【ドクター・ジョン、ピアノとオルガンを同時にプレイ】
マジック。
ショウ・タイムは午後9時からだが、その2分前にはバックのバンドメンバー(ドラムス、ギター、ベース)の3人はすでにステージに立って準備万端となっていた。ちょうど9時、ドラマーがニューオーリンズ・ファンク特有のセカンド・ラインのリズムをたたき始め、ブルーノートがニューオーリンズになった。この時間どおりに始まるきっちりさはなんだ? (笑) 気まぐれで、気難しそうなドクター・ジョンのショウはこうして、9時ちょうどに始まった。
派手な蛇柄のステッキを手に持ち、ゆったりと通路を歩いてきたドクター・ジョン・ザ・ナイトトリッパーは、グランドピアノとオルガンの中間に置かれた椅子に腰掛け、ピアノをたたき出した。そのピアノの上には小さなドクロが置かれ、魔術師の部屋に飾られていそうな布がデコレーションされている。
たった4人でつむぎ出すグルーヴ、ファンク。おそらく、ドクター・ジョンの本気からすれば、せいぜい6割くらいの力で適当にやっているのだろうが、それでも十分ニューオーリンズのグルーヴだ。
ところどころMC(司会)をいれるが、南部なまりの英語でほとんどわからない。
7曲目で最大のヒット「ライト・プレイス・ロング・タイム」をやったが、ピアノとオルガンの間で観客席に向かって座り、左手でピアノ、右手でオルガンを演奏するという二刀流を見せた。
ドクター・ジョンが弾くピアノはグランドピアノなのだが、どうしても出てくる音がちょっと調律もおぼつかない場末のバーのアップライト・ピアノのように聞こえてしまう。弾き方のせいなのだろうか。ドクター・ジョンのマジックか。ドクター・ジョン、音楽は十分にファンキーだ。
ドクター・ジョンのマネージを18年ほどしているスパーキー氏によると、毎日、ファースト、セカンドとともにセットリストがほとんど違うという。たしかに、今日のセットリストと初日(9月16日)のファースト、セカンドを見比べてもかなり違う。いやあ、さすがにレパートリーが多いだけのことはある。
そういえば、前回(2000年5月)のブルーノートには、ちょうど行った日にエリック・クラプトンが飛び入りで入って一曲演奏していったっけ。もう5年も前か。あれはぞくぞくっときた。
Setlist
show started 21:00
01. (Medley) Down By The Riverside/Indian Red
02. Keep That Music Simple
03. Dis Dat Or D’Udda
04. Kin Folks
05. Virus
06. Evil
07. Right Place Wrong Time
08. Same Old Same Old
09. You Lie Too Much
10. Wang Dang
11. Sick & Tired
12. Ain’t My Fault
Enc. Sweet Homer New Orleans
show ended 22.23
■ブルーノートウエッブ
http://www.bluenote.co.jp/art/20050916.html
(2005年9月19日月曜、東京ブルーノート=ドクター・ジョン&ザ・ローワー911・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Dr. John & The Lower 911