NO.450 |
2003/11/18 (Tue) |
Luther Vandross' First Live Album Ever: Love Story For 75 Minutes Long |
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![]() これまでにルーサーのライヴのヴィデオ映像は発売されていましたが、CDとしては初めてのもの。ここで聴かれる声からはとてもその2ヵ月後に心臓発作で倒れるなんてこと、神でさえ予想だにしなかったのではないでしょうか。 あちこちの曲の途中で「マママママ・・・」とか「ウォオオオオオ」とか、例のルーサー節全開です。そのたびごとに、「おお、ルーサー」と声をあげてしまいます。「ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム」のイントロでは、手持ちマイクを口元から離したり近づけたりして、声が大きくなったり小さくなったりします。歌の途中で「キャ〜〜」という悲鳴にも似た声が観客席から飛び交います。 ![]() 11曲中5曲までがカヴァーでしめられています。とはいうものの、彼の解釈によるカヴァーは、カヴァーのレベルを超えています。誰かが先に録音した曲ではありますが、すでに、ルーサーが歌った瞬間ルーサーの歌になってしまっています。これがなんといってもすごい。こんなシンガーは、めったにいない。 「これまでに録音した曲のなかでも、これはとっても気に入っている曲のひとつです。この曲はめったに歌わないんだけど、今夜は、今、ここで(here and now)歌うよ! これは、みなさんの曲かな?(Is this your song?)」 こうルーサーが語って歌い始めたのが、ブレンダ・ラッセル作の「イフ・オンリー・フォー・ワンナイト」。 「 もしできるなら、せめてたった一晩だけでも(If only for one night)、君を僕の傍においておきたい。一晩だけでも、それはとても素敵なこと」 そして、この後にスティーヴィー・ワンダーの「クリーピン」へ。「君の吐息が聴こえる。僕の横にいてくれるんだね。どうして、君は僕の夢の中に入り込んでくるの?」 2曲セットで完璧です。というよりも、むしろ全曲の流れが完璧です。75分余で語られるラヴストーリーが展開されます。愛の伝道師ルーサー・ヴァンドロスの面目躍如。愛の力がにじみ出ています。このライヴ・アルバムは、愛を誘発するアルバムかもしれません。 |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |