson(back vo)
Vernon Hill(key)
Calvin Scruggs(b)
Marcus Hunter(ds)

(2006年4月19日水曜、丸の内コットンクラブ=ドゥウエレイ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dwele
2006-77

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