搾取。
これしかネタはないのか、と言われてしまいますが、とにかくひきこもりのヒッキーとしては、レイ・チャールズのことしか頭にないわけです。(笑)
そのむかし、メラニーというニューヨーク出身のシンガー/ソングライターがいて彼女が書いた作品に「ルック・ホワット・ゼイ・ダン・トゥ・マイ・ソング、マ」という曲があります。71年に大ヒットしたのですが、これをレイ・チャールズがカヴァーします。
そして、この曲はなかなか興味深い歌詞をもっていました。内容はこんな感じ。
「ママ、連中が僕の歌にしたことを見て。半分しか完成できなかったのは、この曲だけだよ。結局、彼らにいじられて最悪の曲になってしまった。・・・ママ、連中が僕の頭をどうしたか見て。鳥の骨にするみたいに、髪の毛をむしりとった。僕は気が狂いそうだ。・・・連中が僕の歌にしたことを見て。プラスチックの袋にいれて引っくり返した。・・・これでいいのかもしれない。あ~、でもわからない・・・ もし僕の涙がお金に変われば、僕は今日億万長者だ・・・僕は狂ってしまうよ、ママ。連中は僕が作ったものをすべて盗んで、大金を稼いだ。心が痛む。でも、ママが教えてくれたように、僕は基礎を固めてビルを作り続けるよ。そうさ、ビルを作り続けるんだ」。
レイはこの曲を黒人のミュージシャンやソングライターが書いた作品を白人がカヴァーして、結局黒人よりも多く売ってしまうことの事実を歌ったわけです。黒人が書いた曲を白人がずたずたにして、でも黒人よりもたくさんの枚数を売ってしまう。50年代からずっと続いてきた搾取の歴史を皮肉っぽく歌ったのでしょうか。
今回、初めてそういう風にもとらえられるのだな、と思いました。これを書いたメラニーは白人ですが、彼女はシンガー・ソングライターなので、なにかそういうことでもあったのでしょうか。ちょっと調べてみたんですが、見つかりませんでした。
この曲はニューシーカーズというグループがヒットさせました。