Luther Talks In Japanese, He Never Eats Meat

【ルーサーさんは肉を食べない】

(昨日の続き)

フリーズ。

「ツナさんに誘われてね。いやあ、こういうのって誘われると、普通『行きます』って言っても、なかなかいかないでしょう。で、誘ったほうも来ると思ってない。だから、その裏をかいて、驚かせようと思って来てみました」とますます低音とスキンヘッドに磨きをかけたルーサーさんが事も無げに言った。実際、ルーサーさんがお店に入ってきた時、ツナさんはかなりびっくりしたらしい。

それにしても、彼の低く響く声は美しい。そしてきらきら輝く頭も美しい。「ルーサーさん、その声っていつからですか?」 「小学校6年の時からです。ある朝、起きたら突然、こうなってました。ぜんぜん前兆もなくね。だから、最初は(自分でも)わからなかったんですよ。親に言われて初めて気がついたんです」 「ああ、じゃあバリー・ホワイトと一緒だ」 「あ、そうなんですか」 「バリーもある朝起きたら突然こんな低い声になっていて、どうしたのかびっくりしたそうです」 

彼の在籍するリアル・ブラッドは現在ジェイ公山さんがしばし離れているために3人組のグループ、スロットになっている。「どうなるんでしょう」と尋ねると「まだわかりませんが、とりあえず3人で何か録音してみようか」という話をしているそうだ。

最初はジェイさん(バリトン・ボイス)が担当していた部分をリーダーであるブラザー・トムさんがやろうということになっていたが、いつの間にか、ルーサーさん、シルキーさん、トムさんの3人で分担しようということになった。僕が、「それって、ひょっとしてトムさんが、歌詞覚えるのめんどくさくて、3人で分けたんじゃないですか」と尋ねると、「そうかもしれません(苦笑)」との答え。時々、どっちがやるのかわからなくなって、(ステージで)目と目が合って、止まってしまうこともあるという。

ところで、イヴェント会場ネイキッド・ロフトの前に「とんかつ三裕」という看板があり、目に入った。「三裕」といえば、あのキムカツをそもそも始めたとんかつ屋さんだ。だが、新宿にあるとはでていなかった。同名異店、あるいはのれんわけか。(実際はキムカツとは関係ないみたいですね) で、しばしキムカツの話題になり、ル―サーさんに「とんかつとか食べますか」と聞くと、「僕、肉ぜんぜんだめなんです」との意外な答え。その昔、水疱瘡(みずぼうそう)だったかになって、それもかなり重症で、直った後に体質が劇的に変化してしまった、という。それでその病気が直った後に、何も知らずに肉を食べたら、いきなり蕁麻疹(じんましん)がでてしまい、それ以来食べられるなくなった、そうだ。牛も豚も、鳥も、ジンギスカンも、おまけに鯨なんかもだめだそうだ。もちろん、ハンバーグもだめ。ということは、フランクリンのハンバーガーもNGか。

「じゃあ、お肉はお嫌いですか」と尋ねると、これ以上ないといったほど困った顔をして、「大好きなんですよ」との答え。「だから、この辺(やたらと焼肉店などが乱立し、焼肉の匂いが立ち込めているエリア)歩くとつらいんですよ~~」 ルーサーさんは、昔このあたりをクラシックを歌いながら流していたという。

ルーサー市村さんのウェッブ
http://www.luther-net.com/

リアル・ブラッドはご存知の通り全国各地を回っているが、都市によってお客さんの反応が違うという話になった。概して大阪、関西全般、九州はのりがいいが、東北がちょっと弱いという。一度、郡山でディナーショウをやった時のことだ。観客はみな食事に夢中で、フルバンドつきのリアル・ブラッドが「見事にBGMになりました」。リアルのショウでは、一旦、途中で観客の反応が悪い時に演出で舞台から帰ってしまうというパフォーマンスを見せるのが常だが、その時ばかりは、舞台をはけるのを止めたという。もし、はけたら、戻って来てくれの拍手もなく、そのままになってしまいそうだったからだ。(笑) 普通、彼らが舞台から姿を消すと、拍手が巻き起こり、盛り上がって、彼らの再登場を観客がうながすのだが、さすがにこの時はあまりに静かでまいったそうだ。まさに郡山で氷ついたというお話だった。

ルーサーさんから名刺をいただいた。そこには、いくつかの肩書きがあったのだが、なんとそのひとつに「東京アナウンス学院・講師」というのを発見。わお! 低音の声の出し方を教えてくれるのだろうか。「あ~~~、う~~~、ボンボンボン・・・」(低い声で)

(2005年6月22日水曜・新宿ネイキッド・ロフト=プリンス・トーク・イヴェント)

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