【ケイリブが見出す隠れた名曲】
発掘。
日曜日の『ソウル・サーチン』の最終打ち合わせをケイリブとしてきた。今回はビデオとゲストがちょっと多めになるので、ケイリブの比重が過去2回に比べると少ないかもしれない。しかし、そこはソウル・サーチン・レジデント・アーティスト、ケイリブ、いろいろ考えているようだ。
いつも、彼の選曲には驚かされるが、今回もあっという曲が選ばれていた。これは、ちょっとネタバレになってしまうが、誰もこの曲を予想などしないだろうから、ちょっと書いてしまう。予習の意味で、CDなどを聴かれてから会場に来られてもいいと思う。
彼がどうしてもやりたい、と言った曲は「ベイビー・グランド」という曲である。僕はわからなかったので、「何、それ?」と尋ねた。「レイがビリー・ジョエルとデュエットした曲だ」 「レイ・チャールズの名義、それともビリー名義? レイとしてはCD出してる?」 「たぶん、ビリー・ジョエル名義だと思う」
うちに戻って調べると、やはりビリー・ジョエルのアルバム『ブリッジ』に収録されている1曲だった。レイ名義ではなかった。86年のアルバムだ。(その後、『グレイテスト・ヒッツ3』にも収録) 早速聴いてみると、いやあ、めちゃくちゃいい曲じゃないか。ビリー・ジョエルが書いた曲だが、歌い方はレイ・チャールズ節を真似ている。ちょっとレイ・チャールズの名曲「ユー・ドント・ノウ・ミー」(『ジーニアス・ラヴズ・カンパニー』では、ダイアナ・クラールとデュエット)に似たタイプの曲だ。誰よりもレイ・チャールズに憧れたビリー・ジョエルにとって、そんな神様とのデュエットは死ぬほど嬉しかったに違いない。たぶん、ビリー・ジョエル・ファンの方ならご存知なのだろうが、いわゆるシングルカットもされずにヒットはしていないので、一般的には隠れた名曲と言えるだろう。
「ベイビー・グランド」とは、小さなグランド・ピアノのこと。「僕がブルーで寂しい時、僕が手を伸ばすのは、ベイビー・グランド。僕が世界中どこに行こうとも、ベイビー・グランドはどこにでもある。いつも僕を優しく包み込んでくれる」といったいかにもピアノ・マン、ビリー・ジョエルらしい1曲だった。
レイ・チャールズには星の数ほどヒット曲がある。しかし、こんな隠れた名曲を選んでくるケイリブに拍手だ。ケイリブは言った。「まだ、人前で歌ったことは一度もないんだ。だけど、レイ・チャールズってことで、思いついたのがこれだった。ずっと歌ってみたかったんだよ」。日曜までに、彼はマスターできるだろうか。(笑) 彼の解釈によるこの曲を聴くのが待ちきれない。たのむぜ、ケイリブ!
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ビリー・ジョエル『ジ・アルティメイト・コレクション』
ビリー・ジョエル『ブリッジ』
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