【しずおか屋~下北沢のソウル・おでん屋】
老舗。
青山のソウルスナックOAが3月で閉店するニュースをお伝えし、さらに、三宿のソウルナッツの寿ネタをご紹介したが、今日は下北沢のもうひとつの老舗ソウルバー、「しずおか屋」をご紹介しよう。
「しずおか屋」は、昨年4月に現在の下北の本多劇場の向かいに引っ越してきた。そもそも、この店は1974年10月、杉並区方南町にオープンしたソウルバー「エクセロ」にルーツを持つ。この頃は、ひじょうに場所も辺鄙(へんぴ)ではあったが、熱心なソウルマニアが集まってきた。その中には、デビュー前の鈴木雅之さんなどもいた。
「エクセロ」は、方南町から81年に下北沢に引越し。その後お店で出していたマスター富田さんの奥さんのおでんが評判となり、おでん屋の部門を「しずおか屋」として97年東北沢駅近く、環7ぞいに独立。しばらく「エクセロ」と「しずおか屋」のふたつの店が続いた。その後2003年3月に、再び二店を統合、ソウルおでん屋「しずおか屋」として下北沢で営業。ちょうどもうひとつのソウルバー、リトル・ソウル・カフェの前だった。2005年4月、より駅に近い現在の場所に移転した。
このおでんは、奥さんの出身地静岡でのおでん。だしがひじょうに黒いものだが、味はあっさりしているというユニークなもの。ぜひここに来たら、食していただきたい。値段も60円から120円程度で安い。
僕は方南町時代に何度か行ったが、しばらくご無沙汰していた。実は引越しをしてからの新店に行ったことがなく、やっと先日、訪れることができた。新しい店は本多劇場の前ということで、かなりわかりやすく、人通りも多いいい立地だった。富田さんによると最近はすっかり食べ物屋さんになってしまったが、ソウルマニアもときどきやってくるという。かけるのは、富田さんがソウル曲を編集したCDや、アナログのレコード。
なんと言っても、昔のソウルアーティストのライヴ・コンサートのチケットを額装したり、写真が所狭しと貼られていたりするので、ソウルっぽさが充分でている。
いろんな話になったが、そんななか、富田さんからレス・ポール&フレンズのアルバム『アメリカン・メイド・ワールド・プレイド』を教わった。この中に収録されている2曲を、とりあえず聞いて、といわれ聞かされたのだが、ぶっとんだ。なんと、声はサム・クック、しかし、バックバンドは今の新しい音ということで、サムの声だけを抜いて取り出し、今のバンドで録音したものだった。1曲「サムバディー・イーズ・マイ・トラブリン・マインド」はバックをエリック・クラプトンが、もう1曲「エイント・ザット・グッド・ニュース」はジェフ・ベックが参加している。60年代と21世紀が、見事にクロスオーヴァーしていた。これは近いうちに、番組でかけたいと思います。
現在まで続いている都内ソウルバー最古参3店は、ジョージが64年オープン、OAが71年5月、エクセロが74年10月ということになる。今はなくなった四谷の「ライヴ」という店は73年にはあったと記憶するが、正確なオープン年はちょっと今確認できない。どなたかご存知でしたら、教えてください。
日曜日はお店はお休みだが、仕込みで昼間来ていろいろやっているという。そしてそのときは必ずインターFMの『ソウル・ブレンズ』を聴いていただいているそうだ。イエ~~!
■「エクセロ・しずおか屋」に関する記事
2003/04/03 (Thu)
As the boy, so the man
https://www.soulsearchin.com/soul-diary/archive/200304/diary20030403-1.html
2003/12/19 (Fri)
Synchronicity @ Shizuoka-Ya & Little Soul Cafe
https://www.soulsearchin.com/entertainment/soulbars/diary20031219.html
■EXCELLO しずおか屋 (エクセロ しずおかや)
住所: 東京都世田谷区北沢2-6-6 澤田ビル202
電話: 03-3465-6154
営業時間: 18:00~24:00
定休日: 日曜 (祭日は営業)
行きかた: 下北沢駅南口より徒歩約3分
(現在の場所には2005年4月移転。)
ENT>SOULBARS>Excello, Shizuokaya