(昨日からのつづき)
57番目。
『ターミナル』効果があってか、ブルーノートは火曜日だというのにほぼ満員。『ターミナル』を見た音楽好きは、みなベニー・ゴルソンのライヴがあると聞けば来るだろう。(笑) 観客の中にはマーカス・ミラーの姿も見えた。僕がベニー・ゴルソン名義のライヴを見るのは初めて。
今回はドラムス、ベース、ピアノにベニーのサックスという4人編成。みなそれぞれ持ち場をしっかり守り、いい演奏を聴かせる。古いスタンダードナンバー「シュリー・ウィズ・ザ・フリンジ・オン・トップ」で始まったライヴは、2曲目の前でベニーがマイクを持ってこう話し始めた。
「昨年、私たちはスティーヴン・スピルバーグの映画に出演する機会がありました。映画は『ターミナル』というもので、撮影現場ではスピルバーグやトム・ハンクスたちと楽しい一日を過ごしました。それから帰ってきて、私たちはその映画出演に影響を受けて(インスパイアーされ)、アルバムを作ることにしました。そうして出来上がったのが『ターミナル1』です。そこから、タイトル曲をお送りしましょう」
実に渋い。落ち着いた音。ゆったりとした余裕の音だ。ベニー・ゴルソンは1929年1月25日、ペンシルヴェニア州フィラデルフィア生まれ。ワシントンDCの名門ハワード大学で音楽を学んだという。さすがにインテリだけあって、司会も落ち着いた知性を感じさせた。そして、この日は彼の誕生日ではないか。
彼はさまざまなジャズの名曲を書いている。その中のひとつが「アイ・リメンバー・クリフォード」。さすがにこれは人気が高い。ひときわ大きな拍手が彼らを待ち受けていた。
ところで、彼がステージに上がっているところで、サインをねだる者はいなかった。(笑) ライヴが終った後、ドラムスのカール・アレンがカウンターのところにいたので声をかけた。「『ターミナル』のライヴシーンではあなたも一緒に演奏していたのですか?」 「もちろん、プレイしていたよ」 「あの撮影はどこで?」 「モントリオールだよ」 「へえ、撮影はどうでした?」 「みんないた。スピルバーグ、トム・ハンクス…。とても楽しかった」
映画ではニューヨークの設定だが、なぜか撮影はモントリオールだったというわけだ。
ベニー・ゴルソンのライヴ、それは57番目の男のライヴ。
show started 21:41
1. Surrey With The Fringe On Top
2. Terminal 1
3. Seven Minds
4. Along Came Betty
5. I Remember Clifford
6. Whisper Not
7. (Theme)
Enc.
show ended 23:14
メンバー。
ベニー・ゴルソン(サックス)、
マイク・ルドン(ピアノ)、
バスター・ウィリアムズ (ベース)、
カール・アレン(ドラムス)
Benny Golson(sax),
Mike LeDonne(p),
Buster Williams(b),
Carl Allen(ds)
ブルーノート東京で2005年1/24(月)~1/29(土) まで。
http://www.bluenote.co.jp/art/20050124.html
ベニー・ゴルソン 『ターミナル』
ターミナル
(2005年1月25日火曜セカンド、ブルーノート東京=ベニー・ゴルソン・ライヴ)
ENT>MUSIC>LIVE>Golson, Benny