G。
それはさておき、あいつとか奴という第三人称を示す言葉として、よくcat(キャット)という単語が使われる。レイ・チャールズの自伝にも、「彼」を表すのにheという単語よりもcatの方が多数でてきた。訳語としては、あいつ、奴、彼、もし名前がはっきりしていれば、その固有名詞を使うが、ミュージシャンたちはいまでもよく使うようだ。
それはさておき、こちらは本当のネコ、catのお話。世界一有名なネコというのがこの愛嬌たっぷりのガーフィールドである。僕は昔からこのガーフィールドのキャラクターが大好きで、ガーフィーの電話というのをアメリカで買ったことさえある。これがなかなかふざけていて、受話器を取ると、寝ていたガーフィーの目がぱっちり開くというもの。初めて見た時には吹きだした。
それはさておき、昨秋公開された映画『ガーフィールド・ザ・ムーヴィー』のDVDを見た。実はこれ、劇場で見たいなと密かに思っていたのだが、その理由は、映画の宣伝でガーフィーがジェームス・ブラウンの「アイ・フィール・グッド」にあわせてダンスを踊っているシーンがあったからだ。こいつは、ファンキーなキャット(奴)だなあ、と。
それはさておき、81分。いやあ、それにしても、ガーフィー君はこれCGなんでしょ。影もよくできてる。そして、このネコらしい性格がたまらない。怠け者でわがままで、意地悪の自己中。何も考えずに楽しめた。笑えた。
それはさておき、「アイ・フィール・グッド」、ふんだんに踊ってた。ジェームス・ブラウンみたいに足を横へつつ~~と移動させるやつ。やってた。このガーフィーを見たミスター・ブラウンはどんな顔をしたのだろうか。
それはさておき、もう一曲おもしろい選曲が。ビリー・ジョーエルの「ニューヨーク・ステイト・オブ・マインド」の替え歌で「ニュー・ドッグ・ステイト・オブ・マインド」。主人のジョンが自分よりも新しく来た犬のオーディーを可愛がるのを、寂しく思うガーフィーの心境を歌にしたもの。「新しい犬が来ての心境」といったところが直訳になるのだが、字幕の訳は原曲とのからみがなかったなあ。おそらく訳した人はビリー・ジョエルの曲だって知らなかったんだろう。
それはさておき、ガーフィールドのことをガーフィーと呼ぶのはよくあるが、誰かが単に「G」と呼んでいたのはおもしろかった。
それはさておき、Gがエルヴィスみたいなヘアスタイルにさせられ、一瞬エルヴィスもどきになったが、その場を去るときのセリフがG left the building! これはかなり笑えるポイント。字幕は「ガーフィールド退散」。もちろん、字幕としては正解、他に訳しようがないのだが、元の英語はElvis left the building! をもじってるのね。これは慣用句で、こういう時に使う。例えば有名人をライヴ会場の出口で待っているファンたちがいるとする。野球場でもいい。熱狂的なファンは、そのお目当ての有名人がでてこないことには帰らない。そういう時、係りの人が連中に向かって叫ぶのがこれだ。Elvis left the building! (エルヴィスはこの建物をでてしまいましたよ。エルヴィスはもうここにはいないよ)。今ではエルヴィスじゃなくても、「お目当ての有名人はもう去りましたよ」ということを意味する時にこのように言う。字幕、こうも付けられましたね。「セレブのガーフィー、退散!」とか。
それはさておき、下記が映画のサイト。
http://www.foxjapan.com/movies/garfield/
http://www.foxjapan.com/movies/garfield/whats.html
ENT>MOVIE>REVIEW>Garfield The Movie