【木下航志・アルバム・リリース記念ライヴ】
優しさ。
全20曲、2時間余。ノンストップで航志くんは歌いきった。大体3分割すると、オリジナル、カヴァー、オリジナルという感じ。これまでのライヴは1時間半くらいとか、途中に休憩をいれたりといったものだったが、今回は休憩なしの2時間7分。たっぷりたっぷりです。
木下航志くんのメジャー、デビュー・ミニ・アルバム『絆』が2月1日に全国発売され、その発売記念ライヴ。下記セットリストで、1,12,14,17,6,15,16の7曲がそのミニ・アルバムに収録されている曲すべて。これらを全部やり、さらに、カヴァー曲その他の曲を披露した。
今回、前回12月の末にビデオ撮影用にやったライヴでも歌った、ブレンダ・ヴォーンがコーラスで参加。二人で歌う「ピープル・ゲット・レディー」と「アメイジング・グレイス」は、もう圧巻としかいいようがない。それは、ブレンダのソウルと航志君のソウルが見事にひとつに融合する瞬間だ。間違いなく、ブレンダの歌唱に影響を受けて、航志君が黒く、ゴスペルぽく変化する。こうした化学変化が起こってしまうところがものすごい才能だ。ひょっとして、ブラックミュージシャンばかりのバンドでやったら、彼は文字通り筋金入りのソウル・シンガーになるのではないか。
たぶん、大人のシンガーだと一年ぶりに聴いて、歌がうまくなったとか、そうした変化がわかったりするものだが、彼の場合、現在進行形でものすごい早いスピードで成長を続けているので、3ヶ月前より歌がうまく力強くなったというようなことがわかる。この「現在進行形」を目撃できるというところは、何よりも喜びだ。
いくつか気づいた点を。やはり、何度も歌いこんだ曲のパフォーマンスは圧倒的だ。だが、オリジナル曲でもおそらく数をこなしていたない曲は、若干迷い気味のところがあるような気がした。滑舌(かつぜつ)、発音、ピッチ。それとキーボードが時々、迷うのか、ちょっともたつく部分などもあり、今後の練習だろう。歌いこんだ曲はそういう心配がない。どんどん練習して、レパートリーを増やしていって欲しい。
このライヴを初めて見た人が言った。彼がステージに手を引かれ現れたとき、「え? なんで? 彼は目が見えないの? 知らなかった」と驚いた。その人は『ソウル・ブレンズ』でかかった「アメイジング・グレイス」(ブレンダとのデュエット=12月のビデオ撮影会でのライヴのヴァージョン)を聴いて、感動してこの日会場に足を運んでいた。
音楽ライターの印南さんに会場で会った。初めて見た航志君について「いやあ、すごいですね。ダニーのとか」とかなり驚かれた様子。
別の人が言った。「観客や彼を取り巻く人たちが優しいね。みんなが彼を暖かく見守ってるっていう感じ。その優しさオウラが会場にあって、こっちまで優しい気持ちになるね」
優しさが会場を埋め尽くす航志ライヴ。確かに言えてる。
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■木下航志君についてのソウル・サーチン・ダイアリー
(木下航志君とは何者かと興味をお持ちの方は、日付順にダイアリーをご覧ください)
2003/12/29 (Mon)
Stevie Gave Love & Courage To Everybody
スティーヴィーのライヴで見かけた少年。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200312/diary20031229-1.html
2004/04/30 (Fri)
Kishita Koushi: 14-Year-Old Genius, I’d Call Him “Little Koushi”
木下君のNHKでのドキュメンタリー。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200404/diary20040430.html
2004/08/14 (Sat)
Kishita Koshi Live: The Live Performance I Really Desired To See
木下君の初ライヴ体験。
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040814.html
2004/08/15 (Sun)
Talent Of Musicians VS Talent Of Listeners
ミュージシャンの才能、聴き手の才能
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200408/diary20040815.html
April 02, 2005
Kishita Kohshi Live: First Heisei-born Super Star
初の平成生まれのスーパースター
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_04_02.html
June 27, 2005
Soul Searchin’ Talking Vol.4; What’d I Write (Part 1)
「ソウル・サーチン・トーキング」にゲストで登場
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_06_27.html
June 28, 2005
What’d I Write (Part 2): Soulful Joint On “What’d I Say”
「ソウル・サーチン・トーキング」にゲストで登場(パート2)
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_06_28.html
August 22, 2005
After Kohshi’s Rehearsal Is Over, Soul Food Is Waiting
リハの後にはソウルフードが待っている
http://blog.soulsearchin.com/archives/2005_08_22.html
August 25, 2005
Kishita Kohshi Live At Duo: Power To The Listener
リスナーに力を与える航志パワー
http://blog.soulsearchin.com/archives/000472.html
August 30, 2005
Kishita Kohshi At “Soul Blends”: Blind Ain’t Nothing, But A Word.
『ソウルブレンズ』にゲスト出演
http://blog.soulsearchin.com/archives/000477.html
December 25, 2005
“Soul Music Live Vol.5″(Part 2)
『ソウル・ミュージック・ライヴ』にゲスト出演
http://blog.soulsearchin.com/archives/000725.html
December 30, 2005
Kohshi: Video Shooting Session
ビデオ撮影用ライヴセッション
http://blog.soulsearchin.com/archives/000735.html
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オフィシャルウエッブ
http://www.kishitakohshi.com/
2月1日から大々的にリニューアルしています。
■Setlist
木下航志&ヒズ・フレンズ・ライヴ2006
“Clear Sailing Vol.3″ @ 渋谷デュオ
show started 19:16
01. 響け僕の歌
02. 僕はフール
03. 僕一人になっちゃうよ
04. 午前4時
05. 心の島
06. 赤とんぼ
07. What’s Going On
08. Someday We’ll Be Together
09. You’ve Got A Friend
10. People Get Ready (With Brenda Vaughn)
11. (You Make Me Feel Like A) Natural Woman (Brenda Vaughn)
12. 通り雨
13. 月ふたつ
14. マグノリア
15. 太陽の道、風の道
16. Challenger (チャレンジャー)
17. 絆
Enc 1. Amazing Grace (With Brenda Vaughn)
Enc 2. My Sweet Lord
Enc 3. 竹田の子守唄
show ended 21.23
■メンバー
木下航志 (ヴォーカル、ピアノ、キーボード)
名村武 (ベース)
藤井康一 (サックス、ハープ、パーカッション、コーラス)
ドクター・キョン(Dr. KyOn) (キーボード)
河合マイケル誠一 (ドラムス)
末松一人 (ギター)
ブレンダ・ヴォーン (コーラス)
シオリ (コーラス)
セイ (コーラス)
(2006年2月1日水曜、渋谷デュオ=木下航志・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Kishita, Kohshi
2006-21