【ノラ・ジョーンズ、「ワイルド・ホーセス」を歌う】
ワンテイク。
このところよくCDプレイヤーに入るのが、ティム・リースというアーティストの『ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト』というアルバムである。1991年にローリング・ストーンズのツアーで、サックス、キーボード奏者として参加した元々ジャズ・アーティストでもあったティム・リースがその音楽仲間となったストーンズの面面と、ストーンズの作品群をレコーディングしたアルバムである。
ストーンズの作品が全12曲。ストーンズでおなじみの作品群がジャジーに生まれ変わり、なかなかいい感じだ。この12曲の中でいま、一番気に入っているのが、5曲目の「ワイルド・ホーセス」。71年6月からヒットし、ポップ・チャートで28位を記録した作品。ストーンズのヒットしてはそれほどの大ヒットではないが、なんと、これを歌っているのが今をときめくノラ・ジョーンズである。
最初何もクレジットなどを見ずにかけていて、このヴォーカルが入ってきた瞬間、ジャケットを見直した。まさに、一瞬にしてノラとわかる声。ノラ・ジョーンズの新曲と言ってもおかしくないほど、彼女っぽい作品になっている。これはさすがにシングル・カットはされないかもしれないが、アルバム・カットで隠れた人気になるのではないだろうか。本当にこういう曲調、スローでゆったりした作品に、ノラの歌声があっている。というより、もうすでにノラの楽曲にしきっている。このアレンジ力というか、解釈力は一体なんなのだろう。すごい。
そして、もう1曲リサ・フィッシャーの歌う「ホンキー・トンク・ウーメン」も、実にいい感じ。リサは、ストーンズのツアー・メンバーでもあるが、かつて自己名義のソウル・アルバムも出している。この曲など、ドラムスにチャーリー・ワッツ、ギターにキース・リチャーズなのだから、まあ、なんと言ったらいいのだろうか。(笑)
ティム本人が書いたライナーノーツによると、これらの作品群はほとんどすべてワンテイクで録音されたという。
+++++
ザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクト
1 サティスファクション
2 ホンキー・トンク・ウイメン(オルガン・トリオ)
3 スリッピング・アウェイ
4 ストリート・ファイティング・マン
5 ワイルド・ホース
6 友を待つ
7 黒くぬれ!
8 アズ・ティアーズ・ゴー・バイ(涙あふれて)
9 ホンキー・トンク・ウイメン(キース・ヴァージョン)
10 ルビー・チューズデイ
11 ギミー・シェルター
12 ベレーリ
発売元:ヴィレッジ・レコード / 発売日: 2005年5月18日 / 盤種:ハイブリッドCD / レコードNo: VRCL-12001 / 価格(税込): 2625円
アーティスト:ティム・リース
ENT>MUSIC>ALBUM>Ries, Tom