【ジョン・レジェンド・ライヴ、ソウルの伝道師が光をあてる道】
伝道師。
会場は超満員で熱気むんむん。前日の開放感とは180度違った密室感のある空間でのライヴ。野音は3000人超、ここデュオは300人弱。収容人数が圧倒的に違うこともあるが、ジョン・レジェンドのようなアーティストはこれくらいのライヴハウスで見ると良さも格別だ。
前日より4曲、時間にして約25分ほど増えた勘定になる。
この日は、しっかりとスーツを着ておでまし。前日より気が入っているのか。(笑) また、キーボードがアコースティックのグランドピアノになっている。僕は個人的には、やはりジョンがアコースティック・ピアノで弾き語りしているところが好きだ。これを聴くと、アーティストとして底力のある人だなということがよくわかる。
下記セットリスト7の「ジョンズ・メドレー」は、自分がこれまで手がけた曲をピアノの弾き語りでほんの数フレーズだけ歌うというもの。順にジェイZ、カニエ・ウェスト、ディレイテッド・ピープル、アリシアの作品。(この数フレーズの作品については、ソウル・ブレンズ・チームの多大なる協力を得て判明しました。多謝) きっと、これはその日の気分でいくらでも自由に曲が変わるのだろう。
また「サン・カムズ・アップ」は、ジョンのインディ時代のライヴ・アルバムに収録されている作品。
驚いたのはアンコール1曲目の「ヴィジョンズ」。最初、ピアノの弾き語りっぽく始まってスティーヴィーっぽいなあ、なんて思っていたら、なんとスティーヴィー・ワンダーの作品だ。スティーヴィーの傑作『インナーヴィジョンズ』収録の1曲である。スティーヴィーは生ギターで歌ったが、ジョンはキーボードをバックに歌う。自作曲でさえ、大々的にアレンジしてしまうジョン。彼のアレンジ力はずばぬけている。こうした作品は特に彼にぴったりだ。なによりも、声が素晴らしく、その声からして説得力を持つ。
ところで、DJオッシー曰く「あのDJは、いらないな。あてぶりだし」 僕曰く「あのベース奏者はだめだな。マーカス・ミラーに代えてくれ」 DJナミ曰く「私は、(ジョンを)見られるだけで幸せです」
ちなみに、この日も音が悪かった。ベースの音がよくないので、おそらく、ミキサーとベース奏者の両方が悪いのだろう。前座のほうが音がくっきりしていたくらいだ。ベースとミキサーは他の人を探したほうがいい。
それにしても、何度聴いても「オーディナリー・ピープル」のアコースティック・ヴァージョンはいい。サム・クック、マーヴィン・ゲイ、ダニー・ハザウェイ、そして、スティーヴィー・ワンダーといった先達の記した道筋を、このジョン・レジェンドという男はしっかりと地に足をつけて、寄り道をせずに歩んでいる。その点で、ニュースクールのソウルの伝道師といえるかもしれない。彼自身がその道筋に光を当てて、輝かしい物にしている。
John Legend Setlist
〔(*) indicate the songs he didn’t play previous day.〕
show started 18.55
01. Prelude
02. Let’s Get Lifted
03. Alright
04. She Don’t Have To Know
05. Number One
06. Let’s Do It Again (Staple Singers)
07. John’s Medley: Encore/Never Let Me Down
/This Way/You Don’t Know My Name (*)
08. Selfish
09. I Can Change
10. Used To Love U
11. Ordinary People
12. Sun Comes Up (*)
13. So High
14. Live It Up
Encore 1. Visions (*) (Stevie Wonder)
Encore 2. Refuge (*)
show ended 20:13
(2005年5月8日日曜・渋谷デュオ=ジョン・レジェンド・ライヴ)
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