二十一夜。
アメリカのジャズ系レーベル、ヴァーヴ・レコードがこのところ押しているのが、イタリア出身ニューヨーク在住の女性シンガー、キアラ・シヴェロ。スペルは、Chiara Civello。イタリア読みでキアラとなる。1975年6月15日イタリア・ローマ生まれ。ローマからアメリカ・ボストンの有名なバークリー音楽学校に通い、ミュージシャンたちと知り合い、プロデューサーのラス・タイトルマンと出会い、メジャー・デビューとなった。タイトルマンはこれまでにポール・サイモンやジェームス・テイラーなど主としてポップ系シンガー/ソングライターらをプロデュースして有名な人物。
デビュー作は『ラスト・クオーター・ムーン』で日本盤もすでに1月26日に発売されている。「ラスト・クオーター・ムーン」というのは、月齢(約30日)の中で、第21夜から22夜あたりにかけてのこと。下弦の月で、徐々に新月(満月の逆で、まったく月が見えなくなる時)へ移行しているころを表す。
一言で言えば、ノラ・ジョーンズ・フォロワーということになるだろうか。ノラ・ジョーンズ路線の軽いタッチの、ジャズ、ポップ系ヴォーカル。それに若干のボサノヴァ系サウンドが加わる。この系統ではリズ・ライトがいい雰囲気で登場しているが、このキアラは黒さはそれほどなく、軽いタッチで聴かせる。タイトルマンの音楽趣向の路線で、ポール・サイモン、ジェームス・テイラーの女性版といった雰囲気。あるいは白人版カサンドラ・ウィルソン。
Jウェイヴの番組『ブームタウン』のリスナー招待という形で行われたショーケース・ライヴが先日原宿のブルージェイウェイで行われた。その席でキアラは数曲をピアノ、ギターとのトリオで披露した。途中、日本語の単語をいくつか並べてみせた。「しゃぶしゃぶ、すきやき・・・。好き好き大好き!」 受けた。
彼女は月齢カレンダー(一般のカレンダーは太陽暦。月の満ち欠けで一月にするカレンダー)を使っていて、あるとき、ラスト・クオーター・ムーン(21夜から23夜)という言葉を見つけ、興味を持ち、いろいろと調べてみた。すると、このラスト・クオーター・ムーンは、始まりの終わり、終わりの始まりみたいな位置にあり、何か自分の曲作りにいいような感じがしたので、これをタイトルにしてみた、という。
5月にはブルーノートなどで正式なライヴを行う。
アメリカ・ヴァーヴのサイト
http://www.vervemusicgroup.com/product.aspx?ob=n&src=art&pid=11092
日本のユニバーサルのサイト
http://www.universal-music.co.jp/jazz/artist/chiara_civello/index.html
(2005年3月12日土曜、原宿ブルージェイウェイ=キアラ・シヴェロ・ショーケースライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Civello, Chiara
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