【30年代のニューヨーク・ハーレムへ】
タイムマシーン。
キャブ・キャロウェイというコミカルなエンタテイナーが一世を風靡したのは1930年代のこと。その舞台は、ニューヨーク・ハーレムの当時もっともおしゃれな人々が行くコットン・クラブだった。コットン・クラブから全米に人気の火がついたアーティストは、多い。このキャロウェイやデューク・エリントンなどそのもっともいい例だ。キャロウェイはその後もコンスタントに活動を続け、最近ではジャネット・ジャクソンのヒット曲「オールライト」のビデオにキャメオ出演していた。それでも1990年のこと、今から15年前だ。
そして、そのコットン・クラブが日本にオープンし、柿落とし(こけらおとし)がキャブ・キャロウェイの孫、キャブ・キャロウェイ3世というわけだ。
通路を通ってステージに上がるときに、その顔からして、祖父であるキャブ・キャロウェイの生き写しかと思った。それほど雰囲気が似ていた。白いスーツで、白い指揮棒を激しく振りながら、観客を楽しませる。まさにブラック・エンタテイナーらしいエンタテイナー。
途中に女性シンガー、ポーラ・ウェストの歌でスタンダードの「ザ・マン・アイ・ラヴ」と「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」が歌われた。
「さあて、みなさんの中にちょっとだけ、グッドラック(幸運)が欲しい人はいるかな? もし、いるなら、これから私がその幸運の鍵となるおまじないを教えよう。私の後について、それを言ってみてくれ。ヘ~イ、ナウ! さあ、みなさん! ヘ~イ、ナウ~~」
何曲かのスタンダード、時代がかったビッグバンドが奏でるオールド・ソングの数々。今から70年前には、きっとニューヨークのハーレムでこんな感じのライヴに、ニューヨーカーたちが熱狂していたんだろうなあ、と思うと、ちょっとだけタイムマシンに乗ったような気になってきた。
この日は、なんと本家本元ニューヨークのコットン・クラブのオウナーという人が招かれてきていた。一言だけ話をしたが、「まあ、ここは、(ニューヨークの店の)ベイビーのようなものだ。そうだな、これからはあちこちにベイビーを作りたいな」と笑った。
Setlist (Incomplete)
show started 20:31
01. Calloway Boogie
02. (He’s Such A) Be-Bop Guy
03. Uh-Nah
04. Christmas With You
05. The Fastest Song Ever Written
=Paula West, Singer on two songs=
06. The Man I Love
07. Fly Me To The Moon
08. Going Down To Charleston
09. Chant Of Jungle
10. Hey Now, Hey Now
11. Jive Brother (?)
12. As Time Goes By
13. Zanzi
14. Minnie The Moocher
Enc. Handy Man
show ended 21:51
(2005年11月22日火曜、コットン・クラブ=キャブ・キャロウェイ・オーケストラ・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Calloway, Cab