【ジーン・マクファーデン死去】
デュオ。
「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ」の大ヒットを送り出したマクファーデン&ホワイトヘッドの二人組のうち、ジーン・マクファーデンが2006年1月27日(金)、癌のためフィラデルフィアのマウント・エアリーにある自宅で死去した。56歳。パートナーのジョン・ホワイトヘッドは、2004年5月、何者かに銃撃され殺されている。マクファーデン&ホワイトヘッドはこれで2人とも死去したことになる。
2004/05/13 (Thu)
John Whitehead Shot Dead
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200405/diary20040513.html
娘のカサンドラ・マクファーデンによると、ジーンは、2004年10月、肝臓と肺に癌が発見され、以後闘病生活を送っていたという。
ジーン・マクファーデンは1949年ノース・キャロライナ生まれ。幼少の頃フィラデルフィアに移り住み、ジョン・ホワイトヘッドと同じノース・フィラデルフィアのエディソン・ハイスクールに通った。二人は音楽好きとして意気投合、友人たちと共に4人組エプシロンズを結成。オーティス・レディングに売り込み、オーティスがマネージした。オーティスは67年12月、不慮の飛行機事故で死去。フィラデルフィアに戻り、音楽活動を続け、スタックスから1枚シングルを出したのち、フィラデルフィアで活動するプロデューサー、ケニー・ギャンブル&レオン・ハフと契約。グループは3人組となり、名前もトーク・オブ・ザ・タウンと変え、レコーディング。しかしヒットには至らず二人はソングライターとして活動を始めた。
二人が初めて書いた曲は「バックスタバーズ(裏切り者のテーマ)」で、これは72年、オージェイズによってレコーディングされ大ヒット。これは彼らにとっても、またオージェイズ所属のフィラデルフィア・インターナショナル・レコードにとっても初のミリオンセラーとなり、続くフィラデルフィア・サウンドの大ブームの火付け役となった。
79年、ソングライターだけでは飽き足らず、彼らは自らアーティスト、マクファーデン&ホワイトヘッドとして「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ(何も、俺たちを止めることはできない)」をレコーディング。これが見事に大ヒット。ニューヨークのラジオ局WBLSのアンセム(テーマ曲)的存在となったり、フィラデルフィア・イーグルスのテーマとなったりした。
マクファーデンは、57歳の妻、2人の息子、2人の娘によって送られる。
■ニュース素材
R&B songwriter Gene McFadden dies at 56
http://www.pittsburghlive.com/x/tribune-review/trib/newssummary/s_418166.html
Philly great Gene McFadden dies at 56 Teamed with John Whitehead for a string of hits
http://www.macon.com/mld/dailynews/news/local/13733963.htm?source=rss&channel=dailynews_local
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McFadden & Whitehead: Finally History Came To The End
【マクファーデン&ホワイトヘッド、力尽きる】
ピリオド。
グループの歴史に、いつかピリオドが打たれるということは頭で理解していても、それが現実に起こるとなかなか理解し辛いものだ。『ソウル・サーチン』の生みの親とも言っていいジョン・ホワイトヘッドのパートナー、ジーン・マクファーデンも亡くなってしまった。
ジョンの2004年の死去のニュースも衝撃だったが、ジーンの死去で、マクファーデン&ホワイトヘッドの二人がこの世からいなくなったということで、重いものを感じる。いつまでも、すべてが同じでい続けることはないのだなあ、と思う。
ジョンは、「ジーンが世界で一番のオーティス・レディングのファンだった。だから、俺は世界で二番目のオーティスのファンかな」と笑った。ジーンの歌声にはあちこちにオーティスの色彩が強い。
彼らの歌う「エイント・ノー・ストッピン・アス・ナウ」は、本当にポジティヴなメッセージを携えた傑作曲だ。マクファーデン&ホワイトヘッドの12インチ・ヴァージョンにはインストゥルメンタルが収録されている。僕は『ソウル・コネクション』で毎月紹介している「ソウル・サヴァイヴァー」のテーマ曲に、このインストを使っているほどだ。
天国で二人は再会して、また一緒に歌っているかもしれない。なにしろ、ハイスクール時代からの親友同士だから。ジョンから遅れること1年半で、ジーンも天国の住人になった。ご冥福をお祈りしたい。
ENT>OBITUARY>McFadden, Gene/ 2006.01.27 (56)