NO.209 |
2003/04/03 (Thu) |
As the boy, so the man |
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用事があり下北沢に行ったので、帰りに先月(2003年3月)「しずおか屋」になった元ソウルバー「エクセロ」に足を運びました。「エクセロ」は古いソウルファンなら誰でも知っているかなり老舗のソウルバーでした。昔(70年代)は方南町にあり、その後、下北沢に移ってずっと渋いディープソウルをかけてきた店です。新しいソウルバー・ファンには、「リトル・ソウル・カフェ」の向かいのお店ということでも知られています。 オウナーは富田さん。ソウル一筋30年余。渋めのソウルアーティストのライヴでもよく顔を合わせます。その昔、鈴木雅之さんらが方南町時代にはよく通ったというお店ですが、この3月からおでんやさんになりました。奥様が代田の方で同名のおでんやさんをやっていて、それがこちらに引越してきた感じです。出身が静岡ということで、静岡風のおでんを供します。 初めて食べましたが、おつゆがすごく濃いのですが、味は意外とあっさり。なかなかです。そして、バックで流れている音楽は、やはりソウルでした。いろんな曲がかかるので、尋ねてみると、珍しいソウルのシングルなどをCD−Rに焼いてそれをかけているそうです。さすがです。 年季の入った店のあちこちにふるいR&Bシンガーの写真やポスター、日本でのコンサートのチケットなどが額縁に飾られています。なんだか、タイムスリップしたかのようです。ファッツ・ドミノなんて来てたんですね、そう言えば。チケットが飾ってありました。 後ろに座っていた中年サラリーマン風。「今日は、ソウルばっかりだなあ。エルヴィスもかけてよ〜〜」と富田さんにぶつぶつ言ってます。すると「ちゃんとあとで、エルヴィスもかかりますから。ロックもかけますから。今、たまたまソウルなんですよ〜〜」と答えます。へえ〜〜。最近はジャンル広げたんだ。満点の20へえです。 しかしながら、僕がお店にいる間、結局ずっとソウル、それもかなりのディープソウルばっかりで、ロックのロの字もでてこなければ、エルヴィスのエの字も出てこなかった。(笑) (よかった! やっぱりねえ!) 今日の教訓: 『三つ子の魂(ソウル)百まで』 意味: 『3歳の時に聞いたソウルミュージックの魅力には100歳までとりつかれる。営業とはいえ、おいそれと、ロックなんかに趣味を変えることはできない』 これを英語で言うとどうなるか。調べてみました。 What is learnt in the cradle lasts to the tomb.(ゆりかごで習ったことは、墓場まで忘れない) あるいは、As the boy, so the man.(子供の如く、大人もまたしかり=子供の頃に学んだことは、結局、大人になってもそれを受け継ぐ。子供も大人もやることは同じ) な〜〜るほどね。 帰り際、懐かしい曲がかかりました。インスト曲でBPMで130くらいのファンキーなギターとオルガンをフィーチャーした曲です。ブッカーT&MGズをもう少し洗練させたような曲。昔よく聴いた曲でした。でも、アーティスト名とタイトルがどうしても思い出せません。「なんだっけ、なんだっけ」と一人言をこぼし、がまんできずに富田さんに尋ねました。「これなんでしたっけ」 「ポール・ハンフリー! 懐かしいね」 「そうだ、『クール・エイド』だ!」 「クール・エイド(Cool-Aid)」は、本当は「Kool-Aid」なんですね。これは、いわゆる粉末ジュースのこと。固有名詞です。でも、Kool-Aidと曲名を表記すると、ジュースの発売元フィリップモリスから訴えられてしまうかもしれないので、KをCにしたわけです。ジュースのイメージなのかな。71年のヒット曲でした。 さて、かなり古めのソウルばっかりかかっていた「しずおか屋」。ソウルコーヒーもあれば、ソウル焼き鳥もあるのだから、やっぱり、ソウルおでん、ですね。(謎) (「しずおか屋」世田谷区北沢2-33-12 第二トキワビル202 電話03-3465-6154.日曜・定休。祭日は営業。6時から午前1時まで) |
Diary Archives by MASAHARU YOSHIOKA |