【ジーノ・ジャム・ライヴ】
グルーヴ。
日本一のファンキー・ソウル・ベース・マン、日本のルイス・ジョンソン、マーカス・ミラー・・・。形容詞はいろいろつけられるが、グルーヴを作らせたら今、彼の右に出るものはいないであろう日野賢二の自己のグループのライヴ。彼のベースは、特にチョッパーを見ていると、往年のルイス・ジョンソンを思わせる。ジャズ、フュージョンというより、ソウル、ファンクのバンドというか。ソウルマン・ジーノという感じだ。
今回は、ドラムス、キーボード2人、ベース(日野)、これにサックスが3人というひじょうにおおがかりな編成だ。しかも、サックスの3人がソウル・サーチンでもおなじみ太田剣、新進気鋭の小林香織、さらに日本語が達者な西海岸風サウンドのアンディー・ウルフと三者三様の色合いを見せる。
日野は一ベース奏者でありながら、全体的なサウンドプロデュースをかなり念入りに仕上げる。自分が好きなグルーヴ感のあるソウルフルなサウンドを追求するので、自然とそういうサウンドになっていく。この日のドラムは、ケイリブのところでも活躍のロレンゾ。このドラムとベースのコンビネーションなら東京ファンクお任せだ。
ファーストとセカンド、入れ替えにもかかわらず、曲のダブリはなし。それぞれほぼ一時間半たっぷりやってくれた。
第二部最後、ジャコ・パストリアスもやっているサム&デイヴの「カム・オン・カム・オーヴァー」では、ヴォーカルに日野さんがプロデュースをするイッペイ・ブラウン、ヒューマンビートボックスのモトくんという人が登場。かなりうまいビートを聞かせてくれた。アンコールの「チキン」(これもジャコ、オリジナルはジェームス・ブラウン)では、日野さんがチキンの踊り方を観客に教えて、みんながチキンのダンスを踊った。かなりテンポの早い「チキン」だった。
「『チキン』テンポ早かったねえ」というと、「え? やっぱり早かった? もう少し遅いほうがよかったかなあ。オリジナルはかなりテンポ遅いんだよね。だからあれより少し早くしようと思って」と日野さん。いや、あれくらい早くても、あれはあれでよかったが。
「リクエスト、思いついたんだ。こんど、ブラザース・ジョンソンの『ストンプ』か、クインシーの『愛のコリーダ』、やってよ」 「あああ~~、あれね、大好きよ。でも、ルイス・ジョンソンの、めちゃくちゃ難しいんだよ。ルイス、こんなに(といってベースをひっぱるジェスチャー)引っ張るんだよ。あんなことできない。ケイリブとか、ロビーとか、ブレンダとか、そういうすごくうまいシンガーと一緒にできるなら、やりたいね」とのお答。
ジーノのベースで、「ストンプ」の途中のソロを聞いてみたい。
■メンバー JINO JAM + 3 Saxophones
日野賢二(b,vo)、小林香織(sax)、太田 剣(sax)、Andy Wulf(sax)、PENNY-K(key)、NOBU-K(key)、Lorenzo Brceful(ds)
■日野賢二・ウェッブ
http://homepage1.nifty.com/live/kenji/
Setlist: First
show started 18:31
01. Intro
02. Moanin’
03. Lonely Time
04. City Living
05. Rain
06. Come Together
Enc. Paster T
show ended 20:00
Setlist; Second
show started 21:30
01. 911
02. E.T.A
03. Always There
04. Aaliyah
05. Wonderland Medley
06. Come On Come Over
Enc. Chicken
show ended 22:58
(2005年10月26日水曜、モーションブルー横浜=ジーノ・ジャム・プラス・3サックス・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Jino Jam (Hino, Kenji)