【ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツ・ライヴ】
ブランド。
いやあ、予想よりよかった。実はこのザ・ブルーノーツ、グループのリーダー格ハロルド・メルヴィンも他界しており、オリジナルのメンバーはいないので、一体どんなパフォーマンスを見せるのか若干心配ではあったのだ。ところが、バンド演奏が終わり、彼らが青いスーツに身を包んで華麗に登場した瞬間、そんな心配は吹き飛んだ。しかも、リード・シンガー、ダーネル(ダーネル・ガレスピー)の声や歌い方が、グループのかつてのリード・ヴォーカル、テディー・ペンダグラスを彷彿させる。実にいい声で驚いた。
観客はさすがに年齢層が高く、しかも、ソウルマニア度が高かった。ソウルバー関係者、いつも見かけるソウル好きファンが多数きていた。
あとは約1時間半にわたって、次々と彼らのヒット曲がこれでもかこれでもかと出てくる。スローあり、ミディアムあり、こうして曲を並べられると改めて彼らがフィラデルフィアで、オージェイズと並んで重要なR&Bヴォーカル・グループだったのだあ、と思った。そして、オールド・スクールのヴォーカルグループらしく、曲に付随する振り付けが楽しい。ヒット曲の連続ということで、やはり彼らの作品群の良さというのが際立っていた。
1972年の大ヒット「イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ(邦題、二人の絆)」などのバラードでのダーネルのヴォーカルも圧倒的だが、「バッドラック」などのアップテンポでも実に聴かせる。時に、マイクを離し、ノーマイクで喉を聞かせるあたりすごい。
また「ホープ・ザット・・・」のレコード(CD)でも共演している女性シンガー、シャロン・ペイジは、レコードで聴かれるさわやかなイメージよりも、はるかにゴスペル臭が漂う本格派のシンガーだった。
ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツというグループ名は実にいいにくい。DJ泣かせである。しかも、初期のヒット「イフ・ユー・ドント・ノウ・ミー・バイ・ナウ」などタイトルにも長いものが多く、これまたDJ泣かせ。しかも、頭にハロルド・メルヴィンとつけながら、メルヴィンはリード・ヴォーカルではないからややこしい。内山田弘とクールファイヴのリードシンガーが前川清のようなものだ。しかも、一番人気のリードシンガー、テディーは抜け、メルヴィンもいない。だが、グループはひとつの「ブランド名」として、しっかりとそのグループの歴史と伝統を受け継いでいるわけだ。ブランド名が引き継がれ、レガシーも代々受け継がれていく。
年末のウィスパーズ、今年に入ってからマンハッタンズ、そして、このブルー・ノーツと良質のR&Bヴォーカル・グループのライヴが続いた。これからも、たくさんのグループに来て欲しい。
(ブルーノーツ公演は、今日2月27日も渋谷デュオで行われます。当日券もあります。ソウル・ヴォーカル・グループ・ファンはぜひどうぞ。おそらく次回はありません(笑))
デュオのウェッブ
http://www.duomusicexchange.com/
開場6時、開演7時
■メンバー (ザ・ブルー・ノーツ)
John Morris, Anthony Brooks, Rufus Thorne, Darnell Gillespie, Sharon Paige
Setlist
show started 19:05
01. Intro Medley: Tighten Up
02. I Get Lifted
03. Bustin Loose
04. Play That Funky Music
05. Funky Broadway
06. (??) (01-06, band only)
07. Tell The World How I Feel About ‘Cha Baby
08. Where Are All My Friends
09. If You Don’t Know Me By Now
10. The Love I Lost
11. I Miss You
12. Bad Luck
13. Hope That We Can Be Together Soon (with Sharon Paige)
14. I’m Weak For You
15. You Know How To Make Me Feel So Good
16. At Last (Sharon solo)
17. Don’t Leave Me This Way
18. I Should Be Your Lover
19. Wake Up Everybody
Enc. Yesterday I Had The Blues
show ended 20:44
(2006年2月26日日曜、渋谷デュオ[Duo}=ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルー・ノーツ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Melvin, Harold & The Blue Notes
2006-40