【世界一のロックバンド~ローリング・ストーンズ・ライヴ】
巨大。
会場に入った瞬間、大きいとは聞いていたが、目の当たりにすると本当に大きくて驚嘆した。ローリング・ストーンズの60時間かけて作り上げるという巨大セットだ。正面モニターの両横にシンメトリーに5階建てのビルのようなものが立っている。二機の照明機がさらに中央に。そして、そのステージ中央から客席のほうに花道が伸びていて、座席ブロックでいうとDブロックまでをその花道が侵食している。
モニターとその横に照明で映し出される光景とさらに無数のライトによって、その建造物は、まるでステージというものではなく、「ローリング・ストーンズ」という名のひとつの街を形作っているかのようだ。我々は観客ではなく、街に訪れ、そこで演奏しているライヴバンドを街の一住民として感じ取るわけだ。照明は、青色ダイオードだろうか、本当に綺麗だ。これは、10年前のショウでは演出できなかった色ではなかろうか。このところあちこちでよく見かけるが。
まずショウが始まる前に驚いたのが、5階建ての壁に左右それぞれ100人程度の観客がいたこと。あれが、アメリカでの「ゴールデン・サークル」なのだろうか。
もっとも驚いたのが、中盤「ミス・ユー」のところ。メンバーがステージに乗って演奏したが、そのステージ自体が徐々に前に来て、花道を進み始めたのだ。たしか、以前横浜で見た時は、メンバーが花道を歩いて通称Bステージに移動していた。今回は、ステージごと移動だ。これは、スケールが大きく度肝を抜かれた。Bステージの最後の曲「ホンキー・トンク・ウィメン」が終わりに近づき、移動ステージがメインステージのほうに戻り始め、正面ステージに振り向くと、そこには大きなベロマークが姿を現していて、またまた驚いた。
それにしても、見所満載で目が休まる暇がない。ミック・ジャガーはステージの左から右端まで一気に走ったりして独特のくねくねポーズで観客を煽る。キースは、処かまわず、何も気にせずにギターを弾く。チャーリー・ワッツはまったくのマイペースでドラムを叩く。
それにしても、ここまでスケールの大きなステージには、本当に脱帽だ。これを見てて、僕はこのステージをマイケル・ジャクソンに見せたいと思った。マイケルがこれを見たら、おちおち子供相手に遊んでなんかいられない、ステージに立たなければ、と絶対に思うに違いない。このステージのスケール感はかつてのマイケル・ジャクソン、ジャクソンズのステージのスケール感をはるかにしのいでいる。マイケルが10年以上、音楽活動をやっていない間、他のアーティストのライヴスケールは着実に大きくなっているわけだ。
個人的にこの日、もっとも嬉しかったのは、「エイント・トゥー・プラウド・トゥ・ベッグ」だった。モータウンのテンプテーションズの大ヒットのカヴァーである。もうひとつは、9曲目「ギミー・シェルター」で見せたバックコーラスのひとり、リサ・フィッシャーの熱唱だ。本当にすごい。リサはかつて自身のアルバムも出したことがあるが、彼女自身のライヴは見たことがない。ここでのリサの迫力ったらない。
60歳を超えてこの元気さだったら、体力的にはあと1-2回は楽勝で来日できるだろう。しかし、ここまでライヴの規模が大きくなってしまうと、金銭面で来日が厳しくなるかもしれない。ドーム2日で、高い席が55,000円、普通のS席で17,500円は、どう見ても高い。10年に一度なら払うかもしれないが、これが2年毎になると、満員にはならないだろう。世界一のロックバンドだから、入場料は世界一というのもわからなくはないが、まあ、限度というものもある。今回のギャラがいくらかは知らないが、おそらくそれと同金額なら、もう日本ではできないだろう。今後はステージ規模を小さくしてショウをするしかないかもしれない。そうなると今回の来日が最大規模のものとして最後か。
Setlist: 03/24/2006 at Tokyo Dome
show started 20:13
01 Start Me Up
02 It’s Only Rock ‘N Roll
03 Oh No, Not You Again
04 Bitch
05 Tumbling Dice
06 Worried About You
07 Ain’t Too Proud To Beg
08 Midnight Rambler
09 Gimme Shelter
10 This Place Is Empty (Keith)
11 Happy (Keith)
12 Miss You (Moving to B stage)
13 Rough Justice (B stage)
14 You Got Me Rocking (B stage)
15 Honky Tonk Women (B stage to Main Stage)
16 Sympathy For The Devil
17 Jumpin’ Jack Flash
18 Brown Sugar
Enc. You Can’t Always Get What You Want
Enc. (I Can’t Get No) Satisfaction
show ended 22:17
(2006年3月24日金曜、東京ドーム=ローリング・ストーンズ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Rolling Stones
Wordpress Search
Archives
- 2009年4月 (13)
- 2009年3月 (31)
- 2009年2月 (30)
- 2009年1月 (31)
- 2008年12月 (31)
- 2008年11月 (30)
- 2008年10月 (31)
- 2008年9月 (30)
- 2008年8月 (32)
- 2008年7月 (32)
- 2008年6月 (30)
- 2008年5月 (31)
- 2008年4月 (30)
- 2008年3月 (31)
- 2008年2月 (32)
- 2008年1月 (31)
- 2007年12月 (33)
- 2007年11月 (31)
- 2007年10月 (32)
- 2007年9月 (32)
- 2007年8月 (32)
- 2007年7月 (31)
- 2007年6月 (30)
- 2007年5月 (31)
- 2007年4月 (30)
- 2007年3月 (32)
- 2007年2月 (30)
- 2007年1月 (32)
- 2006年12月 (33)
- 2006年11月 (31)
- 2006年10月 (31)
- 2006年9月 (30)
- 2006年8月 (31)
- 2006年7月 (32)
- 2006年6月 (26)
- 2006年5月 (31)
- 2006年4月 (30)
- 2006年3月 (31)
- 2006年2月 (28)
- 2006年1月 (32)
- 2005年12月 (31)
- 2005年11月 (31)
- 2005年10月 (15)
- 2005年9月 (30)
- 2005年8月 (31)
- 2005年7月 (31)
- 2005年6月 (32)
- 2005年5月 (32)
- 2005年4月 (31)
- 2005年3月 (31)
- 2005年2月 (30)
- 2005年1月 (35)
- 2004年12月 (31)
- 2004年11月 (30)
- 2004年10月 (31)
- 2004年9月 (31)
- 2004年8月 (33)
- 2004年7月 (32)
- 2004年6月 (33)
- 2004年5月 (33)
- 2004年4月 (30)
- 2004年3月 (36)
- 2004年2月 (32)
- 2004年1月 (32)
- 2003年12月 (34)
- 2003年11月 (30)
- 2003年10月 (32)
- 2003年9月 (30)
- 2003年8月 (32)
- 2003年7月 (34)
- 2003年6月 (30)
- 2003年5月 (34)
- 2003年4月 (34)
- 2003年3月 (35)
- 2003年2月 (31)
- 2003年1月 (32)
- 2002年12月 (31)
- 2002年11月 (17)
- 2002年10月 (23)
- 2002年9月 (7)
- 2002年8月 (3)
- 2002年7月 (4)
- 2002年6月 (4)
メタ情報