質問。
映画『ソウル・サヴァイヴァー(原題Only The Strong Survive)』の試写会が昨日、銀座山野楽器のジャムスポットホールで行われました。大勢の方にお集まりいただきありがとうございました。この『ソウル・サヴァイヴァー』、いよいよ正式に公開日が決まりました。今年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズです。試写で気に入られた方、まだご覧になられていない方、ぜひどうぞ。
さて、映画をご覧になった方から若干の質問をいただいたので、簡単に説明してみたいと思います。もちろん、僕にもわからないこともありますが。
途中で「これが、モータウンに対する回答だ」というナレーションが入っていましたが、これはどういう意味ですか、というご質問。目黒区のNさんからいただきました。
アメリカの60年代から70年代にかけての音楽シーンは、特にソウルミュージックの世界では、地域性というものが特徴的にでていました。デトロイトのサウンド(たとえばモータウン・サウンド)、フィラデルフィアのフィラデルフィア・サウンド、南部テネシー州メンフィスのメンフィス・サウンド(ハイ・レコード、スタックス・レコードなどからの作品)、シカゴのシカゴ・サウンド(ブランズウィック・レコード、チェス・レコードなどからの作品)などなどです。
そうしたソウル作品は、現在ではロスト・ソウル(失われしソウル)などと呼ばれ、昔を懐かしむために聞かれたりしています。
この映画でフォーカスしているのは、これらのソウルのうち、主にメンフィスのソウルとシカゴのソウルです。その頃、ソウルミュージックシーンで一番ホットだったのは、やはりベリー・ゴーディー率いるモータウン・レコードでした。ここから登場するアーティストは、次々とヒットをだし、その波はアメリカのみならず、イギリス、ヨーロッパ、日本など世界的に広がりました。
そんな北部デトロイトのモータウンに対抗して、南部メンフィスから登場したソウル・アーティストたちが、次々とヒットを放ち、ソウル・ミュージック・シーンはあたかも南北戦争のような形になりました。しかし、それは両者にとって有益な切磋琢磨であり、向上でした。そうしたこと全体を指して、メンフィスからのソウルは、デトロイト・ソウルへの回答だ、という表現をしたわけです。
既存の物や現象に対して、新たな勢力や者が、それに対抗するように登場するときに、しばしば、「~~に対する回答(英語ではanswers to …) などという言い方がされます。
さて、アレサ・フランクリンのことについて、ウィルソン・ピケットがコメントしているところの意味がよくわからなかった、というご意見がありました。調布市のSさんからのご質問。
あのシーンは、おそらくアレサは料理するのがとても好きで、ホームパーティーかなにかをしたときに、ずっと料理を作っていて、いざ歌を歌うときに、本当だったらシンガーらしくドレスでも着て、ステージに上がればいいのに、ほとんどジーンズにTシャツのような普段着で登場し、わからなかった、というニュアンスだと思います。それこそ、普通のおばさんがいきなりでてきて、わからなかったよ、ははは、みたいなのりでしょう。
また冒頭のルーファス・トーマスとのやりとりがどこがおもしろいのか、まったくわからない、という声もありました。ここまでくると、僕にもわかりません。おそらく、たとえば、オヤジギャグを若い人がまったく理解しないというか、受けないというのと同じように、おそらく、ルーファスが何か言っていて、もちろんおもしろいのかもしれませんが、ひょっとしたら、字幕にしたらおもしろくないのかもしれません。
アイザック・へイズとルーファス・トーマスとのやりとりもむずかしいところがありました。ある意味、内輪受け的なやりとりなのではないかと思います。
何人かの人たちからは、ライヴシーンののりのいい曲になると、座ってられず本当は立ち上がって踊りたかった、というご意見もいただきました。おっしゃる通りだと思います。僕もそう思いました。前回僕が見たのは比較的小さな試写室だったのですが、今日の場所は100人以上入るところだったので、音も大きく、なかなかライヴ感がよかった。
以上、若干の『ソウル・サヴァイヴァー』についての質問コーナーでした。
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『ソウル・サヴァイヴァー』(2003年)
2004年12月25日(土)から、ヴァージン東宝シネマズ六本木ヒルズで公開。96分。
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ソウル・サヴァイヴァー、収録曲
Soul Survivor(Wilson Pickett)
Gee Whiz(Carla Thomas)
Soul Man(Sam Moore)
For Your Precious Love(Jerry Butler)
Someday We’ll Be Together(Mary Wilson)
Have You Seen Her(Chi-Lites)
Walking the Dog(Rufus Thomas)
Breaking Up Somebody’s Home(Ann Peebles)
In the Midnight Hour(Wilson Pickett)
When Something Is Wrong With My Baby(Sam Moore)
Night Time Is the Right Time(Carla Thomas,Rufus Thomas)
Only the Strong Survive(Jerry Butler)
Don’t Let Go(Isaac Hayes)
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映画『ソウル・サヴァイヴァー』公式サイト
http://www.s-survivor.com/
ENT>MOVIE>Only The Strong Survive