Kishita Kohshi At "Soul Blends": Blind Ain't Nothing, But A Word.

【「盲目」とはただの単語】

ゲスト。

『ソウル・ブレンズ』に木下航志くんがやってきた。キーボード持参、スタジオで生ライヴを見せてくれる、という。1時過ぎにやってきて、本番前にセッティングをすませ、ちょこっとだけ音の感じをリハーサルして、2時からは番組が始まり、彼の出番は2時40分過ぎ。

ルイ・アームストロングの「ホワット・ア・ワンダフル・ワールド」がかかっている間に、木下くんスタジオに入る。いつも、彼はにこにこしている。

歌う曲は、1曲はオリジナルで、九州地区だけでシングル発売となる「通り雨」。もう1曲はなにかソウルのカヴァーをやろうということで、結局、ダニー・ハザウェイの「サムデイ・ウイル・オール・ビー・フリー」になった。ただし、ダニーの曲、放送時間が短かったため、少し短いヴァージョンでお願いすることにした。

キーボード1本と彼の歌声。このシンプルな音と声は時折メロディーがぶれたり、発音がちょっとこもったりするが、実に力強い。声そのものにソウルがあるところが、すごい。

そして、DJマーヴィンやちさとらとのやりとりもおもしろい。「好きな食べ物は?」 「ペペロンチーノとか・・・。おしゃれなところで・・・」 「好きな女の子のタイプは?」 「可愛い声の人、これに尽きますね! へへ」(スタジオ内爆笑) 「次のライヴへ向けて新しい曲は、何か練習してるの?」 「マーヴィン・ゲイの『ホワッツ・ゴーイン・オン』とか」 「あれ。もうやったじゃない」 「まだまだなんで、磨きをかけようかと・・・。全体的に、まだまだですねえ」 

楽器演奏のゲストは、あのナイル・ロジャースがギターを持ち込んで飛び入りライヴを見せた時以来と記憶する。

最近、彼を見ていて、そして、歌声を聴いていて、彼が「盲目」であることをほとんど意識しないようになっている自分がいて驚く。それだけ彼が普通に音楽をやっているところをたくさん見ているからだろう。彼と音楽が一体となっている、というか、自然にキーボードの前に座り、弾き、歌いという姿が当たり前になってしまったからなのだろう。航志くんのキーボード裁きなどを見ていると、彼が目が見えていないということをすっかり忘れてしまう。

だから、彼を紹介する時も、「鹿児島出身の16歳のシンガー・ソングライター」といったことで充分のような気がしている。まあ、もちろん、「16歳」でこれだけやられると、そのことだけで驚嘆してしまうが、いずれ、この「年齢」も気にならなくなるのだろう。

Age Ain’t Nothing, But A Number.(年齢なんて関係ない、ただの数字さ) そして、僕はこんな言葉を航志くんに捧げたい。Blind Ain’t Nothing, But A Word. (盲目なんて関係ない、それはただの単語)

航志くんに尋ねた。「航志くんの将来の夢は何?」 「将来、ずっと音楽をやっていくことです」  (拍手)

(2005年8月28日・日曜、『ソウル・ブレンズ』ゲスト=木下航志・ライヴ)

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