入稿。
とりあえず、『わが心のジョージア~レイ・チャールズ物語』(レイ・チャールズ、デイヴィッド・リッツ・著・吉岡正晴・翻訳監修=戎光祥出版、2005年1月29日発売)の「あとがき」を入稿した。こんどは、すでに戻り始めている直しのチェックになる。やったあ。
ま、しかし、それにしてもわれながら、よくやった。4ヶ月くらいの予定を考えていた物を6週間程度でやったのだから、はんぱではない。だが、一方でやればできるのね、とも思った。とはいえ、多くの方々の手助けをいただいてのものだ。みなさんに感謝したい。
またこれから本文の中の、部分をご紹介しようと思うが、最後の『レイ・チャールズ最後の日々』は訳していても感動した。この文章は、今年の6月に、レイの死後、デイヴィッドが書き下ろしたもので、17ページ。今年10月に発売された第三版に収められた。
著者でもあるデイヴィッドとレイの交流が描かれるが、なんといってもデイヴィッドのレイへの思いが熱く一気に読ませる。しかも、晩年のレイの弱々しい声、それまで一緒に仕事をしてきたミュージシャンたちへの言葉が実に胸を打つ。そして、自分が死というものを意識し始めてからのレイ・チャールズの心の動きがひじょうに興味深い。
レイ・チャールズにとって、その最後の一年は、それまでの72年間とはまったく意味が違ったのかもしれない。彼は死ぬまで毎日仕事をしていた。その彼がツアーを休んだ。これは一大事だった。彼は自分が「強くなった」ということをしきりに強調する。それは、昔は強くなかったことへの反動であるかのようだ。
30年近くレイを見てきたデイヴィッドのすぐれた観察力が見事なエピローグを飾った。
『わが心のジョージア~レイ・チャールズ物語』は、2005年1月29日、映画公開と同時に発売される予定だ。映画を見てからでも、本を読んでからでも、どちらも納得できる作品である。