【シャイ・ライツで30分】
黙祷。
昨日の『ソウル・ブレンズ』の「4PMアット・スロー・ジャミン」は、急遽、金曜(22日)に亡くなったユージーン・レコードへのトリビュートということで、シャイ・ライツの作品ばかりを30分間ノンストップでかけた。かけた曲は順に「トビー」「ハヴ・ユー・シーン・ハー」「イエス・アイム・レディー」「コールデスト・デイズ・オブ・マイ・ライフ」「ア・ロンリー・マン」そして最後に「オー・ガール」。6曲連続。
スロー・ジャミンを全部一アーティストでやったのは、先日のルーサー以来だが、こうして、シャイ・ライツだけ連続でかける番組など、おそらく日本広しと言えどもこの『ソウル・ブレンズ』くらいしかないのではないだろうか。微妙に自負。
本当にこうして流しているだけで、空気が変わってくる。オッシー曰く「いやあ、(ニューヨークの)WBLSみたいですねえ」。いや、ほんとほんと。6曲連続でかけるだけで、何百万語を語るよりも、はるかにトリビュートになるから、音楽の力は強い。
WBLSがルーサーの時に24時間ルーサーだけをかけたという話を聞いたときには感激したものだが、シャイ・ライツの場合、シカゴのソウル・ステーションは24時間シャイ・ライツをかけ続けたのだろうか。
シャイ・ライツは86年9月に渋谷のライヴインに来日している。75-6年頃だったか来日話があったが、流れた。その時はチケットを買っていてかなり楽しみにしていたが、中止でけっこうショックだった。FENのDJ、ピート・パーキンスという人が来日を企画したことをおぼろげに覚えている。渋谷のライヴインは、行っていると思うのだが、どうにもはっきりした記憶がない。
シャイ・ライツの4作目『ア・ロンリー・マン』(72年)はリリースされた頃よく聴いた。72年の大ヒット「オー・ガール」を含むアルバムで、ここには長尺8分を越える「コールデスト・デイズ・・・」が収録されている。「ア・ロンリー・マン」も、ちょっとミディアム調の「ビーイング・イン・ラヴ」も、たまらなく素晴らしい。このメロディーとユージーンのリード・ヴォーカル、特にナレーションのところなど、ソウル・バラードの王道を行く。
「One month ago, I was a happy as a lurk(一月前まで、僕は鳩のように幸せだった)」(「ハヴ・ユー・シーン・ハー」のオープニング・ナレーション)という冒頭のセリフは、覚えるほどまで聞いた。
今日かけた6曲は、いずれも失恋ソングというか、恋がうまく行っていない状況のラヴソング。ユージーンはこういう曲を書かせ、歌わせると最高だ。
シカゴのともし火、今、ひとつここに消え行く。ユージーン・レコードへ黙祷。
++お勧めアルバム
シャイ・ライツ 『オー・ガール +1』
シャイ・ライツ 『グレイテスト・ヒッツ』
シャイ・ライツ 『(フォー・ゴッズ・セイク)ギヴ・モア・パワー・トゥ・ザ・ピープル 』
シャイ・ライツ 『アイ・ライク・ユア・ラヴィン(ドゥー・ユー・ライク・マイン)+2 』
ENT>OBITUARY>Record, Eugene>2005.07.22 (64)