習慣。
「ジー・ウィッズ(Gee Whiz)」を歌ったのはカーラ・トーマス。1961年のヒット。これがメンフィスのスタックス・レコードにとっての初めての全国ヒットになりました。さて、この「ジー・ウィッズ」の意味は? マーヴィン先生に教わりました。
「これは、最近使わないね、ちょっとダサいよ。僕は黒人だけど、白人の真似して、『ジー・ウィッズ』っていうかもしれないけどね。意味は、『まあ、残念』とか、too bad(残念)といったところかな。オー・マイ・ゴッド(まあ、なんてこと! なんてこった!)は、強すぎる。でも、61年、あのころ、南部ではこれくらいの言葉がちょうどよかったのかもしれない」
「今日は外にでなければならないので、ソウルブレンズが聞けない」
「ジー・ウィッズ(残念)」
「彼(彼女)とのデートがドタキャンになった」
「ジー・ウィッズ(残念)」
カーラ・トーマスのこの曲調もどこかもの悲しげな感じ。しかも、ウルフマン・ジャックや『アメリカン・グラフィティー』にでもでてきそうな感じだ。
そして、続いてエディー・フロイドの大ヒット「ノック・オン・ウッド」。木を叩く、という意味ですね。これは、何かを願ったり、お祈りする時に、例えば机なんかをコンコンと叩くことを言います。日本では神社で手を叩いて、神頼みしますが、それをアメリカでは木や机なんかを叩いて、お祈りするわけです。
「宝くじ、買ったんだよ。当たるといいなあ」
「ノック・オン・ウッド!」
「競馬、6-3が来ますように」(ノック・オン・ウッドする)
これに似たおまじないに、人差し指と中指をクロスさせてお祈りする「フィンガース・クロースド」というのもまります。
「宝くじ、あたりますように」と言いながら、指をクロスさせるわけです。
まあ、アメリカの習慣といいますか、いろいろありますね。スタックス関連で選んだ曲から偶然ワンポイントイングリッシュ・レッスンになりました。