特典映像。
今日の『ソウル・ブレンズ』(午後1時から5時・インターFM、76.1mhz)の「ソウル・サーチン」のコーナーで、プリンスの4枚組DVDセットを紹介することになった。そのためにそのDVDを見たのだが、これが大変なヴォリュームだった。映画3本で約5時間。まあ、映画は一度は見ていたのでちょっと他のことをやりながら再見という感じだったが、特典映像がすごい。これがまた3時間弱ある。監督のインタヴューなど初めて見るものなども多く、これは片手間に見るわけにはいかなかった。そして、いわゆるプロモーション・ヴィデオ・クリップもある。
ちょっと内容を紹介してみよう。プリンスは1982年、2枚組のアルバム『1999』をリリース、大ヒットさせていた。そして、その次の作品として彼がしばらく前から構想を練っていた映画を作る。それが世界的大ヒットとなる『パープル・レイン』だ。映画は公開されて瞬く間に興行収入1位に、サントラも、ヒットシングルも1位になった。『パープル・レイン』は、プリンスにとっても最大のヒット作となった。
以後、彼は『アンダー・ザ・チェリー・ムーン』(1986年)と『グラフィティー・ブリッジ』(1990年)という映画を作る。これらプリンス主演作3本をひとつのDVDパッケージにまとめたのが、『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)である。
特典映像などには、映画『パープル・レイン』が公開された時の、ハリウッドでのプレミアパーティーの模様をライヴで中継したMTVの映像なども貴重でおもしろい。
84年初夏のことだが、当時の話題のスターたちが次々とでてくる。エディー・マーフィー、アル・ヤンコビック、シーラE、ライオネル・リッチー、ジョン・クーガー・メロンキャンプなどなど。20年前の『ベストヒットUSA』でも見ているかのようなラインアップだ。実際、そうなのだが。(笑)
その中で、メロンキャンプがちょうど『1999』がリリースされたとき、自分のライヴで、自らの演奏の間にラジカセをとりだし「リトル・レッド・コルヴェット」をかけ、観客に聴かせたというエピソードを語っていた。知らなかった。ジョン・クーガー、すばらしい。(笑)
また、『パープル・レイン』の映画監督アルバート・マグノーリの作品解説はひじょうにわかりやすく映画を見た後に見ると、作品の理解が深まる。彼の言葉によると撮影はわずか10日だったという。またプリンスが多くの曲をすでにこの映画のために用意していたこと、また、制作時点では「パープル・レイン」などの曲はまだできていなかったことなどを明かしている。
この中では、やはりプリンスと父との確執という点が興味深かった。あるいは、ミネアポリスのライヴハウス、映画の舞台となった「ファースト・アヴェニュー」についての関係者のインタヴューもおもしろかった。
『グラフィティー・ブリッジ』のテヴィン・キャンベル、実に若い。メヴィス・ステイプル、迫力ある。ジョージ・クリントン、なんで明日、日本に来ない?
プリンスファンの人は、パープルのジャケットとともに本作は必携品になりそうだ。ただ唯一残念なのは、日本語の解説がないこと。いわゆるライナーノーツがない。これら3作品がプリンスのキャリアの中でどのような位置にあるのか、プリンスがなぜ映画にここまで固執したのか、プリンスの映像へのこだわりはどれほどのものか、映画に隠される秘密などを文章で読みたかった。(依頼があればいつでも書きます。(笑)) それにしても、すごい量なので、一日では見切れないかもしれない。でも、ゆっくりお楽しみあれ。
『プリンス・フィルムズ・コンプリートBOX』(ワーナーホームビデオ、10290円税込み)
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